『西郷どん完全版第壱集Blu-ray』/wikipediaより引用

西郷どん感想あらすじ

『西郷どん』感想あらすじ第7回「背中の母」

こんばんは、武者震之助です。

今週も厳しいレビューになりました。
本作をお好きな方は他を当たってくださいm(_ _)m

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国防の重要事項をペラペラ話して大丈夫?

今週は、西郷の祖父・龍右衛門の死から始まります。

西郷龍右衛門(大村崑さん)

祖父が亡くなっても、あまり死を偲ぶということもなく、吉之助への嫁取りプレッシャーにつなげる西郷家の人々。
人の死が「ラブ」に繋がるのは、赤山靭負の一件でもそうでした。墓前でする話じゃないと思います。

というか嫁取りの話がまだ続いているんですよね。
先週から出ていたハズなのに、また一からやり直しなのか、というウンザリ感。ここに、そんな細かい描写が必要ですかね。うーむ。

謹慎中の大久保正助は『海国図志』の話をしています。
ただ、このときの正助さぁの話のゆるさが気になりまして。

大久保利通(瑛太さん)

コトは薩摩だけでなく国全体に影響のあるジョン万次郎との接触をペラペラと郷中の後輩たちに話し、
【アメリカ人はいい人だから戦争にはならないんじゃない?】
という判断は、さすがに厳しいものがありましょう。

こうした会話から、制作サイドの緊迫感のなさ、知識のあやふやさが、漏れている気がしてしまうのです。
それって史実を曲げるとかそういう次元の問題ではないと思うのですよね。

こんな緊張感のない薩摩藩が、将来的に幕府や長州、会津を相手にできるのか。

思わずそう考えてしまいます。

 


トム・ソーヤーしてる場合ちゃいまっせ

吉之助と正助は自宅のツリーハウスで黄昏れます。

中学生くらいならトム・ソーヤー気分ですけど、二十歳を超えた幕末の薩摩藩士がノンキです。

謹慎中の正助はともかく、吉之助さぁは普段なにをしているのか。最近、相撲やコイバナ、昼間から糸どんをおんぶなどの印象が強く、圧倒的な無職感が漂っています。

と、思っていたらやっと吉之助もオシゴト。島津斉彬の「観農政策」が出てきます。

島津斉彬(渡辺謙さん)

牛を貸し出して新田開発を奨励して、
「農業発展しました!」
という流れです。

やけに長い嫁取りの話を削って、この勧農政策の中身を見せて欲しかったなぁ。

それでこそ島津斉彬や西郷の能力の高さを、視聴者に見せる格好のチャンスだったのではないでしょうか。

その斉彬は、ペリー艦隊が日本に向かっている情報をキャッチ。
「メリケンが動くか……」
と、深刻そうな顔をして世界のケン・ワタナベが言うと……うん、やっぱりカッコイイ!ですね。

 


世界の中の日本が知りたい

たしかに渡辺謙さんの斉彬は素敵です。ただ、欲を言いますと……。

どうしてアメリカの艦隊が来航するのか?
これまで他の外国船が来ている事例は?
世界史から見た幕末の日本とは?

この辺の説明があると親切ですよね。

今のままでは【ペリー=大物アーティスト】の来日情報程度の扱いにも感じてしまいまして。

ヒュー・ジャックマンがまたも神対応!みたいな。
『ひよっこ』のビートルズ来日の方がビッグイベント感ありました。

斉彬は江戸に連れて行くメンバーの選別を始めるそうです。

ここで西郷の郷中仲間がワーワー騒ぎ始めます。
この仲間たち、ルックスも全然違うんですけど、ワンセットになっていつもガヤガヤしているだけで、イマイチ見分けがつきません。

ざっとメンバーを紹介しておきますと

・有馬新七
・村田新八
・有村俊斎(海江田信義)
・大山格之助(大山綱良)

いずれも幕末の薩摩史に欠かせない人物なんですけどね。

寺田屋事件で串刺しにされる有馬新七(増田修一朗さん)

これまでにきちんと彼らのキャラクターが描かれてないので、いざ、その最期が来ても、とても感情移入できないのでは?
と今から危惧しております。

※史実の彼らを知りたい方は名前のリンク先をクリックしてください・彼らの生涯マトメ記事にリンクされています

 

祖父の肺結核が母・満佐にも……

そのころ、母・満佐は病に罹っていました。

龍右衛門の労咳(肺結核)が感染したようです。
熱を出して倒れたところ、吉之助が帰ってきます。

風邪といっているわりには戸は開けっぱなしで、やっぱり緊迫感がない……。

ここで吉兵衛が吉之助に「お前は役目ばかりで外にいたから知らないだろうけど、母は死病に感染している」と言います。

むむっ?
そんなにお役目してない印象ですが、そういう設定でしたか。

ちなみに肺結核というのは、かつて日本で猛威を振るった病気でありまして。
当時の人々も感染しないよう気を遣っておりました。
劇中では、その辺あんまり深刻感がないように見えてしまいます。

ここでもうちょっと母上の病状に悩めばいんですけど、やはり「嫁をもらえ」ばっかりなんですよね……。

 


「博奕が強いから」選ばれた

斉彬は篤姫を呼び出して何か相談します。

ナゼ私が選ばれたかと尋ねる篤姫に、健康だからとかナントカ言ったあとで、
「博奕が強いから」
と、斉彬。

ここでナレーションが「恐ろしい縁談」とのこと。
将軍家に嫁ぐことを「好みでない相手に嫁ぐんだから嫌だよね」みたいな誘導はいかがなものでしょう。

大名家の姫の政略結婚に対する形容としてどうなんですか。
そもそも「なんとなく幕府に工作します」ではなくて、もうちょっと輿入れの狙い、その辺の説明が欲しいところです。

そうしておかないと、この先なぜ篤姫を必死になって13代・徳川家定と結婚させたのか、歴史に詳しくない方にはチンプンカンプンになるかもしれません。

 

無愛想だけど酒を飲む――とか心底どうでもええ

そんなこんなで、伊集院須賀の嫁入りです。
橋本愛さんの花嫁姿は美しいですね。

そもそもナゼ西郷家に嫁入りしたかというと、須賀の父が相撲を見て吉之助に惚れ込んだのだそうです。
この世界はみんなマッチョ萌え、男の尻萌えなのかなぁ。

吉之助の愉快な仲間たちは、花嫁は無愛想とかなんとか感想を述べます。

たしかに須賀は無愛想です。
でも、お酒は飲みます。
このあたり、さすがに、どうでも良すぎる話では?

愉快な郷中フレンズは、ナンコ遊びもしますので、現地の人は嬉しいかもしれません。

ただ、彼らの個性がやっぱりゼロで、誰一人として思い入れができない、というか、視聴者の皆さん、名前と顔は一致してます?

私には彼らが、
「見知らぬ若者がファミレスではしゃいでいる」
そんな風に見えてしますのです。

有村俊斎→海江田信義(高橋光臣さん)

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