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ペルシアに痛打を与えるキッカケとなったのは、「テルモピュライの戦い」のスパルタたちだった/Wikipediaより引用

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その日、歴史が動いた ギリシャ

ギリシャ凋落のキッカケとなったペロポネソス戦争 日本で言えば応仁の乱?

更新日:

 

「古代においては間違いなく輝いていたのに、いつの間にかすっかり影が薄くなってしまった国」というのは多々あれど、ギリシアほど落差の激しいところもそうそうないですよね。
それでいて今でも「俺たちはヨーロッパ文明の祖先だ! だからウチの財政難のために金を寄こせ!」というのですから、いやはやプライドというのは「お値段異常」としか。
今では先の大戦での責任が云々といって某国にふっかけているようですけれども、よくよく考えればギリシア凋落のきっかけの一つは、紀元前にありました。

紀元前404年の4月25日、古代ギリシア世界の戦争の一つであるペロポネソス戦争が終結しました。
地理的にも時代的にも遠い世界のことですが、ものすごく乱暴に言うと「ギリシア版応仁の乱」みたいな感じです。この頃のギリシアは都市国家がたくさんあった=一つの国ではなかったのですが、まあこまけえこたあいいんだよ。

古代ギリシア全土に広がったペロポネソス戦争/Wikipediaより引用

古代ギリシア全土に広がったペロポネソス戦争/Wikipediaより引用

 

民族も国家としてのありかたも全く違うアテナイとスパルタ

いくつもの都市国家の中で、特に力を持っていたのがアテナイとスパルタでした。アテナイは現在首都になっていますし、スパルタは”スパルタ教育”として単語が残っていますから、この二つの都市については聞き覚えのある方も多いでしょう。

アテナイとスパルタは、多くの点で相反するような制度を持っていました。民族も違いますし、国家としての成り立ちも違います。
具体的にいいますと、アテナイは貴族が民衆を率いてはいましたが、民主制で。対してスパルタは違うところからやってきた民族が、先住民を征服して作った都市国家です。
ざっとまとめるとこんな感じです。

アテナイ 民主主義・商業命・市民数が奴隷の1/3
スパルタ 王制・農業命・市民数が奴隷の1/10

ここでいう「市民」とは完璧に幸福な人々……のことではなく、概ね「参政権を持った成年男子」のことをさします。もっと細かい特徴もありますけども、その辺はめんd……ややこしいので割愛しますね。

一方、奴隷は市民に使われる存在ですから、参政権はありません。しかし、古代ギリシアでは人権がなくこき使われていたという奴隷もいれば、参政権以外の権利(財産とか)を持っている奴隷もいたので、一口に「奴隷」と言ってもある程度待遇に差がありました。場合によっては主人によって解放されることもあったようです。

ペルシアに痛打を与えるキッカケとなったのは、「テルモピュライの戦い」のスパルタたちだった/Wikipediaより引用

ペルシアに痛打を与えるキッカケとなったのは、「テルモピュライの戦い」のスパルタたちだった/Wikipediaより引用

 

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ペルシアだけじゃなく、アテナイも敵なんじゃないか!?

これだけ制度が違うので、当然政治方針やら市民同士の感情やらも対立していました。
ペロポネソス戦争の前に、ギリシア諸都市vsペルシア(今のイランあたりにあった国)との戦争に勝ったときのことがそれを如実に示しています。

アテナイの人々は「またペルシアが攻めてくるかもしれないし、ここは俺たちも団結して強くなろうぜ!」ということで、他の都市国家に同盟を持ちかけました。ギリシアの東にあるエーゲ海の諸都市は、これに賛成し「デロス同盟」としてまとまります。
しかし、中心がアテナイだったため、スパルタなどこの同盟に参加しなかった都市国家からすれば「アテナイ帝国」としか見えませんでした。

というわけで、スパルタ+αでは「ペルシアだけでなく、”アテナイ帝国”も敵になるかもしれない」と疑い始めます。始まる前からケンカ腰になるなよ(´・ω・`)
そしてスパルタが音頭を取り、ギリシアの西側にある半島の名を取って「ペロポネソス同盟」を結びました。

