明智城の戦い

明智光秀(左)と斎藤義龍/wikipediaより引用

明智家

明智城の戦いは美濃の要衝を巡る合戦~だから光秀や光安の居城は義龍に攻められた

戦国時代の戦術・戦略は、お城がすべて。

城さえわかれば、武将の性格だってわかる、一、二、三、ダァーーーーー! とはフザけているようでいて、実は結構、真実だったりします。

例えば【川中島の戦い】。

一見、城とは無関係の戦いでも、その前後は城をめぐる争いの連続で、そうした駆け引きから武田信玄の緻密さや上杉謙信の自信と焦りが垣間見えたりするものです。

では、大河ドラマ『麒麟がくる』で主人公だった明智光秀はどうか?

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一般的に光秀のお城イメージは……あまり強くはないですよね。

しかし宣教師であるルイス・フロイスは著書『日本史』の中で、明智光秀についてこう述べています。

「(前略)築城のことに造詣が深く、優れた建築手腕の持ち主で……」

えっ築城!?

優れた建築手腕の持ち主!?

初めてこの文言に触れたとき、城マニアの私は思わず「フロイス、わかっとるやんけ!!」と震えました。

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そうです。

織田軍団一の出世頭・明智光秀は、ライバルの豊臣秀吉に負けず劣らない「お城野郎」だったのです!

いや、失礼、築城名人だったのです!

そこで本稿では光秀の前半生で非常に関わりの深いとされる「明智城」ならびに【明智城の戦い】を見ていきたいと思います。

坂本城付近に立つ明智光秀像。うーん、これじゃない感…… photo by お城野郎!

 


光秀と明智城には何らかの関係がありそうだ

明智光秀の前半生はほぼ謎に包まれています。

令和の時代になっても新たな記録はほとんど見つかっておらず、例えば現在発売されている書籍も、大半は『明智軍記』という江戸時代の軍記物(小説)を頼りに推測するようなカタチで描かれております。

こればかりは仕方ありませんが、一方で城というのは確実に歴史の跡が残っていますので、本稿ではそこから「光秀と城」そして「明智城の戦い」へと迫ってみたいと思います。

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明智城は、美濃の国(現在の岐阜県可児市)に城跡が残されております。

別名「長山城」とも。

光秀と明智城には何らかの関係がありそうだ。いや、おそらくここの出身に違いない。そうでなければ光秀が明智を名乗るかヨ!!

ということで、学問的には全く証明されていませんが、明智城は明智光秀の出生の地とされています。

ちなみに明智光秀の出生地でもう一つ有力なのが、岐阜県恵那市の明智城ですが、こちらは色々と学問的に反証されていて、現実的ではないとされています。

最近では「近江出身説」も出てきました。

一体いつになったら出身地が特定されるのやら……。

 


要衝を押さえる明智城

城にはそこに立つ理由が必ずあります。

明智城もこの地に築城された理由が必ずあります。

そんな観点で地図を見ていくと、もう見えてきましたね。

この地は京の都と東日本を結ぶ、古代からの「東山道」が通る交通の要衝でした。江戸時代は「中山道」として有名な古来より日本の主要街道の一つです。

交通の要衝にあった明智城の立地/©2019Google,ZENRIN

戦国時代の東山道と江戸時代の中山道は、木曽川の流路の変更などもあり、渡河ポイントは違いましたが、いずれの「渡し」を通過しても、東国に向かうには「明智」の地をかすめるように通りました。

このように明智氏の支配地域は東濃地域の豊かな石高だけでなく、人やモノが通過する経済の大動脈をも押さえる地域だったのです。

明智城は東山道に並行して東西に長く伸びた丘のような小山を利用して築城されています。

大手門は街道へ通じる北向きで、東西に広がる山の中心に本丸があり、両翼には曲輪があったと推定。

長山の北側の麓には現在でも「大屋敷」や「東屋敷」、「西屋敷」といった地名が残り、平時の居館があったことを偲ばせます。

……と、一通り明智城の立ち位置を確認したところで、話題を大河ドラマに移し、沢尻エリカで注目度の上がった「帰蝶」に注目してみたいと思います。

どのニュース記事を見ても「斎藤道三の娘」で「織田信長の妻」という重要な役だと説明されています。

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が、いやいやちょっと待って。

明智光秀のドラマで「帰蝶」がなぜ重要な役なのか?

その理由はほとんど説明されません。

ここでは改めて確認しておきたいと思います。

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