『おんな城主 直虎 完全版 第壱集 [Blu-ray]』/amazonより引用

おんな城主直虎感想あらすじ

『おんな城主 直虎』感想レビュー第37回「武田が来たりて火を放つ」

こんばんは、武者震之助です。

◆ おんな城主 直虎:“虎松”菅田将暉がついに解禁 新ポスタービジュアルのテーマは「未来へのバトン」(→link

ついに新ポスターもお目見えです。
きりっとした表情の井伊直政にも注目したいところですが、やはり気になるのが直虎の表情です。
前半ポスターのきりっとした凛々しい顔とは違う、多くの悲しい別れを体験した、そんな年月が刻まれているようです。

昨年の『真田丸』のポスターもそうでしたが、主人公の過ごした歳月や経験が表情の違いとなって積み重なる、そんな変化が素晴らしいと思います。
ポスターには映っていませんが、どこからか直親と政次が見守っているような気もします。

そんなしんみりした気分を吹っ飛ばす、「武田が来たりて火を放つ」のサブタイトル。
ヒャッハー! 遠江は消毒だー!
そんなマッドマックス的内容しか想像できません。もうやめてください。

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キレた信玄が遠江への侵攻を開始!

さて本編です。
井伊家再興をあきらめた井伊直虎は、還俗し龍雲丸と生活を送っています。

百姓としての暮らしは穏やかで、それなりに満ち足りたものでした。
粗末な百姓の衣装を身にまとっても、輝くように美しい直虎にはうっとりさせられますなあ。眼福眼福。

しかし魔の手は迫ります。

徳川家康今川氏真と和睦したことに怒っていた武田信玄が、遠江に侵攻を開始したのです。

元亀3年(1572)、井伊谷の人々は、そんな迫る危機の中平和な暮らしを送っています。
瀬戸方久は刺繍に商機を見いだし、刺繍が得意なあやめの婿となります。

これで唯一定まらなかったあやめの結婚相手が決まりました。

 


「とわも、ともに(堺へ)行かぬか?」

井伊の民はたくましく暮らし、祐椿尼は龍潭寺に身を寄せています。

直虎は、龍雲丸に会いに来た元龍雲党のたまきを浮気相手と勘違い。長芋でポカスカと龍雲丸を殴りつける仕草が豪快かわいい。
たまきは堺に逃れた元気賀商人の中村屋から、書状を預かっていました。

商人がおさめる大都市、堺。そんな夢のある場所に、龍雲丸が思いをふくらませます。
直虎が魅力を感じているのは、そんな大きな夢を見ている彼の姿でした。

「よいのではないか。頭の性に合うた話だと思うぞ」
「とわも、ともに行かぬか?」

龍雲丸の言葉に対し、行けるわけがない、井伊を離れるのはあまりに罰当たりだ、と拒む直虎でした。
菩提を弔わねばならないのに、還俗したうえで、故郷を捨てるわけにはいかない、と言うのです。

負い目はないのかと直虎から尋ねられた龍雲丸は、ここで炭を焼いていてもどうにもなるわけじゃねえし、と言います。

「あんたがここで百姓してたって、但馬様が生き返るわけじゃねえし」
そんなことは一番知っていると言い残し、立ち去る直虎でした。

 


小野政次が指摘した通り、高瀬は間者だったのか!?

近藤が城主となった井伊谷城に、行商人が訪れていました。
男は高瀬の顔を見て正体をあらわします。
武田の間者でした。

「しかし、井伊はもう滅びましたし」
「だから、今の城主を殺して欲しい。しくじれば命はないと思え」

ここで再浮上した、高瀬武田間者説!
小野政次の睨んだ通りでした。高瀬は果たして恩義ある近藤を殺せるのでしょうか。

直虎は祐椿尼に龍潭寺まで呼び出され、堺にはいつ行くのかと急かされます。

孫を抱きたいから、これがラストチャンスなんだから龍雲丸を手放さずについていけ、と迫る祐椿尼。孫欲しさに強引に迫るような言葉ではありますが、これも彼女の優しさですね。

堺から井伊にひょいと戻れるとは思えません。
こう言えば、親孝行のためだから、誰かのためだからと直虎が思うだろうという、背中を押す優しさです。

直虎は自分のためではなく、誰かのために生きようとする性格です。
そんな娘だからこそ、多少デリカシーに欠けた背中の叩き方をしなければならない、と。愛ですねえ。

 

上杉謙信は動けない もはや織田も徳川も為す術ナシ

堺行きを今回は断ろうかと龍雲丸が考えているところに、直虎が戻りました。
直虎は行くと決めたと、龍雲丸に告げます。

2人は、祐椿尼に堺行きの決心を伝えます。堺出立は来年になると告げられ、祐椿尼は喜ぶのでした。

そんな中、武田のヒャッハー、もとい遠江侵攻が開始されました。

徳川に殴り込みをかけつつ、織田にもパンチを放つ凶暴すぎる武田。
しかも上杉は一向一揆に手間取り動けないという、絶体絶命のピンチです。
なんなんだ、このまがまがしい集団。

あの本多忠勝すら「丸裸ではないか」とうつろな笑いを漏らすこの状況に、家康は碁盤を前に現実逃避寸前だ!!

 


織田を見限って武田に付こうとした、そのタイミングで……

直虎と龍雲丸は、南渓らから堺出立を急かされます。
しかし二人とも断り、井伊谷の民を逃すために働きたいと決意を語ります。

ここは全力で、どう逃げるか。近藤に降伏を促すか。皆で知恵を絞るのでした。

武田は破竹の勢いで進軍を続けます。
織田信長からの援軍も到着しそうにありません。家康はもうここは遠江を割譲して和睦してしまおう、と言い出します。

「織田だって滅ぼされそうだし、ここで織田を見限って武田につけばいいじゃない!」

よっしゃ、ここは思い切ってそうしちゃえ、織田には誤魔化せばいいや……と思っている所に、やってきたのは佐久間信盛。ものすごくいい顔をしております。

しかも二万の相手に援軍の兵が1000名って……焼け石に水というか、何というか。
敵に包囲網を敷かれて動けない信長が今できる精一杯の助力なんでしょうねえ。

「……これはもう、戦うしかございませんなあ」
かつてないほどうつろな顔で出撃する徳川勢。

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