しめ縄や松飾り、お札、書き初めなどを燃やす日本伝統のイベント「どんど焼き」。
しかし、これは呼び名がもう一つあって「左義長(さぎちょう)」ともいいます。
どんど焼きなのか、左義長なのか?
1月15日の小正月は「どんど焼き」の日。
呼び方に地域差があるようなので、ニュースから集めて分類してみました。
【結論】
まずは結論から。
日本全国ほとんどが、どんど焼き
京都・北陸が左義長
九州は鬼火焚き
のようです。
ただ、江戸時代の文献によると、小正月にやる火の行事として正式名称は「左義長」だったようです。
どんど焼きは「方言」とされています。
今では、左義長のほうが方言ですね。
じゃあ、左義長ってなんだよ???ってなりますよね。
宮廷の儀式である「毬杖(ぎっちょう)を三本立てた三毬杖(さんぎちょう)」がその由来です。
では、全国の著名な「どんど焼き」「左義長」「鬼火焚き」を見てみましょう。
【どんど焼き】
日本列島くまなくこの呼び名がスタンダードです。
- 関東 茨城
茨城県取手市では空き地で毎年大掛かりな「どんど焼き」が行われます
- 中部 三重
三重県の名張市美旗中村の美旗中村農村公園でも「どんど焼き」行事
- 四国 徳島
日本最大規模の「どんど焼き」は徳島県三馬市だそうです。
【左義長】
京都、北陸、中部にかけて「左義長」と呼ばれています。
- 近畿 京都
京都市東山区の新熊野神社
- 中部 愛知県
大須観音(名古屋市) 左義長火祭り 1月第2月曜(成人の日)午後2時30分から
- 北陸 福井県
小正月(15日)の伝統行事、左義長が福井県内各地で始まっている。
- 北陸 富山
富山県射水市黒河の太閤山ランドでは「左義長まつり」
- 北陸 石川
加賀藩祖前田利家と妻まつを祭る金沢市尾山町の尾山神社でも
【鬼火焚き】
どんど焼き(左義長)は、小正月の15日ごろにするのですが、九州の呼び名「鬼火焚き」になると、1週ほど早いみたいですね。
- 九州 福岡
福岡県うきは市浮羽町の新川地区で1月3日に、「鬼火焚(た)き」がおよそ40年ぶりに復活しました。
平成26年1月3日、午後5時より、新川の栗木野区堤寿夫さんの田で、今では行われなくなった「鬼火たき(正月のしめ飾り等を青竹とともに焼き、一年の無病息災を願う伝統行事)」が行われます。年男年女の方が火を入れ、勢いよく燃え上がります。
これは、新川公民館が「地域の宝」を探そうと活動し呼びかけたもので、平成24年の九州北部豪雨災害復興や伝建地区選定による活性化、伝統行事の復活による絆づくりを願って行われるもので、多くの方に参加してもらおうと3日の夕方に実施されます。
寒空の下、炎で身も心も清めるどんと焼き。
みなさんも近くの神社やお寺さんで日程をチェックしてみたらいかがですか?
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恵美嘉樹・文
【主な著書】
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『日本の神様と神社(講談社)』(→amazon)
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