令外官

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関白・検非違使・中納言「令外官」を知れば『光る君へ』も日本史全体も見えてくる

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押領使(おうりょうし)

地方における警察組織です。

「押領」というと物騒な響きに感じますが、この場合は「兵を統率する」という意味になります。

現代では押領使と同じ意味で使うことがほぼないので、ややこしいですね。

国や郡などの地方自治体単位で置かれることもあれば、「東海道全部」という超アバウトかつ広範囲を担当することもあったそうです。ひでえ。

国司など、地方に任命された貴族が兼任することが多かった役職でもあります。

平将門の乱を治めた藤原秀郷が代表例です。

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余談ですが、秀郷は将門を討ったときかなりの高齢だったと考えられており、歴史から姿を消してしまっています。

もしも若年~壮年くらいの世代だったら、「将門の怨念で殺された」的な伝説が残っていたかもしれません。

 

追捕使(ついぶし)

元々は、南海道の海賊や山賊を相当する役職です。

こちらは、海賊を率いた藤原純友の乱を鎮圧した小野好古(おののよしふる)が代表例とされます。

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彼は、政治をディスって島流しになった小野篁の孫にあたる人物です。

初代遣隋使の小野妹子の末裔でもあり、「三跡」と呼ばれる能書家の一人・小野道風とも同族です。

小野小町も血縁だという説がありますが、真偽の程は不明とされています。

どっちにしろ小野氏はキャラ濃すぎ。

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按察使(あぜち)

地方行政の監督役として設けられました。

が、次第に大納言などと兼任されるようになったため、この役職特有の仕事はなくなりました。

源氏物語ではメインヒロイン・紫の上の母方の祖父を始めとして、数名登場しています。その辺で聞き覚えのある人もいるかもしれませんね。

明治時代にも設置されましたが、たった三年で廃止されてしまっています。なぜ作る前にもっとよく検討を……(´・ω・`)

令外官はまだ他にもあります。

たとえば征夷大将軍なんかもその一例で、いかに後の歴史にまで影響を及ぼしているか実感できるでしょう。

こんな感じで後世の人名やエピソードなどと関連づけていくと、印象が強まって記憶に残りやすいかと思います。

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長月 七紀・記

【参考】
国史大辞典「律令制」「令外官」

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