まんが日本史ブギウギ

まんが日本史ブギウギ28話 南都六宗拳vs北斗の長岡京

台頭する藤原氏と、それを押さえ込もうとする他家。
そして強権を発動したり、振り回されたりの皇族。

いつの時代も政変に伴うトラブルはつきものですが、奈良時代は特に連続した時代でもありました。

長屋王の変。
藤原広嗣の乱。
橘奈良麻呂の乱
藤原仲麻呂の乱
宇佐八幡宮神託事件。

次々と権力者が入れ替わるたびに既存勢力が追い出されたり、あるいは奪われたポジションを取り戻すために立ち上がったり、それはもう受験生を悩ませるものであります。

そこに颯爽と登場したのが光仁天皇……からの桓武天皇!
ご存知、平安京へと遷都した天皇として著名であり、いかにも親政を推し進めた印象がありますが、最初から順風満帆だったワケではありません。

過去の負の遺産は、早くも勃発するのであり……日本史ブギウギ第28話スタート!

◆氷上川継の乱――。
桓武朝に入って間もなく、そのトラブルは突然起きました。

あまり詳細を語られることはありませんが、氷上川継は伊豆へ流され、大伴家持や坂上苅田麻呂は解官され、多くの者が処罰されております。

氷川川継は、塩焼王の息子でした。
塩焼王は天武天皇の孫ですから、要は、天智天皇系だった光仁天皇―桓武天皇の流れを取り戻そうとしたんですね。

もともと藤原家では地味だった藤原浜成は、これにて完全に権力者レースから脱落してしまうのでした。

 

◆南都六宗――いやぁ、カッコイイっすね。
それぞれの読み方は

三論宗(さんろんしゅう)
成実宗(じょうじつしゅう)
法相宗(ほっそうしゅう)
倶舎宗(くしゃしゅう)
華厳宗(けごんしゅう)
律宗(りっしゅう)

と、この通りでございますが、まぁ、なんだ、元ネタは「皆まで言うな」ってところでしょうか。
はい、それでも一応、確認しておきましょう。

シン(南斗孤鷲拳)
レイ(南斗水鳥拳)
ユダ(南斗紅鶴拳)
シュウ(南斗白鷺拳)
サウザー(南斗鳳凰拳)
ユリア(南斗六聖拳、最後の星)

こうなると平安時代のビッグ2である「比叡山延暦寺」と「高野山金剛峰寺」が気になりますねぇ。
ラオウとケンシロウ……違うか……な……。

※と、上記のように記してしまいましたが、こちら編集サイドの完全な勘違い。大変失礼いたしました。
「南斗六聖拳」ではなく、ユリアを守るための「南斗五車星」でした><;

風のヒューイ
炎のシュレン
雲のジュウザ
山のフドウ
海のリハク

雲のセリフが完全にジュウザですよね……。
余計な混乱を生じさせてしまい、本当に申し訳ありませんでした。

 

 

◆「なんと(710年)大きな平城京」
これに続くのは
「なくよ(794年)ウグイス平安京」
と言いたいところですが、784年からおよそ10年間、密かに頑張っていたこちらを忘れちゃあ困ります。

長岡京――。

もちろん日本史受験では必須の語句ながら、意外とわかっていないのがその場所でして。
皆さん、ドコに跡があるかご存知ですか?

京都駅から南西へ数キロ。
長岡京のすぐ東には桂川が流れており、生活用水の確保も下水処理も問題なく、都市生活を営むには格好の場であったでしょう。

では、なぜ平安京に遷都したかと申しますと、前述の「南都六宗」を忠臣とした平城京の仏教勢力を嫌がった――というものから、藤原種継の暗殺による政界激震などなど、様々な要因が重なりまして。

※なお、長岡京跡から平城京跡まで直線距離で20キロ以上あります

 

◆早良親王は、桓武天皇の弟です。
父は光仁天皇で、母ちゃんも同じ。
そもそもは出家して東大寺などにいたのですが、桓武天皇の即位に従い、還俗して皇室へ戻り、一時は皇太子となっておりました。

しかしそれも、桓武天皇の息子、後の平城天皇が即位するまでの、あくまで保険的存在にすぎません。

非常に弱い立場の早良親王。
そんな状況のもとで不幸にも勃発したのが、藤原種継暗殺事件でした。

桓武天皇のお気にだった種継が死んで、タダで済ませるワケにはいかん。
とばかりに早良親王が事件の関与を疑われ、乙訓寺(おとくにでら)に幽閉されると、本人はそこで超絶気合を発揮してハンガーストライキを敢行。
間もなく淡路へ流される途中で憤死したのでした。

奈良のお寺とは特に繋がりの深い早良親王だっただけに、遷都の絡んだ話では、相当なプレッシャーがかかっていたのですかね。おいたわしい話です。

 

※次週へ続く

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著者:アニィたかはし

武将ジャパンで新感覚の戦国武将を描いた『戦国ブギウギ』を連載。
従来の歴史マンガでは見られない角度やキャラ設定で、日本史の中に斬新すぎる空気を送り続けている。間もなく爆発予感の描き手である(編集部評)

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