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【セイラム魔女裁判】
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相次いで他の参加者たちも奇妙な行動を起こすようになり、悪魔憑きと診断されました。
悪魔祓いをしても失敗したといいますので、一日二日ではなく、一定以上の期間続いたのでしょうね。
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証言が出た時点で死刑確定のような時代だった
サミュエルは黒人の女性使用人・ティチューバを問い詰めました。こういうときでも人種差別が出てくるのが生々しいですね。
ティチューバは中米の民間信仰・ブードゥーの術を使ったと自白したとされていますが、おそらくは「そういうことにした」のでしょう。
サミュエルは、さらに娘たちを問い質し、三人の女性の名前を聞き出しました。その三人は村での立場が弱かったといいますから、現代の学校でいじめの主犯探しをするのと同じような流れで、たまたま槍玉に上がったのでしょう。
しかし、この時代では証言が出た時点で死刑が確定するようなものです。
否認した人も娘達も次々と違う名前を挙げていき、合計200人近くもの村人が収監されたといいます。
収監できない人数にまでなってから、慌てて絞首刑を始めたそうですから、ザルというか、行き当たりばったりというか……。
絞首刑に処された数十人の他、5人が獄死したといわれています。獄死した人の中には、2人の幼児も含まれたというから、もうどうにもいたたまれなくなりますね。
まさに迷信の怖さ……。
無罪が決まったのは2001年って、おい
同年秋頃。
ようやく「あの証言おかしくね?」と言い出す人が現れ始めたと言います。
同じ頃、州知事にも報告があがり、翌年5月、まだ処刑されずに収監されていた人々が釈放されました。
にしたって、時すでにかなり遅しでしょ(´・ω・`)
もっと早く報告されていたら……と思うとやるせないものです。
それでも「有罪判決を受けた全員」の無罪が決まったのは、つい最近、実に2001年のことなんですって。ひでぇなぁ。
現代ではこの一件に限らず、魔女狩りの類は「社会不安による集団ヒステリー」によるものとされています。
それだけで片付けてしまっては、いつか同じことが起こりそうな気もしますが杞憂ですかね。
もちろん、そうならないコトを祈ります。
長月 七紀・記
【参考】
セイラム魔女裁判/wikipedia
魔女狩り/wikipedia