感染症の日本史

磯田道史『感染症の日本史』/amazonより引用

歴史書籍

新型コロナを歴史の知恵で乗り切ろう 磯田道史『感染症の日本史』書評

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磯田道史『感染症の日本史』書評
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麻疹とにかく感染力が強い

この本で軸となる病気は麻疹(はしか)とインフルエンザです。

麻疹はとにかく感染力が強い(空気感染します)。そして致死率もそこそこ高い。

このあたりがCOVID-19を彷彿とさせます。一度かかると終生免疫がつくのは幸いですけどね。

第4章「はしかが歴史を動かした」では都市化による麻疹の流行、お寺でクラスター発生などが取り上げられています。

外国から持ち込まれた疾病が幕末の攘夷運動を加速させたとの見解もおもしろい。

まりちゃんの麻疹記事もよろしくね!

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スペイン風邪という名のインフルエンザ

インフルエンザは世界的な大流行、スペイン風邪にスポットを当てております。

スペイン風邪は1918年~1919年にかけて世界中で大流行したインフエンザで、実に世界人口の30%にあたる6億人が病に冒され、4000~5000万人が死亡しました。

※2021年4月時点におけるCOVID-19の感染者数は世界で1億4000万人・死者数は300万人

日本におけるスペイン風邪は終息に2年かかり、第1波から3波のピークがありました。

世界的流行はCOVID-19に通ずるところも多く第5〜第8章がインフルエンザの話題になっています。

スペインかぜ
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平民宰相こと原敬(はらたかし)もインフルエンザにかかった時の様子を事細かに記述しており、第8章「文学者たちのスペイン風邪」では小説の神様・志賀直哉の自粛警察っぷりが凄いです。

幼い子を病で亡くし、娘が病気になることを極端に恐れ、流感の中、お芝居に行った女中さんをクビにしかけたり……。しかし、志賀自身が罹患した際は、その女中さんに助けられたり。

冷静に対応すべきであることがよーくわかりますよね。

これからCOVID-19の感染がどうなっていくかは分かりませんが、私も「馬渕まりの罹患日記」を書かなくて済むよう、手洗い、ソーシャルディスタンスを頑張るぞっと!

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文/馬渕まり(忍者とメガネをこよなく愛する歴女医)
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【参考】
『感染症の日本史 (文春新書)』(→amazon

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