クリスティーナ(スウェーデン女王)

クリスティーナ(スウェーデン女王)/wikipediaより引用

欧州

スウェーデンに実在した個性強烈なアナ雪~女王クリスティーナのありのまま

こちらは2ページ目になります。
1ページ目から読む場合は
クリスティーナ
をクリックお願いします。

 

ありのままに財を使うのだ!

1644年、18歳のクリスティーナは親政を開始しました。

その政治的見識、優れた判断は、名君誕生を感じさせます。

4年後の1648年には、泥沼と化した三十年戦争をヴェストファーレン条約の調印よって終わらせ、スウェーデンは多くのドイツ領の都市を獲得、「バルト帝国」と呼ばれるほど広大な領土を手にしました。と、ここまではよかったのです……。

三十年戦争でスウェーデンの国庫は尽きき欠けていました。

戦争で戦った騎士たちに恩給を払わねば成りませんし、広大な領土を維持する平和にも金がかかります。広大になり過ぎたゆえに、国家財政はバランスを崩してしまったのです。

しかもクリスティーナには浪費癖がありました。高いドレスや宝石類に使ったわけではありません。

「ストックホルムを北方のアテネにしようではないか!」

そう考えたクリスティーナは、デカルトはじめ多くの文化人を宮廷に呼び寄せ、書籍を大量に購入。豪奢な舞踏会を開き、宮廷を賑やかなものとしました。

必ずしも悪い政策ではないのです。

特に文化政策は善政とも言えるものかもしれません。出費が適切であれば、の話ですが。

さらにクリスティーナと周囲を悩ませる問題がありました。縁談です。

「陛下にはご結婚いただき、お世継ぎを産んでいただかねばなりませんなぁ」

そんな周囲の期待にクリスティーナは困惑します。

しかも女王が結婚した場合、夫に統治を任せることが当然とされている時代です。

「男のように、女王ではなく王として振る舞ってきた余であるのに、求められるのが結婚と出産とは。しかも統治を夫に任せるなど言語道断である!」

 

ありのままに結婚は断る!

クリスティーナは縁談に全く興味関心を示さず、断り続けました。

ずば抜けた聡明さを持つ彼女からすれば、結婚したという理由だけで統治をゆずるなんて、耐えがたい屈辱です。

かといって、クリスティーナに結婚する気が全くなかったわけでもありません。

彼女は16歳の時に、4歳年上でイケメンの従兄カール・グスタフ(のちのカール十世)に熱を上げました。

カール・グスタフは、グスタフ二世・アドルフ戦死ののち、元老院で王家の後継者として認められていました。元老院としては、カール・グスタフとクリスティーナを結婚させるつもりだったのです。

そうすれば、カール・グスタフのあとに王位を継ぐ子には、クリスティーナ経由で王であるヴァーサ家の血が流れることになります。

この二人の関係は、大河ドラマ『おんな城主直虎』における、井伊直虎と直親のそれと同じようなものです。

クリスティーナは情熱的な言葉を書き連ねたラブレターを送り、カール・グスタフ相手に愛を何度も誓いました。

しかし、言葉以上の行為に進もうとすると、慎重に拒むのでした。

「きっと、結婚するまでは貞操を大事にするタイプなんだね」

カール・グスタフとしてはそんな気持ちですね。

しかしクリスティーナが成人年齢である18歳になっても、縁談は進みません。

カール・グスタフはその後5年間焦らされた挙げ句、クリスティーナが議会で宣言した、衝撃的な内容を聞くことになるのでした。

「余はカール・グスタフを、余の正式な後継者に指名する。されど余は結婚できない。絶対に無理なのだ。余の性格は結婚に向いていない! どうにかならないかと熱心に祈り続けたが、駄目だ。余は、絶対に、結婚できない」

ええーっ!

これにはカール・グスタフのみならず、誰しも口をあんぐりさせたでしょう。

クリスティーナは、未婚を貫いたイギリス女王・エリザベス一世の伝記を読み、尊敬していたと言います。

果たして、彼女の決断はその影響だったのでしょうか。

それとも別の理由でしょうか。

 

ロマンスもありのまま? お相手には美女も含まれ

結婚しなくても恋はできます。

クリスティーナはあまり素行のよくない連中とつきあい、その中の一人であるマグナス・ド・ラ・ガルディ伯を愛人にしました。

ガルディ伯以上に愛を注いだのが、美貌の女官エバ・シュパレでした。

クリスティーナはエバをフランス語で美女を意味する「ベル」と呼び、同じベッドで眠りました。

エバは優美で繊細な美貌は備えていましたが、知的好奇心に乏しく、おとなしい女性。かつてクリスティーナが嫌った「女らしさ」を備えた女性だったのです。

自分とは正反対の彼女を、クリスティーナは愛したのです。

クリスティーナはイングランド大使にエバをこう紹介しました。

「余の愛するベルの内側は、外側と同じくらい美しいのだ」

これを聞いた真面目なイングランド大使は絶句し、耳まで真っ赤に染まったとか。

男だろうが女だろうが愛人にしてしまうクリスティーナの振る舞いは、宮廷を国を、驚かせたのでした。

※続きは【次のページへ】をclick!

次のページへ >



-欧州
-