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【なぜ政宗は東北代表の戦国大名に?】
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外様大名頂上決戦の勝敗は……
こうした外様大名の頂上決戦は、幕末から明治にかけて、残酷な決着がつけられました。
明治維新です。
薩摩藩が維新の覇者として君臨する中。
東北No.1というプライドから「奥羽越列藩同盟」を率いた仙台藩は、西軍相手に大敗を喫してしまいました。
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敗北した東北地方の人々は、以降、蔑視にさらされ苦しみます。
【白河以北一山百文】
白河の関から北は、何の価値もない荒地ばかりだ。
天下を狙った者もいない。
つまらない土地だ。
そう言われ続け、鬱屈しながら何かを探し求めたのです。
その際、多少クセが強くても、敗北感を払拭してくれるような、爽快で豪快な人物が求められました。
果たしてそんな人物はいるだろうか……?
そう問われて浮上してきたのが、そうです、伊達政宗です。
伊達政宗は天下を狙っていた?派手な逸話を検証しながら70年の生涯まとめ!
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江戸初期から醸成された意地や見栄の土壌は、政宗を担ぐことによって明治以降、再燃していくのです。
政宗をプッシュするあまり他が完全雑魚扱い
なんだか話が振り出しに戻るような不思議な気持でありますが、明治期以降における伊達政宗の名前はスター性を有し、なにより奔放で華麗でした。
中央に出ても引けを取らない、いわば一流の役者。
そんな政宗にあやかろうではないか。
実像だってもちろん魅力的ですが、政宗の虚実併せた経歴には、そんな人々の憧れ、願望、ロマンが反映されているのです。
ゆえに「十年、二十年早ければ天下も……」といった話が今なおまことしやかに残されているのでしょう。
現在の人物に喩えるならば、さしずめフィギュアスケーターの羽生結弦選手や、卓球の福原愛選手でしょうか。
東日本大震災で打撃を受けた仙台。
その地のアスリートが、世界を魅了するスーパースターとなり、仙台観光大使もつとめる彼らは、東北の思いも背負っているのです。
◆羽生結弦選手へ第4期仙台観光アンバサダーを委嘱しております/仙台市(→link)
しかし、こうした動きには問題もありました。
伊達政宗をプッシュする余り、以下のような誤解を生じさせてしまったのです。
「東北の戦国大名で有名なのは、伊達政宗だけでしょ」
「あとは雑魚。政宗以外、ステータスが残念な奴ばっかり」
「最上義光? あのギリニで、伊達政宗を毒殺しかけた奴でしょ? やーねー……」
要するに、東北は政宗以外みんな雑魚に分類される。
そんな辛い現象です。
最上義光(政宗の伯父)は東北随一の名将!誤解されがちな鮭様の実力
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実際、人気がないせいもあってか。
東北戦国史は書籍も入手しにくい状態が続き、最近やっと改善されつつあります。
戦国武将の評価はなぜコロコロ変わる?特に鮭様が乱高下しすぎな件
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そこで本サイトでは、これから東北戦国史に注目をしたいと考えております。
例えばこれまで、「会津執権」と呼ばれ、蘆名氏を支えた名将・金上盛備(かながみもりはる)や。
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あるいは庄内地方で大名クラスの力を有した国衆の大宝寺義氏(悪屋方)など。
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個性豊かな武将を取り上げさせていただきました。
今後も定期的に取り揃えていく予定ですので、皆様、今後もご愛顧いただければ幸いです。
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文:小檜山青
※著者の関連noteはこちらから!(→link)
【参考文献】
林哲『芦名四代』(→amazon)
林哲『会津芦名一族』(→amazon)
野口信一『会津ちょっといい歴史』(→amazon)
遠藤ゆり子『東北の中世史4 伊達史と戦国騒乱』(→amazon)
高橋 充『東北の中世史5 東北近世の胎動』(→amazon)
遠藤ゆり子『戦国時代の南奥羽社会』(→amazon)