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【吉田兼好と徒然草】
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武家
松下禅尼
・安達景盛(御家人)の娘
・北条時氏の正室で四代執権・北条経時と、五代執権・時頼の母
・第一八四段 松下禅尼が自ら障子の張り替えをし、節倹の心得を家族に示す話
安達泰盛
・御家人
・八代執権北条時宗の外祖父
・霜月騒動で滅ぼされる
・第一八五段 泰盛が乗馬の達人であり、馬の仕草から性格を分析していたという逸話
元寇に勝利した八代目執権・北条時宗は他にどんな実績がある?34年の短い生涯
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北条時頼
・鎌倉幕府第五代執権
・第二一五段 時頼が質素を尊び、細かいことにこだわらない性格だったことを示す逸話
・第二一六段 足利頼氏(尊氏の曽祖父)の家を訪れたとき、時頼が染め物を所望した話
北条時頼(義時の曾孫)五代目執権に訪れた難局~三浦一族を倒して北条体制を強化
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僧侶など
西行
・いわずとしれた漂泊の僧侶歌人
・第一〇段 家に関する美学を兼好が述べた後、かつて西行が後徳大寺左大臣(徳大寺実定)の家で苦言を呈した逸話を紹介している。兼好のやや後徳大寺左大臣寄りの感想を添えている
平安時代の名僧・西行法師「ブッダと同日に死ぬ」と詠み一日ズレる?
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法然
・浄土宗の開祖
・第三九段 ある人が念仏について法然に相談したときの逸話
信者を大量獲得した法然の浄土宗は何が凄い?南無阿弥陀仏を唱えれば
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盛親(じょうしん)
・フリーダムな芋好きの僧侶
・第六〇段 盛親はどんなときでも芋を食べてなんとかしてしまうし、ふるまいも傍若無人だが、それが許されるのは徳が高いからなのだろう……と兼好が推測している
頓阿(とんな)
・勅撰和歌集「新拾遺和歌集」の選者、西行のファン
・第八二段 「不完全の美」を頓阿が説く話
具覚房(ぐかくぼう)
・宇治に住んでいた風雅な僧侶
・第八七段 具覚房が酔った下男に逆恨みされ、足に障害を抱えてしまった話。兼好は「こういうことがあるから、使用人に酒を飲ませる時は注意しなければならない」としている
明恵(みょうえ)
・華厳宗(華厳経というお経を重んじる宗派)の中興の祖
・第一四四段 明恵がちょっとした聞き間違いから感涙する話。ツッコミ不在の恐怖
登蓮法師
・詳細不明
・第一八八段 人生は短いので、「そのうち」と思わずにすぐやることが大事、という兼好の持論と、同じ意見を持っていた人として登蓮法師が出てくる
有宗入道(ありむねにゅうどう)
・陰陽師安倍有宗とされる
・兼好と同時代の人
・第二二四段 兼好の家に有宗が訪ねてきたとき、「庭広すぎじゃね? 小道を残して後は畑にしたほうが有意義だよ」と言われ、兼好もそれに納得したという話(実行したかどうかは不明)
行長入道(ゆきながにゅうどう)
・藤原行長のこと
・漢詩が得意だった
・第二二六段 行長が出家した経緯の後、平家物語の作者になったとしている(行長の経験した官職が間違っているため、多分兼好の聞き違いか書き損じがあると思われる)
日常が垣間見えたり 意外とマヌケだったり
他に、有名な「仁和寺なる法師」(第五十二段・宇多天皇開基の歴史ある寺院・仁和寺のとある僧侶が、意外と見識が狭かったという話)など、名前はなくても京都市中の話も多く載っています。
執筆当時の兼好が仁和寺の近くに住んでいたからだとされていますね。
江戸時代の庶民に人気が出たのは、公家や武家、僧侶といった「遠い世界の人」や、それに近い人々の日常が垣間見えたり、意外と間抜けなことをしていたり、という話が実録として載っているからでしょうか。
現代の我々が某日報を読んで面白がっているのと、感覚的には似たようなものかもしれません。
徒然草は現代語訳も多いですし、ネット上で解説・考察されている方もたくさんいらっしゃるので、古文の入門にはうってつけかと思います。
現代語の部分だけ読んでも良し、原文と交互に読んで古文の勉強を兼ねるも良し……。
日頃の生活、ビジネスの場においても色んな切り口で使えたりするかもしれませんよ。
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長月 七紀・記
【参考】
国史大辞典「吉田兼好」「徒然草」
吉田兼好/wikipedia
徒然草/wikipedia