岩佐又兵衛

岩佐又兵衛の自画像(右)と漫画家・小久ヒロのイラスト

文化・芸術

信長を裏切った村重 その息子・岩佐又兵衛の狂気!浮世絵に描く母

こちらは3ページ目になります。
1ページ目から読む場合は
岩佐又兵衛
をクリックお願いします。

 

胴も真っ二つだ!首も飛ばして床に転がしてやる!

常磐に母だしを見ている?

なにゆえ??

私には、瞬時に先生の真意が理解できませんでした。

そこでジックリと考えてみます。

常磐御前と牛若…義経と頼朝。

死んでいく母と、寺に預けられて生き延びた息子。

そして生き別れた兄弟。

源頼朝
史実の源頼朝は一体どんな生涯53年を過ごしたか?鎌倉殿の13人大泉洋

続きを見る

なるほど…この絵巻のキャラクターの立ち位置は、よくよく考えてみれば荒木家、つまり又兵衛の境遇にそっくりではないですか!

又兵衛はこの常磐に母「だし」を見ておりました。

母を殺した輩を今度は自分がギッタギタに切り裂き、死体を菰(こも)にまとめて谷へ投げ捨てる。

そんな復讐が出来たら?

母を殺した奴らをこんな風にできたら?

もはや感情のみで筆を走らせろとばかりに、胴も真っ二つだ!

首も飛ばして床に転がしてやる!!

ああ凄まじい!

又兵衛、凄まじいよ!!

 

又兵衛が関わった血みどろ絵巻「堀江物語絵巻」

申し訳ありません、つい興奮してしまいました。

ただ、申し上げたいのは、この絵巻の想いの強さは私だけに訴えるものではなかったということです。

山と積まれた書物の中からドイツ人ルンプに「これが欲しい」と思わせ、「家を売ってでも守らなければ」と編集者巳之吉に思わせ、後の学者たちにも「研究しなければ!!」と思わせる。

見る者の人生を振り回してしまう、まさに狂気なのです。

「この絵はすごいですね」と、思わず野良漫画家の私に原稿依頼をしてしまった武将ジャパンさんも、もうきっと又兵衛の虜。

皆様にも是非、又兵衛を知って頂きたいのです。

そしてもう二度と国外流出なんて危険な目に遭わぬよう、この絵巻を守って頂けたらと思うのです。

残念ながら私には気持ちはあっても財力がついていかぬのです。

又兵衛が関わった血みどろ絵巻にはもう一作『堀江物語絵巻』があります。

あまりの過激さゆえか、一番悲惨な部分はカットされ失われているといいます。

R18規制が入ったの?それであの悲惨さなの?と思わざるを得ません。

気になる方は是非ご検索を。

あわせて読みたい関連記事

荒木村重
信長を裏切り妻子を捨てて逃亡した荒木村重~道糞と蔑まれた生涯52年

続きを見る

織田信長
史実の織田信長ってどんな人?生誕から本能寺まで49年の生涯まとめ

続きを見る

東本願寺と西本願寺
東本願寺と西本願寺が二つに分裂しているのは信長・秀吉・家康のせい?

続きを見る

松平忠直
幸村を討ち取った家康の孫・松平忠直 なぜ徳川家と上手くいかない?

続きを見る

徳川家康
三度の絶体絶命を乗り越えた徳川家康~天下人となる生涯75年とは?

続きを見る

源義経
史実の源義経はどんな生涯を送り最期を迎えた?鎌倉殿の13人菅田将暉

続きを見る

源頼朝
史実の源頼朝は一体どんな生涯53年を過ごしたか?鎌倉殿の13人大泉洋

続きを見る

絵&文:小久ヒロ

【参考】
辻惟雄『岩佐又兵衛―浮世絵をつくった男の謎 (文春新書)』(→amazon
別冊太陽編集部『岩佐又兵衛:浮世絵の開祖が描いた奇想 (別冊太陽太陽 日本のこころ)』(→amazon
黒田日出男『岩佐又兵衛と松平忠直――パトロンから迫る又兵衛絵巻の謎 (岩波現代全書)』(→amazon
MOA美術館(→link

 

 

 

TOPページへ

 

-文化・芸術