うさぎの日

鳥獣戯画/国立国会図書館蔵

寺社・宗教

3月3日は「うさぎの日」神様の使いとされがちな伝承に注目してみる

皆様、ペットを飼ったことはおありですか?

最近では猫の飼育数が犬を上回った、というニュースもありましたので、猫を飼っている方が多いでしょうか。

しかし、ペットを飼う上で悩みになるものの一つが「鳴き声」ですよね。

個体差もありますが、犬や猫は人間と話しているつもりで鳴くそうですし、そうした理由から「鳴かない動物」の人気も高まっています。

本日はその代表である、あの動物の歴史に注目。

3月3日は「うさぎの日」です。

日付が「みみ」と読めることから「耳が特徴的な動物」=「うさぎ」という連想だとか……割とまんまですね。

今回は、古くから伝わるうさぎの言い伝えなどをまとめてみました。

 

山と神様

日本では「うさぎは山に住むもの」とされてきましたので、古くから山の神様、もしくはその使い・乗り物と考えられてきました。

東日本のノウサギについては特に、冬毛が真っ白になることから神聖視されたようです。

白鳥や白蛇、白鴉(はくあ)など、日本では「白い生き物は神様にかかわるもの」とする考えがあるからだと思われます。

突然変異で白い姿になった動物は目立つため、自然界で生き残りにくくなるので、それを誰かが哀れんで保護した……とか、そんなことから始まったのですかね。

日本神話にはうさぎを使いとする神様も多く、ザッと以下のような例を挙げられるでしょう。

・月読命(つくよみのみこと 月や豊穣)

・大国主命(おおくにぬしのみこと 因幡の白うさぎ)

・宇迦之御魂神(うかのみたまのかみ お稲荷様=豊穣の神)

お稲荷様=狐とうさぎが仲良しというのもなかなか想像がつきにくいですが、これは後ほど挙げる仏教の説話とも関係あるかもしれません。

 


多産と豊穣

ヨーロッパでも、うさぎは豊穣の神と強く結びつけられています。

アングロ・サクソンの春の女神「エオストレ」の、化身あるいは使いがうさぎだそうです。

他にもヨーロッパの神話における豊穣の女神はだいたいうさぎをお供・化身にしています。

エオストレは転じてイースターという祭りになり、イースターエッグとともにイースターバニーもシンボルとなりました。

そんなわけで、うさぎ=春のイメージも強いようです。

うさぎが全般的に繁殖力の強い動物だからだと考えられています。

種類にもよりますが、うさぎはおおむね真冬以外は繁殖できる動物なのです。繁殖と豊穣が結びつけられるのは、神話の類だとよくある話ですね。

ちなみに日本では「卯月」(旧暦4月)の「卯」がうさぎを意味したり、「十五夜お月さま見て跳ねる♪」という歌がありますが、俳句の季語だと冬になるそうです。自由すぎる。

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BUSHOO!JAPAN(五十嵐利休)

武将ジャパン編集長・管理人。 1998年に大学卒業後、都内出版社に入社し、書籍・雑誌編集者として20年以上活動。歴史関連書籍からビジネス書まで幅広いジャンルの編集経験を持つ。 2013年、新聞記者の友人とともに歴史系ウェブメディア「武将ジャパン」を立ち上げ、以来、累計4,000本以上の全記事の編集・監修を担当。月間最高960万PVを記録するなど、日本史メディアとして長期的な実績を築いてきた。 戦国・中世・古代・幕末をはじめ、幅広い歴史分野をカバーしつつ、Google Discover 最適化、クラスタ構造にもとづく内部リンク戦略、画像最適化、SEO設計に精通。現在は企業のオウンドメディア運用およびコンテンツ制作コンサルティングも手がけ、歴史 × Web編集 × SEO の三領域を横断する専門家として活動している。 ◆2019年10月15日放送のTBS『クイズ!オンリー1 戦国武将』に出演(※優勝はれきしクン) ◆国立国会図書館データ https://id.ndl.go.jp/auth/ndlna/001159873

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