中南米

魔の海域「バミューダ・トライアングル」で実際どんな事故が起きてたん?

12月5日は「バミューダ・トライアングルの日」です。

バミューダ・トライアングルとは、フロリダ半島の先端とプエルト・リコとイギリス領バミューダ諸島を結ぶ三角形の海域を指します(上記地図参照)。
やたらと船や飛行機が事故に遭うという伝説で有名ですね。

ナゼこんな物騒なものを記念する日ができたのか理解に苦しみますが、1945年のこの日、フロリダから飛び立ったアメリカ海軍の飛行機5機が行方不明になったから。
「米海軍機フライト19事件」とも呼ばれています。

1991年にこの5機と思しき飛行機の残骸が見つかったとか見つからなかったとか。
今も真相は謎のまま。

今回はバミューダ・トライアングルや大西洋で起きたとされている事件・事故などをまとめてみました。

【TOP画像】バミューダ・トライアングル/Wikipediaより引用

 

北大西洋の墓場では2000隻以上の船が沈んでいる!?

この手の話は「オカルト乙www」と一蹴されてしまうことも多いものですが、交通事故でも多発エリアがあるように、何らかの共通現象があるかもしれません。

大西洋自体が割と物騒な海域なので、まずはその話からはじめましょう。
大きく分けて二つのポイントがあります。

・サルガッソ海

だいたいフロリダ半島からジブラルタル海峡あたりの海域で、大西洋の中でも透明度が高く、美しい海として知られています。
周囲で4つの海流が大きな渦を作っているため、海藻やゴミなどが集まる海域でもあります。

それでいて風がほとんど吹かないため、これらが船にまとわりついて難破する船も多かったそうです。
特に帆船が主流だった時代、つまり大航海時代には「魔の海域」として恐れられていました。

穏やかで美しい景色の中、身動きできずに食料と水が枯渇する……と考えると背筋が凍りますね。

・大西洋の墓場

北アメリカ大陸の東沿岸にある、航海上の難所の呼び名です。
恐ろしいことに複数あります。

海流や気象条件により、ポイントによっては2,000隻以上の船が沈んでいるとか。夜に一人で近づきたくないですね。

ものすごく乱暴にまとめると、「大西洋の北半分はもともと事故が多い海域」ということになります。
かつてマゼランが太平洋に出たとき「なんて穏やかな海なんだ」と簡単したのもうなずける話ですね。

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エンリケ航海王子にせっつかれた船乗りたちの恐怖もうかがえます。
そりゃこんだけ魔海だの墓場だのがあれば怖いわ。

ですので、バミューダ・トライアングルだけが事故多発地域というわけではありません。

大西洋の海流・なんだかよくわからないけど、凄まじい感じは理解できますね/Wikipediaより引用

この海域ばかりが話題になるのは、おそらくオカルト的な逸話の事故が有名だからだと思われます。

19世紀では「怪しい船を見つけたので、乗り移ってみたら乗員だけがいなくなっていた」とか、20世紀に入って通信機器が発達してからは「乗員が不可解な発言の後消息を絶った」という事故が多々あったといわれています。

詳細がよくわからない話も多いのですが……船籍・船名・事故発生年だけまとめてみました。

 

バミューダ・トライアングルで消滅した船舶

・1800年 アメリカ(軍艦) ピッカリング号
・1881年 イギリス エレン・オースティン号
・1872年 アメリカ メアリー・セレスト号
・1902年 ドイツ フレア号
・1925年 日本 来福丸

この中でそこそこ当時の状況がわかるのは、エレン・オースティン号とメアリー・セレスト号の二つです。

当初、エレン・オースティン号自体は事故に遭ったわけではありませんでした。
大西洋上で不審な船を見つけたため乗り移りましたが、誰も乗っておらず、仕方なくエレン・オースティン号の乗員が操縦・同行しようとしたそうです。

しかし、途中で嵐に遭い、不審船に乗った乗員だけが姿を消してしまったのだとか。
ここで話が終わっていて、不審船をその後どうしたのかがわからないあたりが何ともオカルトチックですね。

 

嵐や海賊には襲われず手すりに血痕や引っかき傷など

メアリー・セレスト号は、ニューヨークからイタリア・ジェノヴァに向けて出港した船です。

約一ヶ月後、デイ・グラチア号という別の船によって、ポルトガル沖で漂流しているのを発見されています。
船長同士が友人だったこともあってか、デイ・グラチア号の航海士たちが小舟でメアリー・セレスト号に向かい、船上を調べたところ、奇怪な点が多々ありました。

船全体がびしょ濡れになっていて、船倉は1メートル以上浸水していたそうです。救命ボートも失われていました。
しかし、一部を除いた積み荷のアルコールや食料・水は無事であり、嵐や海賊に襲われたとは考えにくい状況でした。

