こちらは2ページ目になります。
1ページ目から読む場合は
【モーツァルトの死因】
をクリックお願いします。
お好きな項目に飛べる目次
連鎖球菌性咽頭炎からの合併症
2009年にオランダ研究チームが米学会誌に発表したのが『連鎖球菌性咽頭炎からの合併症』説でした。
溶連菌性咽頭炎自体はよくある病気で、通常は未治療であっても数日で軽快します。
しかし稀に腎炎、猩紅熱、リウマチ熱、咽頭後壁膿瘍など重篤になる場合があるため、この病気を疑った場合は抗生物質を使用します。
モーツァルトの時代にはモチロンそんなものはありません。
連鎖球菌感染では発疹を認める場合もありモーツァルトの発疹を伴う熱と一致します。
論文において、浮腫は溶連菌による糸球体腎炎が原因と推測されています。
リウマチ熱
リウマチ熱はA群連鎖球菌(溶連菌)による咽頭炎に続けておこる全身性の疾患です。
溶連菌に対する抗生物質治療がスタンダードとなっている先進国では稀になりましたが、後進国ではまだまだ多い病気。
関節と心臓に炎症症状をおこす場合が多く、大半は治癒しますが、少数は心臓に障害を残します。
また、リウマチ熱にかかった人が無治療であった場合、再び溶連菌に感染した時50%が再発します。
そのため長期にわたり予防的治療として抗生物質を服用するのが常です。
モーツァルトは幼少時にリウマチ熱にかかったことがあるんですね。
だからでしょう。再度の罹患により重篤となった説や、幼少時のリウマチ熱による心臓障害(弁膜症)があり、心不全を起こしやすかったのに瀉血(しゃけつ・血を抜き出すという治療法)なんかしたもんだから、心不全悪化で死亡説などがあります。
ライバルのサリエリによる暗殺(おまけ)
現在ではほぼ否定されていますが、モーツァルトを快く思わない宮廷楽長『アントニオ・サリエリ』が毒殺したという噂が流れました。
可哀想なことに、そんな噂のせいで彼は重度のうつ病になってしまいます。
映画『アマデウス』(→amazon)もサリエリの暗殺説を元に作られていますよね。
レクイエムの依頼人は彼ではありませんし、晩年を精神病院で過ごしたのもフィクションです。
痛風で入院はしてましたけど!
モーツァルトにゴーストライターをさせようとした!?
さてさて冒頭に掲げた、鎮魂歌・依頼人の正体に迫りますよ。
モーツァルトにレクイエムを依頼したのはシュトゥーパッハ伯爵という金持ちの貴族でした。
亡き妻に捧げるため有名作曲家に依頼したのです。
そして、ここまでならよくある美談なのですが、話には続きがあり……。
実はこの伯爵、アマチュア音楽家でもあり、自らの金に物を言わせて他人に作らせた曲を
【作曲byオレ】
として演奏会を開くのが趣味だったのです。
レクイエムの依頼人は死神どころか金持ち道楽者の伯爵……と、もはやミステリーのミの字もなくなってしまいました。
それにしてもモーツァルトをゴーストライターにするとは贅沢の極み。
本当のゴーストに呪われちゃいそうですけど((((;゚Д゚))))
あわせて読みたい関連記事
偉大すぎる作曲家・ベートーヴェンの耳が聞こえないのはナゼだ?
続きを見る
文&イラスト・馬渕まり(忍者とメガネをこよなく愛する歴女医)
本人のamebloはコチラ♪
【参考】
モーツァルト/wikipedia
頭痛大学(→link)
音楽の冗談(→link)
呼吸器内科医(→link)
老兵は黙って去りゆくのみ(→link)
らららクラシック/NHK ONLINE
オーストリア散策(→link)
粟粒熱/wikipedia
AFPBBNEWS(→link)
gooヘルスケア(→link)
リウマチ熱/wikipedia
Yahoo!JAPANヘルスケア(→link)
MSD(→link)
芳ちゃんのブログ(→link)
アントニオ・サリエリ/wikipedia