邪気を払う菊の花 「9月9日重陽の節句」の由来 ご存知ですか?

 

「男尊女卑を改善しようとした結果が、一部女尊男卑になっている!?」とかいないとか、何だかビミョ~な噂のある今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか。
しかし昔からの行事を振り返ってみると、「アレ? 意外と平等なんじゃね?」と思うことがなくもありません。

3月3日は桃の節句で女の子、5月5日は端午の節句で男の子が主役ですよね。
7月7日はまあ、元の意味的には「サボってるとそのうち天罰が下るからマジメに仕事せんかい」という話なので、さしずめ社会人の節句とでもいえましょうか。

しかし、その次にある節句のことって、現代人はほとんど知らないですよね。
というわけで、本日はその忘却の彼方に追いやられてしまった、9月9日の「重陽(ちょうよう)の節句」のお話です。

tomorroweye31

【TOP画像】大菊花壇photo by houroumono@flicker

 

奇数の中でも特段スバラシイ9が重なって超ヤバい!

「重陽」などと申しますと、なにやら漢語的なかほりがしますよね。というか、もともと「節句」自体が中国の概念です。
中国の験担ぎのような考え方である「陰陽思想」では、奇数がめでたいものとされていました。が、奇数月の同じ数字の日だと「幸せすぎて怖い」(超訳)みたいなイメージをもたれるようになったので、それを祓うために何かしら行事をやることになったんですね。

そして、その中でも「9」は奇数の中でも一際スバラシイ=重なるとめっちゃ恐ろしいということで、逆に盛大に祝おうということになりました。
「9」に対するイメージが日本とは真逆のような、結果的に同じなような……。

まぁともかく、そこで出てくるのが菊の花です。

菊の花には邪気を祓う力があると信じられていて、「重陽の節句に菊の花びらを浮かべたお酒を飲む」ことにより、長寿祈願になるとされていました。
中国では前漢(高祖=劉邦が建てた王朝)の時代に、このお祝いが始まったといわれています。

そして日本でも、平安時代からこの日に菊酒を飲むことが行われていました。
日本酒で「菊」のついている品名が多かったり、酒造メーカーの社名に「菊」がついていることが多いのは、このためかもしれませんね。
調べてみたんですが、はっきりわかりませんでしたスイマセン(´・ω・`)

菊正宗

菊のお酒と言えばやっぱりココを連想!?/菊正宗HPより引用

 

皇室の紋として多用されたのは鎌倉時代から

さて、もう少し「菊」という花の話を添えておきましょう。……はなのはなs……何でもありません。

菊は日本では仏事のお供だったり、菊人形だったりといろいろな場面で使われる花ですが、やはり欠かせないのは皇室との関係です。
上記の通り、平安時代に菊酒があったということは、それ以前から皇室の象徴だったと思いますよね。

ところがどっこい、菊の花が皇室の紋として多用されるようになったのは、鎌倉時代からのことです。
歴代天皇の中でも、「承久の乱」を起こしたことで有名な後鳥羽上皇が菊の花を愛好していたことから、いつのまにか皇室の紋としての位置を確立したのだとか。

ちなみに後鳥羽上皇は刀も好きで、自ら焼刃をしたこともあります。
中でもお気に入りのものには菊の紋をつけたので、その刀は「菊御作」と呼ばれるようになりました。
また、後鳥羽上皇が召しだした刀鍛冶の中に「備前一文字派」という流派の人がいるのですが、これらの逸話が混ざって、これまたいつの間にか「後鳥羽上皇が好んだ刀は菊一文字という名だ」という話ができたようです。

同名の会社が包丁やはさみなどのメーカーとして存在していますが、「聞く一文字」という名前(銘)の刀はないということですね。
でもゲームだとよく出てきますよね。そもそも菊の花がなさそうな世界観でも。

 

慶弔両方に使える万能な植物

一般人や武士の間で菊が好まれるようになったのは、江戸時代になって菊の品種改良が行われてからです。
これは毎年の恒例行事になっており、スタンダードな形からエキセントリック(※個人の主観です)な形状のもの、さらにさまざまな色の組み合わさった菊が生み出されました。

今では「菊の花なんて葬儀みたいで辛気くさい」という人もいますし、重陽の節句もほとんど忘れられてしまっていますが、たまには古きよき行事として思い出してみてもいいのではないでしょうか。
花に罪はないですし、慶弔両方に使える万能な植物ということで。

現在でも、菊祭りは各地で行われています。京都の上賀茂神社のように、重陽の節句に神事を行うところもあります。

祇園祭に登場する菊水鉾も、もとは菊水(聖なる水)を祀るところから始まっている/photo by Chris Gladis@flicker

祇園祭に登場する菊水鉾も、もとは菊水(聖なる水)を祀るところから始まっている/photo by Chris Gladis@flicker

 

身近なところでいうと、お刺身に載ってる生花はタンポポじゃなくて菊ですので、酒に浮かべる代わりにアレを食べるのもいいかもしれませんね。

本来は殺菌のために載せられているそうですが、栄養価は結構イイらしいので、結果的に長命が期待できる……かも?

長月 七紀・記

参考:重陽/wikipedia キク/wikipedia 日本文化いろは事典

 


やっぱり天才!?
織田信長【入門編】
桶狭間から本能寺までの49年を最新解説!





関連記事

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

日本史受験の参考書!

「日本史オモシロ参考書vol.1」
著:長月七紀

井伊直弼って本当は悪い人じゃない!?
織田信長の前にも幾度か攻め込まれている、暴れん坊の比叡山延暦寺。

などなど日本史受験と関係のある人物・事柄のトホホな話を一冊の参考書としてマトメてみました!

価格250円※Kindle読み放題対応

書籍情報『戦国診察室』

アマゾンの戦国本ランキングで1位(一時)になった書籍『戦国診察室 お館様も忍びの衆も歴女医が診てあげる♪』
戦国診察室帯アリ450
税込価格1,728円(現在アマゾンでは各小売店様のプレミア価格で発売されてます)

配信先

武将ジャパンでは下記サイトへの記事配信を行っております。

日刊SPA!

シミルボン

facebook

本郷和人歴史キュレーション

東大の歴史研究第一人者、本郷和人教授が登場! 最先端の歴史を堪能しましょう

hongokazutoeye

コミック版『戦国ブギウギ』

当サイトで連載中の『戦国boogie-woogie』(アニィたかはし)がコミックで販売されます!!! 戦国ブギウギ表紙イメージB
ページ上部へ戻る