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【郷中教育】
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「郷中」の組織
郷中の少年は、年齢別に呼び名が変わりました。
【郷中教育の世代別呼称】
小稚児(こちご):満5~6才から9才まで(幼稚園児から小学校低学年)。小刀一本差し。前髪あり
長稚児(おさちご):10才から14才まで(小学校高学年から中学生)。大小二本差し。前髪あり
稚児頭(ちごかしら):小稚児、長稚児のリーダー格
牛頭二才(ごずにせ):14~19才
二才(にせ):「兵子二才」ともいう。15才から20代半ばで未婚。大小二本差し。前髪なし。冬でも足袋ははかず、シュロの緒を使った高下駄を履く
二才頭(にせがしら):郷中頭とも。郷中のリーダー
【郷中教育を終えた者】
長才衆(おさせんし):20代半ば以上、郷中教育を終えて、妻帯した者
長老:50才以上
勉強も自分たちで行っていた郷中教育。
いったい何を読んでいたのか?
郷中教育のテキスト
教養も重んじる薩摩では、様々なテキストが用いられておりました。
◆儒教経典
四書五経(四書は『論語』『大学』『中庸』『孟子』で、五経は『易経』『書経』『詩経』『礼記』『春秋』『礼記』『孝経』『近思録』)
※薩摩藩では特に朱子学を重んじました。
◆暗唱する歌
『日新公いろは歌』
『虎狩物語』島津義弘の虎狩りの様子
『三州府君歴代歌』
島津忠良が領内家臣の教育のため、覚えやすいように教えを「いろは歌」におりこんだものです。
2015年朝の連続テレビ小説『あさが来た』では、薩摩出身の五代友厚と大久保利通がこの歌を引用して懐かしんでいましたね。
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◆一般読書(歴史)
『漢書』
『史記』
『資治通鑑』
『神皇正統記』
『清献遺言』
しっかりした教育という面で薩摩藩と比較される会津藩では、日本史を学ぶ機会がなかったそうで。
そこが問題であったと山川健次郎(会津藩出身の元東京大学総長)が回想しています。
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このあたりは藩の特色でしょう。
◆軍事書
『六韜三略』
『呉越軍談』
『漢楚軍談』
『三国志』
『三国志演義』
『十八史略』
『源平盛衰記』
『義経勲功記』
『太平記』
『武田三代記』
『真田三代記』
『太閤記』
『関ヶ原軍記』
◆輪輪書(みんなで読む本)
『曽我物語』
『赤穂義士伝』
がっつりと大量のテキストがありますね。儒教を学ぶだけではなく、薩摩の武士らしさを養うような本もたくさんあります。
こういうものを日々読んで、薩摩の少年たちは精神性と教養を高めいました。
いわゆる文武両道ってやつですね。
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