それでいて複数の手すりには血痕や名状しがたい引っかき傷があり、船員と船長一家の合計10人は誰もおらず、航海日誌以外の書類が全て失われていたといわれています。

メアリー・セレスト号/Wikipediaより引用

日誌の最後の日付は11月24日にポルトガル領・アゾレス諸島の西100マイルにいたと書かれていました。
翌日にはアゾレス諸島の島の一つ、セント・メアリー島に到着するはずの距離だそうです。

発見されたのがどの辺の位置だったのかはっきりしないのですが、単純に考えて、「乗員が何らかの理由で脱出した後、船が大西洋上を逆行した」ということになります。

翌年、スペイン沿岸に合わせて6人の遺体とアメリカ国旗を載せた救命ボートが流れ着いたといわれていますが、メアリー・セレスト号と関係があるのかどうかは謎のままです。人数も合いませんし。

 

フィラデルフィア計画では人が半身だけ透明になった!?

海難事故と言っていいのかビミョーなところだと、フィラデルフィア計画なんてのもあります。

これまた都市伝説の域を出ないのですが、全ての文末を「だそうです」「らしいです」にすると読みにくいので、皆様そのつもりでお読みくださいね。

事の起こりは1943年にアメリカ海軍が行った実験。
「船体の磁気を他の強力な磁気によって人為的に消失させれば、レーダーに見つからなくなる」と証明するためのものでした。

科学的な実験でいきなり眉唾モノの話になるのかわかりかねますが、当時は「レーダーは船体が発する特徴的な磁気を感知している」と考えられていたので仕方ありません。

そして、駆逐艦エルドリッジに人を載せ、アメリカ東海岸・フィラデルフィア沖で実験が行われたのです。

実験に使われた駆逐艦・エルドリッジ/Wikipediaより引用

予定通り、強力な磁気を発生させることはできました。
が、その直後エルドリッジは発光し、完全に消えてしまったのです。

数分後、元の場所に戻ってきましたが、船上は阿鼻叫喚というのも生ぬるい惨状になっていました。

「体が突然燃え上がった」とか「凍りついた」とか物理的に有り得そうなものもあれば、「半身だけ透明になった」とか「壁の中に吸い込まれた」などオカルトめいたものまでさまざまです。
生き残った乗員も精神異常をきたし、心身ともに無事に帰れたのは機械室にいたエンジニア数名だけという惨状のため、隠蔽されたとされています。

もうちょっと現実的なことを考える人達の間では、「マンハッタン計画(アメリカの核兵器開発計画)のカモフラージュでは?」ともいわれていますね。

つまり、ありえない・起きていない話を大げさに・こっそり広めることにより、本当にヤバイ話を隠したのでは、ということです。
これはこれで信憑性があるので、判断に困ります。

 

そこまでして隠したい何かがあるんじゃないか……

他に「サンチアゴ航空513便事件」というのもありますが、これはデマ確定のようです。

そもそもサンチアゴ航空という会社が存在しなかった上、該当機の性能や事故の記録、航路など全てに無理があるそうで。

上述の各事件についても「小さな事故もしくは最初からフィクションで、時間が経つにつれ、作家・ジャーナリスト・オカルトマニアが尾ひれをつけていった」とする人もいます。最近新しい事件も聞きませんから、この可能性は否定できないですね。

近年で大西洋上の大きな事故というと、2009年のエールフランス447便墜落事故があり、あれは「機械の故障と操縦士の操作ミス」という話でまとまっています。
個人的には「そこまでして隠したい何かがあるんじゃないか」とも思ってしまいますが。ひねくれててサーセン。

9割9分9厘、関係ないでしょうけれども、スペースシャトル・チャレンジャー号の残骸がこの辺に沈んでるはずですし、もうちょっとメキシコの方にずれると、恐竜絶滅の一因になったといわれている巨大クレーターがあります。

偶然といえばそうもいえますが、地球の表面積に対してこの近辺にいろいろ集中し過ぎじゃないかなー……と思うのは、やっぱりオカルトですかね。

まあ、いつの時代も記録なんて散逸するものですし、大げさに脚色する人もいますし。100年以上経ってやっと「隕石によるもの」と解明されたツングースカ大爆発のように、いずれはっきりわかる時が来るのかもしれません。

何もかもが人間に理解できることとも限りませんから、謎のままでも面白いですけどね。

長月 七紀・記

【参考】
バミューダ・トライアングル/Wikipedia
フィラデルフィア計画/Wikipedia
サルガッソ海/Wikipedia
大西洋の墓場/Wikipedia
メアリー・セレスト号/Wikipedia

 



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