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【白石由竹】
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白石由竹は明治らしい小悪党
白石由竹は南関東で生まれた孤児。寺に預けられていたと明かされています。
誕生日(3月3日)は判明しているので、親に捨てられたとはいえ、何らかの手段で生年月日を残していたか、あるいは戸籍を作るときに設定されたのでしょう。
明治以降、日本は近代国家へと突入してゆきます。
近代国家は人口増大が使命。ナポレオン戦争以来、徴兵制度により強い軍を作らねばならない状況に追われていました。
そのため家庭を持ち、子を多く産むことが奨励され、江戸時代までならば一生結婚することのなかった層も、家庭を持つこととなったのです。
そんな人口増大の時代は、育てられずに捨てられる子も増えます。
明治以降の日本は、増大する人口に対し、それを受け入れる国家開発がどこまで進んだのか?というと、なかなか答えに窮する状態です。
それができなかったからこそ、植民地獲得や移民という手段が取られました。
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そうした国家規模での話は横に置き、当時の庶民は子を捨てるしかありません。
北海道では、困窮した和人がアイヌのコタンに赤ん坊捨てていくこともしばしばありました。
『ゴールデンカムイ』では、稲妻強盗とお銀の遺児がアイヌのコタンに預けられましたが、ああした事例は実際にあったことなのです。
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白石も、そんな明治という時代が生み出した男といえます。
幼くして寺に預けられた彼は、それなりの読み書きはできるので、尋常小学校程度は出たのでしょう。
そこからなぜ囚人となったのか。
明治という時代は犯罪も横行しました。
白石のような後ろ盾もない貧しい青年は、(酒を)飲む・(博打を)打つ・(女を)買うという悪事に耽溺しやすい。こうした悪事には金がどうしたっている。
ならば強盗だ!
そんな短絡的思考で罪を犯したのでしょう。
ここまではよくいるケチな小悪党です。それが脱獄を繰り返したことで、キャラクター性が生まれてゆきます。
実はスゴイ!白石の特異体質と技能
脱獄王となるために、白石はなかなか凄いスキルを身につけています。
尾形の狙撃。鶴見のピアノ。牛山の柔術。
といったように、誰かに自慢できる類のものではなく、脱獄でしか使い道のない、わけのわからない能力が彼の持ち味です。
ざっと見てみましょう。
◆全身の関節を脱臼できるッ!これでどこにでも出入りできるぞッ!
→モデルにも同じ特技があったとか。
◆体力はあるッ!杉元らマッチョな連中に引けを取らぬ体力だ!
→これもモデルと同じ特技です。
◆観察眼や工夫する能力が高く、頭の回転も速い。
→これもモデルに通じています。
◆粘り強い
→たとえエッチな目的だろうと、シスター宮沢目当てに脱獄する根気は素晴らしい!
やはり、なかなかスゴイ男だと思えてきますね。
戦闘力は低い。されど彼もまた超人であることがわかります。
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