以前の芸名はサモ・ハン・キンポー。
ジャッキー・チェン、ユン・ピョウとのトリオが有名な巨漢であり、かつては「デブゴン」という愛称で呼ばれておりました。
日本では水島裕さんの吹き替えが有名ですね。
知名度ではジャッキーには及ばないながら、アラフォー以上の方であれば『懐かしいねえ』と、ちょっとした感傷に浸られるでしょう。
しかし本作は、それ以上にアラフォーを直撃する要素があります。
むちゃくちゃ『北斗の拳』の世界なのです。あたたたた~!!
基本DATA | info |
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タイトル | 『コール・オブ・ヒーローズ 武勇伝』 |
原題 | 危城(英語タイトル Call of Heroes) |
制作年 | 2016年 |
制作国 | 中国 |
舞台 | 中華民国、普城(普通の町という意味。普通の町が、危険な町となってしまうというタイトル) |
時代 | 1914年 |
主な出演者 | 劉青雲(ラム・チンワン)、彭于晏(エディ・ポン)、古天楽(ルイス・クー)、呉京(ウー・ジン) |
史実再現度 | ざっくりと時代背景を借りてはいるが、場所と人物は架空のもの |
特徴 | ジェネリック実写版『北斗の拳』だ!! しかも本家より断然効きます |
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千葉繁氏の声で読みたい あらすじ
1914年、中国大陸は戦火に包まれた――。
内戦に荒れ果て、北洋軍閥がはびこり、全ての人々は絶望したかの様子。
しかし、英雄の心は滅びていなかった!
北洋軍閥の脅威にさらされる普城。その村を守るべく、楊克雄は日々目を光らせていた。
ここに一人の英雄・馬峰、そして軍閥将軍の息子・曹少璘が訪れたことから物語は始まる。
村人を殺す悪党・曹少璘。
てめえに今日を生きる資格はねえ!
正義の心を持つ英雄たちは、ついに立ち上がる。
眉の太い原哲夫氏作画の男だらけの世界
本作に入る前に、哀しみについて語りたいのです。
実写版『北斗の拳』という哀しみ……。
「『北斗の拳』に実写版なんかあったの?」と思えるアナタは幸せ。
知らなくていいし、知っていても忘れた方がよいのです。
見ない方がよいのです。
アレは見なくていいから、こっちを見るべきだ、というのが本作でしょう。
そこは眉の太い原哲夫氏作画の男だらけの世界(アシスタント作画は除く)
幼い子供達は泣き叫び、老人たちは明日を夢見ながら暴力に倒れ!
罪のない村人たちはヒャッハー系悪党によって蹂躙され!
眉の太い男たちの間には何か熱い絆があり!
英雄の前に現れる因縁がありそうな男は、同門の兄弟子で!
悪党は徹底してゲスで早く死んでくれと願いたくなり!
「強敵」と書いて「とも」と読む!
おいおい、主題歌も、クリスタルキングっぽいぞ!
『北斗の拳』の元ネタは『マッドマックス』だけではない
『マッドマックス』を見た若者が、「この映画『北斗の拳』ぽいですね」と言ったなんて笑い話を小耳に挟んだことがあります。
『北斗の拳』が『マッドマックス』を参照した――というのが正しいんですね。
そしてもうひとつ。
『北斗の拳』に影響を与えている映画がありまして。
ブルース・リーです。
初期のケンシロウはブルース・リーを意識しているであろう外見。
あの有名な「あたたたたた! ホアアッチャア〜」という声も、ブルース・リーの怪鳥音を意識している。
『ドラゴンボール』もそうですが、当時はそういうカンフー映画っぽさを取り入れている点が、作品の特徴だったのです。
ブルース・リーだけでじゃありません。
中国のカンフー映画、武侠モノの要素も『北斗の拳』にはあります。
あの有名な「経絡秘孔」も、元を辿れば「点穴」という東洋医術。「ツボ」のことですね。
針を刺したり刺激したりして治療を行うものです。
これが武侠ものですと、ツボを突くことで相手に大ダメージを与えたり、麻痺させて動きを封じたりすることができます。
ツボを突くことで人体が内側から破裂する描写は『北斗の拳』独自のアレンジですが、元ネタはそのあたりにあります。
それ以外にも、
・因縁のライバルが同門の弟子であるとか
・流派ごとに争いがあるとか
そうした要素は中国の武侠ものをベースとしている部分が多いわけです。
『コール・オブ・ヒーローズ』が『北斗の拳』みたいに思える――それもある意味当然なのです。
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