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【マタギ】
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マタギの服装と装備
マタギの服装や装備には、基本的な特徴があります。
谷垣はファーベストのようなものを軍服の上から着用しておりました。
ほかには……。
・下着として、褌の上に木綿の肌着と股引
・ミジカ(腰のあたりまで、筒袖の着物)
・前掛け(職人がつけるようなエプロンに似たもの)
・膝丈の山袴
・手甲
・ハンバキ(すね当て)
・手袋(ミトン型、テックリケヤシ、テッケシ等と呼ぶ)
・足袋(ヌックルミ、ケタビと呼ぶ、地下足袋に似ている)
・コハンバキ(足袋をはくときに巻く布)
・ワラシベ(足袋の中に入れる中敷き)
・ゴス(かんじき)
・アマブタ(傘、木綿の風呂敷を三角形に折った上にかぶる)
・背中に太股あたりまでくる長さの毛皮を着る/山では布団代わりにもなる
こうした装備で寒い山中を歩き回るのです。
そのため服に用いられる生地は雪がつきにくい麻であり、各家庭の庭には麻が植えられていたそうです。
毛皮をのぞけば、薄い着物だけ……って、思った以上に軽装ですね。
しかし手袋や足袋は、水を通さなかったほどのクオリティだったというから驚き。
カモシカ狩りは汗をかくため、肌着や股引を着けないのがスタンダードなんですな。すごいぞ、マタギの智恵!
次に、装備類です。
・鉄砲
・右手にタテ(クマ槍)
・左手にコナガエ(1メートルくらいの雪ベラ)
・ナガサ(マタギの魂・山刀。刃渡り22-24センチのナタ。これ一丁でクマを殺すこともあったとか)
・コヨリ(剃刀のように鋭い小刀、獲物解体用)
鉄砲で死なない獲物は槍で突き殺し、コナガエは杖や雪ベラとして用い、カモシカを殴り殺すために使いました。
過酷な山中を生き抜くサバイバルスキル
作中で何度も谷垣は「山に慣れている」と言及されておりました。
実際、劇中で彼の叡智は、何度も彼自身と仲間を救っています。
では、その中身とは?
山でのルールや慣習をマトメますと……。
・山歩きでは急いではいけない/一定のペースで歩くこと/汗もかかず、消耗せず、結果的に疲れにくい
・装備はなるべく軽くする
・天候に注意/朝晴れていても、ゴーゴーと音がしたら荒れることが多い
・銃口は常に空を向けて持ち歩く/空っぽにしたと思っていても、誰かが勝手に装填しているかもしれない/空に向けていれば、暴発しても安全である
・雪崩には注意する/先頭が一番危険だから時折交替すること/なるべく沢でなくて尾根を歩く/風上が安全/風下だと、雪崩が来たと思ったら一気に崩壊して助からなくなる
・野営は雪穴を掘って火を焚くこと/白樺の樹皮は燃えやすい(アシリパさんも言っていました)/沢に野営しては絶対ダメで、どんなに風が強くても尾根が鉄則/沢は風がなくとも、雪崩が来たら逃げられない
こうした智恵は大事なものでして、現在でも通用するものです。
特に「山で迷ったら沢に降りずに尾根へ登れ」は、山で迷ったときの鉄則とされていいます。
皆様も、山に向かうことがあれば、マタギの智恵を頭の隅に入れておくとよいかもしれません。
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