歴史好きの間で、そんなことが言われ始めて久しいです。
確かに同社のラインナップ粒ぞろいであり、例えば
は非常に読み応えのある新書でした。
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星海社新書は、歴史新書においては後発です。
それなのに、いや、だからこそ!
なんともマニアックかつ肉汁たっぷりの内容で注目してしまうのです。
星海社新書はいいぞ!
星海社新書はおもしろい!
ましてや現在は大河ドラマ『麒麟がくる』が放映中であり、室町幕府について興味をお持ちの方も増えていらっしゃるでしょう。
そこで本日は
の2冊と共に星海社新書の魅力を語らせてください!
※文中の記事リンクは文末にもございます
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デザインが特徴的
どの新書にも、味わいのあるデザインがあります。
しかも、歴史あるものです。
歴史が浅い星海社新書は、これを逆手にとっているように思えます。
まずはフォントの使い方。
明朝体ではなく、ゴシック系のフォントなのです。
そのためか、表紙から手に取りやすい雰囲気が出ています。
本文はもっとおもしろい!
行書体をかなり大きなフォント数で使い、躍動感を出しています。
フォントをぱっと見ただけで分類がわかる、そういう上手な使い方が多いのです。
真面目な話、デザイナーの皆さんも参考にして欲しいほど完成度が高い。
従来の新書よりも、遊び心を感じさせます。
シンプルなデザインながら、帯にも遊び心があって、これまたグッと来ます。
『島津四兄弟の九州統一戦(→amazon)』なんて、漫画『センゴク』でお馴染みの宮下英樹先生だっせ。
熱いですねー!
テーマがいい
テーマが「これまたよくぞやりおったな!」と膝を打つような、痒いところに手が届くサービスっぷりです。
売上とか、トレンド重視とか、そういうことじゃないんだ。
本当にそこを知りたい、そこを取り扱う巧みさがあって注目してしまうのです。
アマゾンで【星海社新書】と検索すると歴史以外のラインナップも興味深いものがあります。
手元に置きたくなる実用性
この二冊と言い、『全国国衆ガイド』といい、手元に置いて参照したい。そんな実用性があります。
困ったときはサッと参照したい。そんなナイスなテーマ選択なんです。
巻末付録が無茶苦茶使える!
もう、本当に便利です。
巻末資料のためだけにも買っていい――そう言いたくなるほど、すっきりしています。
デザインまで細やかな気遣いがあって、ほうほうと思わずテンションがあがってしまいますよ。
話題性頼りじゃない
筆者が若手であったり、そこまで有名でないことも特徴。
チーム体制の場合もあります。
これこそが、インパクトの大きいところ。
若手であればこそ最新研究を把握している。チーム体制だからこそ、深い掘り下げができる。
筆者の知名度よりも、まずは中身なのですね。信頼性の高い姿勢が見えてきます。
ロマンは二の次です
こうした新書の数々は、経歴を持っていないものです。
大河ドラマやゲームにあるような派手な味わい、ビジネスに生かしたい、そんな動機を持つ読者には「他を当たってください」と言ってしまう無愛想さがあります。
だが、それがいい!
だからこそ、史実にアプローチしていて、地に足のついた研究がわかるのです。
気が利いているんだなぁ〜
カバー裏に書いてある「この時代をもっと知るための書物」ガイドも憎いですねえ。
普通の新書ならば、同じレーベルとテーマの案内をするはず。
しかし、星海社新書は違うのです。どこからどこまで気が利いているんですか。
ここまで見てきて気づくこと。
それは、歴史が好きで、読者のニーズを把握する、そんな切れ者が作っているのだということです。
もう名人芸の域に突っ込んでいます。
別に制作チームが目立とうとしているわけではない。むしろ黒子。
それなのに、仕事ができすぎてそんな姿を意識してしまう。
こりゃこのチーム、切れ者しかおりません!
思い込みを捨てること、そのためにも読もう
本書は、実はブックレビューに向いていないと気づきました。レファレンスとして使えるからなのです。
そういうタイプとなると、実は感想が描きにくいのですもの。
しかし、これだけは言い切ることができます。
私たちは、実のところ思い込みだけで歴史を語っているのではないか?そのことです。
太原雪斎や天海は、ともかくすごい軍師。
織田信長は宗教なんて無視するほど革命的だった。
足利義昭なんて、小物で雑魚。
そう思っていませんか?
そんなあなたの思い込みを、本書は綺麗に粉砕します。
おっと、その根拠をここに書くわけにはいきませんね。
読んで、確認するのだ!
今後もチェックしなくちゃ!
本書に対しては、こんな嘆きがあるかもしれません。
「昔読んだ小説のイメージや大河ドラマのを崩さないてくれよ〜」
それはどうでしょうか?
歴史とは、知を得る楽しみのはずなのです。
初めて歴史モノをワクワクしながら読んだ時の、あの新鮮な喜び――それを取り戻すためにも、このレーベルは今後も読むべきだと感じます。
『戦国僧侶列伝』(→amazon)
『室町幕府全将軍・管領列伝』(→amazon)
の二冊を買って読むだけではなく、巻末の関係者名を書き留め、SNSでフォローし、新書が出たら予約する。
そうする価値は間違いなくあります。
今後も、この新書はチェックし続けます。
文:小檜山青
【参考】