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【彼氏にしたくない戦国武将一位は政宗】
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素敵な史実その二「愛は深くて細やかです」
政宗は無茶苦茶なこともしますが、愛は本物です。
いろいろあった母にもプレゼントを贈りますし、それは他の家族に対してもそうなのです。
嫡男・伊達秀宗には、金の使い方から家臣の扱いまで、細やかにアドバイス。
息子の狩の成果を褒めたり、
「手紙は自分で書こうね! そうすると思いやりが伝わるぞ」
と伝えることもある。
なんだかんだで愛情重視なんですよ。
政宗長男・伊達秀宗の切なくてイイ話~もう一つの伊達家が四国に誕生した理由
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松平忠輝と結婚したばかりに苦労した娘・五郎八姫のことは胸を痛めていたようです。
実家に戻ってからは細やかな気遣いをして、母・愛姫との面会も細やかにセッティングしています。
愛されれば、政宗は素晴らしい相手だとは思うのです。
素敵な史実その三「風流です」
政宗のマザコンぶりを取り上げて来ました。
実際、母子の間に愛はあります。母の菩提寺である保春院からは、そんな敬愛が感じられるものです。
寛永13年(1636年)。
この一~二年前から、政宗は食事中にむせるようになっていました。
健康に気遣っていた政宗は、己の死が近いことを悟るようになったのです。
死因は消化器系のがんと推察されております。
この歳の春、政宗は完成したばかりの保春院を参詣し、ホトトギスの初音を求めて領地を巡ります。
これが人生最期の、ホトトギスの声なのか……。
そう悟っていたのか。
ようやくホトトギスの声を耳にすると、そのまま江戸へと向かってゆきます。
将軍はじめ多くの恩人に別れを告げたのです。
そしてその夏、江戸で世を去りました。
辞世には、彼の満足感が伺えます。
曇りなき 心の月を さきたてて 浮世の闇を 照らしてぞ行く
これが驚くことに、臨終の際、【ホトトギスが屋根に飛んできて、ずっと鳴いていた】という記録もあるのです。
こういう逸話が語り継がれたのも、ホトトギスの初音を求める風流な心があればこそ。
そんな政宗と恋をするなんて最高ですよね!
独眼竜よ、このまま世界の恋人になるのだ
言うまでもなく、政宗と恋愛したいかどうかは、個人の自由であります。
そもそもゲームのシナリオはライターさんの力量であって、史実は二の次。
史実云々を言って、個人の嗜好を嘲笑うのは無粋でしょう。
それに乙女ゲー以前に、こういう問いかけはよくありました。
「上司にしたい戦国武将は?」
「父親にしたい戦国武将は?」
「一緒に酒を飲んでみたい戦国武将は?」
どう思います?
私はあまりそうなって欲しくありません。あっさり成敗されそうですし……。
でも、居酒屋トークの定番でもありますよね。
こういうことは結局、ざっくりしたイメージ像で答えているだけの話で、今さらとやかく指摘することこそ無粋ってものでしょう。
とはいえ、史実を踏まえてみると、そうした雑談にも深みをもたらし、楽しくなったりするわけで。
私からのイチ押しは、
【膝枕で寝てしまう相手を前に歌を詠む政宗】
ですね。バッドエンドにも対応できます。
★
今後、あのNetflixでもドラマが作られる政宗。
世界でも彼のワイルドな部分が注目されると思うとワクワクします。
独眼竜政宗が世界の恋人になる日も近い!
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文:小檜山青
※著者の関連noteはこちらから!(→link)
【参考文献】
佐藤憲一『素顔の伊達政宗~「筆まめ」戦国大名の生き様 (歴史新書)』(→amazon)
小林千草『伊達政宗 最期の日々』(→amazon)
小林清治『人物叢書伊達政宗』(→amazon)
他