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【八重の桜】
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魅力①再評価ラッシュ!それが『八重の桜』
人間の評価とは、生きている時ではなく墓に入ってから定まると言いますね。
これは作品にしても同じこと。
『八重の桜』は、再評価されまくり、放映後にうなぎ登りであります。
それはナゼか?
2015年『花燃ゆ』
2018年『西郷どん』
この二作の幕末大河が、史上空前の最低クオリティだったからでしょう。
確かに戦国モノでも
『天地人』
『江 姫たちの戦国』
という厳しい作品がありましたが、幕末大河は常にそこそこのクオリティを保っておりました。
その底を……2015年と2018年がブチ抜いた!
そして、この二作に漏れる大河ファンの嘆きは、こんな意見へと収束していきます。
「あぁ、やっぱり『八重の桜』はマトモな大河だったんだ……」
『八重の桜』の後半である明治編は、確かに前半と比べて面白みに欠ける部分はありました。
それでも『花燃ゆ』の明治編と比べたら、考証の正確性、気品、クオリティ、その差は明らかです。
『西郷どん』は、薩摩の特性を描かず、歴史から逃げまくりです。
なにせ主人公サイドの悪事は「敵対する勢力がゲスだから」の一点張りで、あまりに幼稚というか稚拙な手法。
しかも、ラブシーンだけは長ったらしいくせに、幕末の政治外交を簡略化しまくりで、何一つマトモに筋を追えない崩壊っぷりになっています。
と、申し訳ございません。
本作の魅力というよりも、別の大河について語ってしまいました。
以下、八重の桜の魅力や特徴について迫りましょう。
魅力②どの勢力にも義がある
本作は会津藩の義について描きながら、その暗い側面まで描きあげております。
義ゆえにがんじがらめになり、破滅の道を歩まざるを得ない悲しみ。
そんな義に縛られた八重たちも、後半になると『敵対者にも義はあったのだ』と悟ります。
そうなのです。
京都で起きた「禁門の変」の後、逃げ惑いながら思わず落涙する桂小五郎。
西南戦争で、会津を攻めたことを山川浩から詰め寄られ、それに応じる西郷隆盛。
誰も彼もが義ゆえに戦い、血と涙を流し、苦しんできた――その結果に勝敗が付いてきたのです。
本作は、そこをキッチリ描きます。
魅力③女として戦を、この世界を生きる
本作は、幕末という時代を生きた八重の苦闘も描きます。
女だてらに鉄砲をやることに対して、周囲は奇妙な目で見つめます。
父の権八は、娘の才能を認めながらも、そんなことをしても評価されないだろうと苦悩を滲ませるのです。
そう、女は才能を発揮できないという苦しみをしっかり描いています。
八重が「女のくせに戦おうとするのか?」と籠城戦で言われ、「こんな時に男も女もない!」と啖呵を切る場面は、胸がすくような迫力がありました。
明治以降、八重は銃を知識に持ち替えます。
自分のように枠に収まりきらない女たちが道を切り拓けるよう、導いてゆくのです。
幕末から明治という時代を生きた女性の人生。
その苦しみだけではない輝きを、しっかりと描いています。
魅力④美麗な映像~VFXとロケの迫力を見よ
本作は、一目で吸い寄せられるほど奥行きがあり、精密なVFXを多用します。
戦闘場面だけではなく、広大な建物の奥行き表現等も凝っています!
毎年このレベルのVFX、映像美であれば……そう思いたくなるほど、映像が美麗です。
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