新型コロナウイルスが落ち着いたかと思ったら、2023年の夏から猛威を振るった怖いウィルス。
ご存知“インフエンザ”は昔から人類を苦しめてきましたが、今回は20世紀の初頭に起きたパンデミック(世界的流行)の【スペインかぜ】に注目してみたいと思います。
スペインかぜとは、いわゆる風邪ではない?
字面からそんなイメージが湧いてきてしまうかもしれません。
実はこのスペインかぜ、1918年~1919年にかけて世界中で大流行したインフエンザのことであり、アメリカから発したものなのです。
それがなぜ“スペイン”なのか?振り返ってみましょう。
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第一次世界大戦の米進軍でウイルス拡散
スペインかぜが大流行したとき、実に世界人口の30%にあたる6億人が病に冒され、4000~5000万人が死亡したとされます。
ヨーロッパと言えばペストを連想される方も多いかもしれませんね。
スペインかぜはそれよりも多くの死者をヨーロッパをはじめとする
前述の通り、そもそもこのスペインかぜは1918年3月に米国(デトロイトなど)
それが米軍のヨーロッパ進軍と共に大西洋を渡り、5~6月にヨーロッパで大流行。
進軍とは他でもない第一次世界大戦(1914年~1918年)のことです。
そして同年秋に流行の第2波が始まり、しかも世界中、ほぼ同時に起こる病原性の強いものでした。
日本にも伝播し、1919年春から秋にかけて起きた第3回目の流行が、最も被害が1番大きくなりました。
それにしても「米国発祥なのになぜスペインかぜとなったのか?」と思いますよね。
それは、何とも政治的というか人為的というか、意外な原因が背景にあったのです。
スペイン発症って、それ何て大人の事情
前述のようにスペインかぜが流行していた当初は第一次世界大戦中です。そのため戦争に参加している国では、情報の検閲が行われていました。
『いまうちの国ではインフエンザで死者多数』
『出兵先でインフエンザ大流行』
こんな情報は士気に大きく関わります。
逆に敵国にとっては有利な情報となるだけです。
そのような状況下、大戦に参加していなかったスペインでは報道が自由だったため、このパンデミックの発信源はスペインということになってしまうのです。
結果『スペインかぜ』と呼ばれるようになったのですね。酷い話ですが。
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