べらぼう感想あらすじレビュー

背景は葛飾応為『吉原格子先之図』/wikipediaより引用

べらぼう感想あらすじ べらぼう

『べらぼう』感想あらすじレビュー第10回『青楼美人』の見る夢は 蔦重の夢と共に

賢丸(まさまる)は妹・種姫との会話から、あることを思いつきます。

田安の種を江戸城に撒くというのです。

いったい何のことなのか?

 


日本の伝統的な女性像とは?

尼姿の宝蓮院が出てきました。

彼女は重要な役目を果たします。田安家が当主不在となった折、代行を務めているのです。

ゆえに彼女の一言にはかなりの重みがある。

江戸時代から明治時代になり、女性差別の撤廃が進んだかといえば、実はそうでもない。

むしろ、江戸時代にはあった女性の権限が、明治以降は後退したほどです。

これは今、実はなかなか熱い話すよね。

その筆頭といやァ、夫婦別姓よ。なーにが日本の伝統でぇ、夫婦同姓なんざ西洋由来で、明治の途中から借り物みてぇに取り入れただけじゃねえか!……ってコト。

宝蓮院は世継ぎのいる西の丸へ向かい、知保と話をしております。

二人が見守っているのは、将棋盤を挟んだ家基と賢丸。隣には、松平武元もいます。

ここで宝蓮院が悲しげに顔を曇らせる……と、知保が案じて声をかけてきます。

同じ吉宗公の血を引く者同士として、賢丸は家基を支えようとしてきたのにできない。そのことが悲しいとのことです。

徳川吉宗/wikipediaより引用

もしも家基が将軍になれば、側に侍り、盤を囲む者は田沼意知であろうという見通しを語る。

知保は爪を噛んでいます。家基も将棋の手を考えて爪を噛んでしまいます。母と子で同じ癖があるようで。

知保は武元に打開策を尋ねます。

「一つだけ、手がございますかと」

果たしてそれは何なのか?

政局が動く局面において、女性二人がしっかり力を持っている点も、ジェンダー観点からみて重要ですぜ。

ジェンダー観点の歴史学という点では、今年は近年大河でも上位に入るんですけどね。吉原題材というだけでバッシングされているのが何つうかなぁ。

 


地本問屋をギャフンと言わせたい忘八親父ども

吉原でも、忘八どもが将棋盤を挟んでおります。

将棋考証および指導が盤石なドラマだぜ。忘八は上様周りほど細やかな手つきではないんだな。

話題は瀬川最後の花魁道中へ。

なんでも歳の暮れだとか。正月なら『細見』も捌けたと惜しまれていて、いっそ暮れに売っちまうかという話にもなってきます。

地本問屋と手の切れた忘八どもは、もはやルール無用てなわけでして、ついでに「ネクスト瀬川枠」を披露する女郎絵も売ってはどうか?と話が進んでゆきます。

忘八どもは地本問屋にかなりの怒りのようで。

鱗形屋の『細見』も、『雛形若菜』も潰しちまえと策を出してきます。

『雛形若菜の初模様 金屋内うきふね』礒田湖龍斎/wikipediaより引用

ところが肝心の蔦重はボケーっとしている。

瀬川の身請けがショックなんだな……。そんな蔦重に、大文字屋が企画を話します。

錦絵を大量に出すとなると金がかかると渋る蔦重。大文字屋は地本問屋を潰せるならいくらでも金を出すと言い切りましたぜ。あのドケチがこうだ。怒りっぱなしだねえ。

次郎兵衛は「なんであんなに血の気が多いのか……」とこぼしつつ、蔦重と店の外に出てきました。

すると瀬川が身請け披露の挨拶をしている。

彼女が去ってしまうことをあらためて実感しつつ、世話になった相手に餞(はなむけ)をしたいと考える蔦重。

しかし次郎兵衛は安定のバカボンですんで、「花魁道中を盛り上げればいいんじゃね?」程度のことしか思いつきません。

「そりゃこちらが瀬川使って儲けてえって話じゃねえっすか」と蔦重がつっこむ。

もっとあいつが心から喜ぶようにしたい。

そんな本心があるのです。

すると次郎兵衛が何かに気づきます。あの連中は……吉原出禁の地元本屋どもが敷地内に潜り込んできやがった!

蔦重は次郎兵衛を置き、連中の後をつけていきます。奴ら、若木屋に入って行きやしたぜ。

 


若木屋与八の企み

若木屋与八は窓の障子を閉めました。

そこにいるのは地本問屋の西村屋与八

初代西村屋与八/wikipediaより引用

話題は地本問屋吉原締め出しのことでさ。

丁重に挨拶しつつ、駿河屋から吉原出禁にされて困っているといいます。

しかし、鶴屋が吉原者を差別した件がばっちり広まっており、女郎屋の主人たちは血の気が多い態度で悪態をつきます。まぁ、西村屋のマシリトヅラはなんか胡散臭ぇもんな。

「(私が)言うわけないでしょう!『雛形若菜』で吉原にこんなに世話になっている身の上で」

そう西村屋が返すと、誰が言ったのかと問い詰められてゆく。

私じゃないし同行した忠五郎でも鱗形屋でもない。その上で「吉原に関わる本屋が、んなこと思うわけないじゃないか」ときました。

若木屋は話をおさめつつ、啖呵を切った連中、駿河屋を問題視します。

まぁ、実際、吉原常連の地本問屋はいるわけで、西村屋も若木屋の馴染みでした。それなのに、駿河屋たちだけで何を勝手に仕切ってんだ!と若木屋は怒っているわけです。

かくして若木屋のまとめる女郎屋の主人たちは、地本問屋の出禁を解きました。

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