1854年に描かれた『シャルル7世戴冠式のジャンヌ・ダルク』/wikipediaより引用

フランス

ジャンヌ・ダルクはなぜ処刑された? オルレアン包囲戦から最期の時まで

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世間はすでに厭戦気分

ジャンヌ・ダルクはシャルル7世を正式にフランス王にする――というデカイ功績も残しました。

同時に、この頃までが彼女の絶頂期でもありました。

世間はすでに厭戦気分が漂っており、それはシャルル7世の側近も同じでした。

シャルル7世/wikipediaより引用

しかし、首都・パリがイングランドの手に落ちたままでは、シャルル7世は本当のフランス王とはいえません。

あくまでパリ奪回を主張するジャンヌと、「もう戦争やめてどっかテキトーに手を打とうよ(田舎娘の言うことなんぞいつまでも聞いてられるか)」と言い始めた側近達の間で意見が分かれてしまったのです。

しかもこうした内輪揉めの間に、イングランド側についていたブルゴーニュ公国(五大ワイン産地の一つ)が「イングランドさん危なそうなんで助けに行きますね」と援軍に来てしまい、フランス軍はアチャー(ノ∀`)な状況に陥りました。

いつの時代もどこの国でも内輪揉めするとロクなことがないですね。

ここでフランスが大敗しなかったのは不幸中の幸いです。

その後、戦闘中に負傷したのをいいことに「前線から退きなさい」と言われてしまったジャンヌダルクは、直後に休戦協定が結ばれたこともあり、一時手持ち無沙汰になってしまいました。
戦場での士気高揚が彼女の一番のお役目ですから、もうやることがないのです。

すると程なくして休戦が破られます。彼女にとっては運が良かったのやら、悪かったのやら……。

 

パリ奪還めざし、再び戦場に向かうがとりこに

ジャンヌは再び戦場へ赴きました。
が、ブルゴーニュ公国との戦いの中で捕虜になってしまいます。

もともと男装をして戦場へ出ていたジャンヌ・ダルクは、脱走を試みてことごとく失敗。

頼みの綱のシャルル7世も積極的には救出しようとしてくれず、ジャンヌダルクは敵国イングランドへ引き渡されてしまいます。

そして宗教裁判へ。

「女が戦場に出るとはケシカラン」
「男装するとはケシカラン」
「聖職者でもないのに神の声を聞いたとはケシカ(ry」

と激しく叱責されてから、最終診断がくだされます。

「神の声とかいってるけど悪魔の声だったんだろ?そんなヤツは魔女に決まってる!」

処刑でした。

捕らえられたジャンヌはルーアン城の塔へ(後に「ジャンヌ・ダルクの塔」と呼ばれるように)/wikipediaより引用

悪魔の存在や、それと取引する魔女の存在が本気で信じられていたので、当時の基準としては真っ当な理由でした。

一応フォローを入れておきますと、シャルル7世もブルゴーニュ側へ連絡をしてはおります。

「ウチのジャンヌをイングランドに渡しやがったら、こっちにいるおまえらのお仲間がどうなるかわかんねーぞ!」(超訳)

しかし効果はなく、ジャンヌ・ダルクを取り戻すことはできませんでした。

「ジャンヌが処刑されたのは王様が身代金を払わなかったからだ」ともいわれていますが……。

戦争にはお金がかかるのが常ですし、ただでさえ劣勢だったシャルル7世に潤沢な資金があるとは考えにくいです。

戦争継続を捨ててまで奪還しようとすれば別だったかもしれませんが。

また、貴族の女性たちがジャンヌダルクの助命のために動いた形跡もありますので、完全にフランス側から見捨てられていたわけではなかったようです。

ウィンチェスター枢機卿の尋問を受ける独房のジャンヌ・ダルク/wikipediaより引用

 

ヨーロッパの中世って怨霊おらず?あまりに酷い処刑でしょ

王と貴族が連絡を入れても、時すでに遅し。

宗教裁判を担当した聖職者がイングランドの手先になっており、さらにはジャンヌ・ダルクが文字を読めないということを悪用します。

デタラメな宣誓書にサインをさせて【火刑】という最も過酷な刑が確定してしまったのでした。

しかもただ命を奪うだけはありません。

灰になるまで焼かれた上、セーヌ川に流されるという鬼畜ぶり。日本の戦国武将らも引くレベルですね。

怨霊となって出てきてもいい……。

シャルル7世は多少の罪悪感はあったようで、百年戦争に勝った3年後(処刑からは25年後)、ジャンヌダルクの復権裁判を行っています。

ホントに何とも思ってなかったら、こんなことしなかったでしょう。悪意があって見殺しにしたというのはちょっと違うんじゃないでしょうか。

ファンタジー系の小説やゲームで取り上げられたり。
フランス軍の戦艦や空母の名前に使われるなどしたり。

すっかり復権されていますね。

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長月 七紀・記

【参考】
『教養としての「フランス史」の読み方』(→amazon
『日本大百科全書』
『世界大百科事典』
ジャンヌ・ダルク/wikipedia

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