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 【日本の地震の歴史】
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昭和・平成・令和の大地震
昭和と平成で地震をまとめるなら、当然ながらポイントは2011年3月11日の東日本大震災となるでしょう。
揺れそのものは「東北地方太平洋沖地震」と呼ばれますね。
しかし、軽視してならないのは、1933年に起きたM8.1の『三陸沖地震』です。
揺れでの被害は少なかったものの、大きな津波が太平洋岸を襲い、死者・行方不明者は3064人。綾里湾(岩手県大船渡市)では約28メートルの高さに達したといいます。
同地域では、東日本大震災のときにも30メートル規模の津波がやってきたといいますから、その恐ろしさもご理解できるでしょう。
東北の三陸沖は千年に一度ではなく、江戸時代や昭和の始めにも大規模な揺れを生じていたのです。
昭和・平成・令和 114回
M6.1以上の地震 93回
M8.0-9.0クラスの超巨大地震 8回
M6.0(M5.0-6.0含む)の地震 14回
規模不明の大地震 0回
総数 114回(86年間)
1年あたりの地震回数 1.32回
超巨大地震の回数の割に印象が薄いのは、北海道沖などの地震が多く、被害が少なかったためでしょう。
同地域からロシアのカムチャッカ半島にかけては、現代においてもたびたび大きな地震が発生しておりますが、ときに北海道東方などに被害をもたらすため警戒されております。
また、東日本大震災と同様、われわれ現代人が決して忘れられないのが、阪神淡路大震災ですね。
内陸の横ずれ断層型地震のため、津波ではなく揺れによる被害が大きく、建物や高速道路が倒壊した姿は今でも脳裏に焼き付いております。
2013年4月13日にも、淡路島ではM6.3の地震がありました。
明治・大正時代を過ぎてから「1年あたりの地震回数」が年1回を超えてきました。
長い地球の歴史から見れば、たかだか100年ちょいの統計など意味をなさないかもしれませんが、少なくとも古代から中世、近世、近現代と増加傾向にあるのは、地震が少なかったからではなく、記録漏れという推察でほぼ間違いないでしょう。
昭和平成にM7クラスの地震は何度発生した?
1925年から2024年までに日本で発生したM7クラス(M6後半含む)の地震は全部で54回です。
おおよそ1.8年に1度の割合で起きている計算。
平成に入ってからは13回ですので、そのペースはほぼ変わっておりません。
2024年の元旦に石川県で起きた能登半島地震については、今なお復旧が進まず、多くの方が苦しんでおられますね。
むろん、全ての揺れが甚大な被害を伴うものではないですが、1995年阪神淡路大震災のようにマグニチュードの規模は超巨大でなくても、震源の浅い内陸型地震はとてつもない悲劇となるおそれがございます。
全54回分の概要をざっと確認して参りましょう。
昭和平成のM7クラス地震年表
1◆1927年 北丹後地震 M7.3
 死者2,925名 家屋全壊12,584軒
 関西地方
2◆1930年 北伊豆地震 M7.3
 死者272名 家屋全壊2,165軒
 関東南部
3◆1931年 西埼玉地震 M7.3
 死者16名 家屋全壊207軒
 関東南部
4◆1933年 三陸沖地震 M8.1
 死者・行方不明者3,064名
 家屋流失4,034軒 家屋倒壊1,817軒 浸水4,018軒
 津波の高さは、綾里湾で28.7mに達する。
 東北
5◆1936年 宮城県沖地震 M7.4
 小津波の発生
 九州
6◆1938年 茨城県沖地震 M7.0
 福島県で家屋被害250軒 小津波の発生
 関東北部
7◆1938年 東シナ海 M7.2
 平良港が津波により桟橋流出
 沖縄
8◆1938年 福島県沖地震 M7.5→M7.3→M7.4
 11月5-6日に発生し、M7クラスの地震が年末まで続く
 東北
9◆1940年 積丹半島沖地震 M7.5
 利尻で津波3m
 北海道
10◆1941年 日向灘地震 M7.2
 死者2名 家屋全壊27軒
 九州
11◆1943年 鳥取地震 M7.2
 死者1,083名 家屋全壊7,485軒 家屋半壊6,158軒
 この後、1945年の敗戦前後にかけて4年連続1,000名超の死者となる四大地震の始まり。
 中国
12◆1944年 東南海地震(紀伊半島沖)M7.9
 東海地方で死者・行方不明者1,223名
 全壊家屋17,599軒 半壊家屋36,520軒 家屋流失3,129軒
 津波が各地に襲来し、熊野灘で6-8m、遠州灘で1-2m
 南海トラフ
13◆1945年 三河地震 M6.8
 死者2,306名 家屋全壊7,221軒 家屋半壊16,555軒 非住家全壊9,187軒
 戦時中につき報道も控えられ、記録が少ないが、規模の割りに被害大。
 特に東海地方は軍需工場も多く、戦時中のため国民にはほとんど知らされなかった。
 東海
14◆1946年 南海地震(紀伊半島沖)M8.0
 中部・西日本を中心に死者1,330名
 家屋全壊11,591軒 家屋半壊23,487軒 家屋流失1,451軒
 津波は高知・三重・徳島で4-6mに達する。
 高知県では15平方キロメートルの田園が海面下に沈没。
 南海トラフ
1944年の東南海地震と合わせて、間隔を置いて連動した南海トラフ巨大地震との見方も。

