こちらは2ページ目になります。
1ページ目から読む場合は
【ホロウ・クラウン】
をクリックお願いします。
お好きな項目に飛べる目次
『ヘンリー四世第二部』うつけ王子、名将への道
本作は、
・父王が崩御し、
・王子が本気を出してフォールスタッフらを追い出し、
・即位する
ところがクライマックスです。
しかし、これはある意味悲劇ではないでしょうか?
「虚ろな王冠」にふさわしい人になるため、王子は親友たちを投獄します。
それは、人間性の否定ではないでしょうか?
ずっと描かれて来た、明るく陽気で人好きのする王子は消え去り、そこに立つのは冷酷な王であり、名将の姿です。
『ヘンリー五世』激戦を制覇する英雄王
悪友を退けたヘンリー5世は英雄王となり、内乱を鎮圧したイングランドを出航。
百年戦争の対戦国フランスへ乗り込みます。
英国王ヘンリー5世 英語を積極的に使い軍事に長けた若き王はなぜ急死したのか
続きを見る
イングランド王でも屈指の名将であり、「アジンコートの戦い演説」は、愛国心の象徴でもあります。
それでも、虚しさを混ぜるのがシェイクスピア流でしょう。
王に捨てられたフォールスタッフの悲しみ、侵攻されるフランスの大迷惑、夭折した王の葬儀。そこまで描きます。
ヘンリー5世が美しきフランス王女キャサリン・オブ・ヴァロワを娶る場面も見所ですね。
ただ、彼の息子であるヘンリーの狂気は、この母親経由で流れ込むんですなァ。皮肉よなあ。
『ヘンリー六世第一部』薔薇戦争、幕開け
ヘンリー5世の夭折後、物語は、ヘンリー6世の王位へ。
母方の祖父譲りの錯乱した王に代わり、政争に立つのはフランス出身の王妃マーガレット・オブ・アンジューです。
「黒人のソフィー・オコネドーが出てくる」と本作に対して文句のレビューを書いている人もいますが、作り手は、そういう方のことを想定していません。
彼女はこのドラマ女優陣でも屈指の名演をしております。
余談ですが、このマーガレットは『ゲーム・オブ・スローンズ』の主要人物であるサーセイ・ラニスターのモデルでもあります。
ヘンリー6世を支えるグロスター公ハンフリーは、ドラマ『ダウントン・アビー』や映画『パディントン』での名演技で日本でも人気のあるヒュー・ボネヴィル。
しかもその妻エレノアは、『シェイプ・オブ・ウォーター』の主演であるサリー・ホーキンス! 豪華キャストです。
そんな中で、ランカスター朝が赤薔薇、敵のヨーク家が白薔薇を掲げ戦う、残酷な歴史が幕を開けます。
※続きは【次のページへ】をclick!