和気清麻呂(別部穢麻呂)

和気清麻呂(別部穢麻呂)/wikipediaより引用

飛鳥・奈良・平安

和気清麻呂が道鏡のせいで「別部穢麻呂わけべのきたなまろ」に改名

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道鏡だけでなく弟も超絶スピード出世

このころの皇女は未婚が多いものでした。

男子の皇太子が大きくなるまでの「つなぎ役」であったり。

伊勢神宮に奉仕する斎宮(さいくう)になるためだったり。

源氏物語でも不幸な結婚をした皇族の女性に対し「未婚のままでいらっしゃれば、こんな辛い思いをしなくて済んだでしょうに」というようなくだりが出てきます。

つまり、基本的に男性への免疫が少ないということで、案の定、称徳天皇は異常なほどに道鏡を重用します。

そこに恋愛感情があったかなかったか、定かではありません。

しかし、この状況が面白くないのは藤原氏で、反乱を起こしてみるもあえなく鎮圧されてしまいます。

その間にも道鏡の出世は止まりません。僧としては最高位の法王にまで上り詰めるのです。

ちなみにキリスト教は関係ありません。

法王というのは仏教用語なので、キリスト教のカトリックを「ローマ法王」ではなく「ローマ教皇」と呼んで、とアピールしているくらいです。

出世振りは道鏡本人だけでなく、その家族も同様でした。

道鏡の弟にいたっては、あっという間に大納言まで昇進。

大納言がどのくらいエラいかというと、官位の順番でざっくり言えば上から四番目です。

その上は

・太政大臣(平清盛や藤原道長など)
・左大臣
・右大臣(藤原不比等とか)

の三大臣しかありません。

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大した功績もないのにわずか8年でそこまで位が上がったのですから、ますます藤原氏その他からはやっかみを買うことになりました。

 

和気清麻呂 お告げを書くにするため宇佐神宮へ

しかし、その空気が読めないというか、空気を読みすぎたというか、九州の中臣習宜阿曽麻呂(なかとみのすげのあそまろ)がとんでもないことを言い出すのです。

「道鏡を天皇にすれば、日本が平和になるって神様が言ってました!」

称徳天皇に、こんな報告をしています。どう考えても「道鏡が天皇になればオレも出世できるぜククク」という本音が透けて見えます。

この時点で皇室は200年以上続いていますから、そう簡単に皇位を渡すわけにはいきません。

称徳天皇も怪しんだようで、旧知の仲だった尼僧を確かめに行かせようとしました。

しかし彼女が病弱だったため、代わりに選ばれたのが弟の和気清麻呂だったのです。

清麻呂はナントカさんがお告げを受けたという宇佐神宮(大分県)に行き、違う託宣を持って宮中に帰りました。

宇佐神宮

その内容は

「そんなアホなこと言っているやつを排除せよ。皇位は皇族が継ぐものである」

という至極まっとうなものでした。

しかし、この託宣を受け取った経緯が問題でした。

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