15◆1945年 青森県東方沖地震 M7.1  死者2名
 東北
16◆1947年 与那国島近海地震 M7.4  死者1名
 沖縄
17◆1948年 福井地震 M7.1
 死者3,769名 家屋全壊36,184軒 家屋半壊11,816軒 家屋焼失3,851軒
 南北に全長25kmの断層が発生
 この地震により北陸地方で展開する大和百貨店の福井店が全壊となった
 北陸

18◆1952年 十勝沖地震 M8.2
 死者28名 津波発生
 北海道
19◆1953年 房総沖地震 M7.4
 銚子付近で津波2-3m
 関東南部
20◆1958年 択捉島付近地震
 M8.1
 北海道
21◆1961年 日向灘沖地震 M7.0
 九州
22◆1961年 釧路沖地震 M7.2
 北海道
23◆1961年 北美濃地震 M7.0
 死者8名
 東海
24◆1962年 十勝沖地震 M7.1
 北海道
25◆1963年 択捉島付近地震 M8.1
 北海道
26◆1964年 新潟地震 M7.5
 死者26名 家屋全壊1,960軒 家屋半壊6,640軒 家屋浸水15,297軒
 新潟市内の各所で【液状化現象】による噴砂水。
 長周期地震動(長い周期でゆっくりと揺れる)による影響石油タンクで火災が発生
 信越
液状化現象により、県営川岸町アパートはドミノ倒しのように建物が倒れ

