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【八百屋お七】
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男の名前は出さず火あぶりの刑
庄之助に会いたい。会うためなら何だってする。放火だった厭わない。
そんな感情が罪の意識を上回ってしまい、やがて実行→逮捕されたのです。
そして後日の判決は……
・お七、火あぶりの刑
当然死刑です。鈴ヶ森刑場(現在の品川区南大井)で焼かれて死んでしまいました。
奉行所では、若く美しい彼女がナゼそんな大それたコトをしでかしたのか理解ができず、正直に告白すれば「助けてやらんこともない」と話しかけたと言います。
しかし、庄之助の名前を出せない、出したくない彼女は一人で罪を被り、そのまま刑を受けました。
なお、先の「天和の大火」をお七の仕業と勘違いされる方も少なくないようですが、彼女の場合はあくまでボヤで済んでいます。
火あぶりの刑だったので思い違いしやすいのかもしれません。
後に芝居となり大ヒット
では、こうした話がどこまで史実なのか?
お七が実在したことは間違いないようですが、その他はほとんど創作とされ、井原西鶴の才能がヒシヒシと伝わってきますね。
大人気となった本作は、さらに浄瑠璃や歌舞伎でもメディアミックスされ、大ヒットとなりました。
※以下は井原西鶴の事績まとめ記事となります
井原西鶴ってゲス~いゴシップ小説で売れっ子作家になったの?52年の生涯まとめ
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ただし、この時代の「火事」は、エンタメ作品のテーマとしてはちょっとナイーブな分野です。
そこで時代が下るにつれて、お七は放火をせず、火の見櫓に登って半鐘を叩き「火事だぁ!」と偽ったりしています。
まぁ、これも重罪なんですけどね。
振り袖で櫓に登るお七の姿は実に儚く、舞台映えするから用いられたのでしょう。
今回の判定、恋人に会いたい気持ちは分かりますが「火付け絶対ダメ!」で、日本史ワル査定としては★1つ。
まぁ、創作なんですけど、当時の女心がわかるってことで。
悪人度 ★☆☆☆☆
影響力(権力)★☆☆☆☆
悲恋度 ★★★★★
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文&イラスト・馬渕まり(忍者とメガネをこよなく愛する歴女医)
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【参考】
国史大辞典
日本大百科全書
学研科学創造研究所(→link)
八百屋お七/wikipedia