スパルタの劇場跡/Wikipediaより引用

スパルタの劇場跡/Wikipediaより引用

 

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一応、スパルタが勝つには勝ったが、その後がなんとも・・・

こうしてアテナイとスパルタの間で始まったのがペロポネソス戦争です。
先に手を出したのはスパルタと愉快な仲間たちのほうでしたが、アテナイもただ哲学を発展させていただけではなく、優秀な戦士たちが育っていましたので、戦況はお互いに一進一退。
アテナイの将軍が戦死したかと思えば、次の戦いではスパルタの将軍がやはり戦死したり、どちらの勢力圏でも疫病が流行って人口が激減したりと、まさに泥沼状態になりました。

一度は和平も成立したものの、講和ではなく休戦協定にしかならず、たった8年で再び戦争が始まります。
そしてまた膠着状態になるかと思いきや、アテナイ側が焦れて戦線を延ばしすぎ、補給がおろそかになったのを見計らってスパルタ側が大勝利をキメました。
アテナイ側が食料調達のために上陸した先で、スパルタ側に奇襲をかけられどうにもならなくなり、ついに降伏の道を選びます。

そういうわけで一応「ペロポネソス戦争の勝者は?」というと「スパルタ(もしくはペロポネソス同盟)です」ということになるのですが、この後どっちにとっても笑えない展開が続きます。
まず、スパルタのお偉いさんがアテナイで恐怖政治をやって失脚します。さらにその中心となった人物やアテナイ敗戦の原因とされていた人物の師匠だったソクラテスが毒殺刑に処されたりと、あらゆるところで粛清が起きました。
なんで対外戦争が終わったところでいちいち仲間割れするん?(´・ω・`)

スパルタ・レオニダス1世のモニュメント/Wikipediaより引用

スパルタ・レオニダス1世のモニュメント/Wikipediaより引用

 

もしかしたらアレクサンドロス大王も生まれなかった!?

その辺が落ち着いたところでアテナイは再び力を盛り返し、もう一度同盟を結んだところでまたペルシアとの戦争が起きます。その他にもギリシアと呼べる範囲内で戦争が頻発し、「アテナイがどうのスパルタがどうの」どころではなく、ギリシア全体が疲弊していきました。

こうした中でギリシア圏に愛想をつかす人も多かったことでしょう。

その一人と思われるのが、哲学者のアリストテレスです。
彼については以前取り上げたことがあります(過去記事:アリストテレスの名言と歴史に学ぶ 「不幸は、本当の友人でない者を明らかにする」 【その日、歴史が動いた】)。

元々ギリシアのすぐ北にあるマケドニアの出身。そして、この頃ときのマケドニア王・ピリッポス2世から「息子の家庭教師になってくれんかね」とお誘いを受けていました。

その息子がかの有名なアレクサンドロス大王です。
その後フィリッポス2世がカイロネイアの戦いでギリシアとの戦争に勝ち、アレクサンドロス大王がエジプトやペルシア、インドへ覇を唱えていくのも以前扱いましたね。(過去記事:アレキサンダー大王のデビュー戦で光る偉大な父王の戦術【その日、歴史が動いた】

アレクサンドロス大王/Wikipediaより引用

アレクサンドロス大王/Wikipediaより引用

つまり、ペロポネソス戦争が違う終わり方をしていたら、ギリシア社会は史実ほどの疲弊はせず、マケドニアの隆盛やアレクサンドロス大王の大活躍はなかったかもしれないということになります。
「歴史にIFは厳禁だろw」という方も多いかと思いますが、ことギリシアやイタリアに関しては「古代では先進国だったのに、何がどうしてこうなった」といいたくなることが多いですから、IFを語るのもそれはそれでロマンじゃないかなあと。

長月 七紀・記

参考:ペロポネソス戦争/Wikipedia アテナイ/Wikipedia スパルタ/Wikipedia

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