同年5月に竣工したばかりの昭和大橋は約1カ月後に液状化現象によって脆くも崩れた

27◆1968年 日向灘沖地震 M7.5
 死者1名
 九州
28◆1968年 十勝沖地震 M7.9
 死者52名 負傷者330名 家屋全壊673軒 家屋半壊3,004軒
 三陸沿岸で3-5mの津波
 北海道
29◆1972年 八丈島東方沖地震 M7.2
 伊豆諸島
30◆1973年 根室半島南東沖地震 M7.4
 北海道
31◆1974年 伊豆半島沖地震 M6.9
 死者30名 負傷者102名 家屋全壊134軒 家屋半壊240軒
 東海
32◆1978年 伊豆大島近海地震 M7.0
 死者25名 負傷者211名 家屋全壊96軒 家屋半壊616軒
 道路損壊1,141カ所 がけ崩れ191カ所
 東海
33◆1978年 宮城県沖地震 M7.4
 死者28名 負傷者1,325名 家屋全壊1,183軒 家屋半壊5,574軒
 道路損壊888カ所 山崖崩れ529カ所
 ブロック塀などによる圧死が目立ち被害者18名
 九州
34◆1983年 日本海中部地震 M7.7
 秋田を中心に死者104名 負傷者163名
 家屋全壊934軒 家屋半壊2,115軒 家屋流失52軒 一部損壊3,258軒
 場所によっては、津波警報前に津波到達
 東北
35◆1993年 釧路沖地震 M7.5
 死者2名 負傷者967名
 北海道
36◆1993年 北海道南西沖地震 M7.8
 奥尻島で青苗地区が火災で全滅するなど、甚大な被害が発生
 死者202名 行方不明者28名 負傷者323名
 北海道
37◆1994年 北海道東方沖地震 M8.2
 負傷者437名 家屋全壊61 家屋半壊348軒
 北海道
38◆1994年 三陸はるか沖地震 M7.6
 青森県八戸市を中心に被害
 死者3名 負傷者788名 家屋全壊72軒 家屋半壊348軒
 東北

三陸はるか沖地震により、八戸市内のパチンコ屋は1階部分が崩れ落ちる
39◆1995年 阪神淡路大震災 M7.3
活断層による直下型地震で神戸などで被害甚大
 死者6,434名 負傷者43,792名
 家屋全壊104,906軒 家屋半壊144,274軒 全半焼7,132軒
 関西地方

40◆2000年 鳥取県西部地震 M7.3
 負傷者182名 家屋全壊435軒 家屋半壊3,101軒
 中国
41◆2003年 宮城県沖地震 M7.1
 負傷者174名
 東北
42◆2003年 十勝沖地震 M8.0
 死者1名 行方不明者1名 負傷者849名
 家屋全壊116軒 家屋半壊368軒
 北海道・本州の太平洋沿岸に4mの津波発生
43◆2004年 新潟県中越地震 M6.8
 逆断層型地震により被害大きく死者68名 負傷者4,805名
 家屋全壊3,175軒 家屋半壊13,810軒
 信越
新潟県中越地震で上越新幹線が脱線

44◆2005年 福岡西方沖地震 M7.0
 死者1名 負傷者1,204名 家屋全壊144軒 家屋半壊353軒
 九州
45◆2005年 宮城県沖地震 M7.2
 東北
46◆2007年 能登半島地震 M6.9
 死者1名 負傷者356名 家屋全壊686軒 家屋半壊1,740軒
 北陸
47◆2007年 新潟県中越沖地震 M6.8
 原発で初めて被災
 死者15名 負傷者2,346名 家屋全壊1,331軒 家屋半壊5,709軒
 信越
48◆2008年 岩手宮城内陸地震 M7.2
 山間地での逆断層型地震
 死者17名 行方不明者6名 負傷者426名
 家屋全壊30軒 家屋半壊146軒 地すべりなど多発
 東北
この揺れで祭畤大橋が崩壊した

49◆2011年 東日本大震災 M9.0
 死者16,278 行方不明者2,994名※理科年表
 (警察庁発表では死者15,884名 行方不明者2,633名)
 負傷者6,179名 家屋全壊129,198軒 家屋半壊254,238軒
 死者の90%以上が津波による水死
 津波の高さは最大で40mとも
 869年貞観地震と1896年三陸沖地震クラスとの見方あり
 東北
50◆2011年 宮城県沖地震 M7.1
 東北
51◆2011年 福島県浜通り地震 M7.0
 東北
52◆2016年 熊本地震 M7.3
 九州
 4月14日の震度7(M6.5)の2日後の16日に本震(M7.3)震度7が起き、熊本城の石垣や建物が大崩壊する惨事となった。
53◆2021年 福島県・宮城県沖地震M7.1
54◆2024年 能登半島地震M7.6
第六章では全データを統合して総論とさせていただきたいと思います。
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