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【『どうする家康』感想あらすじレビュー第18回「真・三方ヶ原合戦」】
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どうする情報伝達
主人公が死んじゃった!
みんな大パニック!
生きてたぞ、やったね!
これを時代ものでやるとして、『鎌倉殿の13人』あたりを引っ張りつつ、落とし込む。その元ネタはあらすじを読んだ時点でなんとなく想像できました。
イギリスBBCドラマ『SHERLOCK』です。世界的に大ヒットし、日本でもNHKが放映しました。
あれはシャーロックが転落死と見せかけて生きていたという、原作の展開を再現し話題になりました。
どうやって転落死を偽装したか?
生きていたとわかった時、ルームメイトのジョンはどう反応したか?
そこが受けたわけです。
現代に舞台を移しているため、SNSも重要な役割を果たしています。
嘘でしょ、死んじゃった……そう呆然とする世間の反応も見どころに一つだったりする。
ただし、それを戦国時代で再現するのは危険であり、歴史的知識があればまず止めるでしょう。
情報の伝達速度は命運を分けるものであり、注目したいのが関ヶ原の戦いです。
東軍勝利、西軍敗北――そう届いて戦況が一変する。
顕著な例の一つが北の関ヶ原こと、長谷堂城の戦いです。
この城を守る東軍の最上勢は『もう勝てぬ……』と絶望的な思いを抱えながら、粘り続けました。それが二週間かけて東北へも結果が届き、直江兼続率いる上杉勢が撤退することになるのです。
関ヶ原から長谷堂まで、二週間というタイムラグが重要です。
『鎌倉殿の13人』ならば、富士の裾野から鎌倉まで、早馬でそう時間がかからず届いてもおかしくはありません。
三方ヶ原と京都は、確かにもっと近距離ですが、それでも家康の死は伝達速度が早すぎる。
情報に翻弄される反応を描きたかったのでしょう。でも、その前に考えるべきことがあったのでは?
どうする回想シーン
阿月のマラソン以来、それなりに封じていた回想タイムが今週、劇的に復活しました。
しかし、そんな復活は求めていません。
ポッと出てきて死ぬだけの人物に、強引な御涙頂戴エピソードを長ったらしく入れるのはもう飽きたのです。
他にやることはないのですか?
どうせ来週は、夏目のことなどすっかり忘れて側室話に没頭するのでしょう。
どうする名前ミスというギャグ
名前の呼び間違えだけで笑えたり、「すごい伏線だ!」と感動できるセンスが羨ましい。
大事な家臣の名前をいつまで経っても覚えられない主君を見たら『こいつ、マジで大丈夫か……』と不安になるのが正常な反応では?
新たに覚えればいいだけなのに、上書き保存ができなくなったクラウドのバグのようだ。
なぜ死ぬとき急に思い出すのか、という疑問も尽きません……というか、要は、感動を演出したいだけですよね。
もしもNHKの会長が
今年の大河『どうした家康』は面白いな、ガハハ!
あっ、『どうかしてる家康』だっけ? いや、『どうにかしろ家康』か。ん? 違う?
『どうしようもない家康』だっけ?
と名前を呼び間違えていたら、現場のスタッフはどう思います?
こいつ見てないな……作品名を覚える気もないな……と、ひどく失礼なだけでしょうよ。
どうする衣装と甲冑
衣装が酷いのはもう突っ込み尽くしている感がありますが、甲冑もモロに作り物感があって辛い。
本作に漂うのは、圧倒的な発泡スチロール感。
そして無駄に無国籍風にした結果、「中国や朝鮮だろ!」というツッコミも入ります。
中国や朝鮮といっても歴史が長い。戦国時代と同時期というと明代でしょうか。ハッキリ言います。似ていません。
むしろ本作の場合、無国籍風にして適当な要素を混ぜた結果、
「ソウルにある少林寺で学んだ忍者!」
みたいな、ダメすぎる昔のアメリカ映画状態になっています。
今は2020年代で、こちら、大河ドラマのはずですよね……。
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