こちらは2ページ目になります。
1ページ目から読む場合は
【長谷川等伯】
をクリックお願いします。
お好きな項目に飛べる目次
同時代の肖像画を描いているのは珍しい?
さて、等伯といえば上述の通り、同時代の人物の肖像画を多く描いたことでも有名です。
日本で肖像画というと、ずっと後の時代の人が「こんな感じかな」とイメージして描くことが多いので、同時代の画家が描いているのは結構珍しい気がします。
博物館などでも、戦国武将の肖像画の解説をよく見てみると【江戸時代に描かれたものです】なんて描いてあったりします。
戦国時代の肖像画が江戸時代の作品だったとなると
「どうして見てもいないのに描けるんだよ!」
とツッコミたくなるところですが、そこは今でいうマンガやゲームのキャラクターデザインみたいなもので、逸話から人物像を想像したのでしょう。
個人的には、ヨーロッパと日本で肖像画に対する認識が大きく違う感じがします。
ヨーロッパだと権力の象徴だったりイメージ作りのために自分を描かせる――これに対し、日本では自分の絵よりも風景画などを描かせることが多いような……。
外交の場でお偉いさん方が握手しているところやハグしている写真新聞に載ったりしますが、あれも似たようなものでしょう。
信長に寝返った美濃三人衆「稲葉一鉄」は織田家でどんな働きをしたか 74年の生涯
続きを見る
近年になってからも新しい絵が見つかったり
等伯は画家の中では足跡がたどりやすい方です。
そのため近年になってからも新しい絵が見つかったりして話題に事欠かず、芸術家の割に主役級の扱いを受けていることも多い。
地元・七尾では2010年が没後400年だったことで、ゆるキャラ『とうはくん』が作られました。
ツイッターにもありますように、本当にすごく……ゆるいです……。
七尾市のキャラ?「とうはくん」。やはりあの有名画家からの着想でしょうか…。 pic.twitter.com/vJNPl6214g
— まるこう (@pooh_zo24) 2015年4月20日
もう少し盛り上がっても良さそうなんですけどね……なんせ等伯が関わってきた絵画を考えると、大河や長編ドラマも作れる気がします。
合戦シーンも外交も政治も。芸術家の生き方・考え方を通して戦国時代の琴線に触れられる。
そんな作品も見てみたいものです。
あわせて読みたい関連記事
信長の御用絵師・狩野永徳が命を懸けた天下一絵師への道 48年の生涯を振り返る
続きを見る
信長や秀吉の時代を彩った芸術家たちの作品とは? 狩野派と戦国期の絵師に注目
続きを見る
古田織部(重然)信長や秀吉に仕えた『へうげもの』は実際どんな武将だったのか
続きを見る
武田信玄は本当に戦国最強の大名と言えるのか 戦歴や人物像に迫る53年の生涯
続きを見る
信長に仕えて復讐の機会を待ち続けた長連龍「一族殺戮の恨み」を倍返しだ!
続きを見る
信長に寝返った美濃三人衆「稲葉一鉄」は織田家でどんな働きをしたか 74年の生涯
続きを見る
長月 七紀・記
【参考】
国史大辞典
長谷川等伯/wikipedia