どうする家康感想あらすじレビュー

どうする家康感想あらすじ

『どうする家康』感想あらすじレビュー第18回「真・三方ヶ原合戦」

わざとらしく遺体が散らばった戦場で、これまたわざとらしくはしゃぐ武田勢。

なぜかキメ顔の井伊直政

そこにわざとらしく掲げられた家康らしき首が通りかかり、瀬名のもとに死の知らせが届きます。

思い出したのは『鎌倉殿の13人』の頼朝暗殺未遂です。

あれはプロットとして組み込んでもおかしくはないし、距離も近い。

しかし、今回はどうにもおかしい。無理矢理感が否めません。

遺体の扱いに対する違和感も凄まじい。このドラマは首に槍を下げることが大好きですが、なぜ、それほど雑に扱いますか?

足利義昭が喜ぶ姿も前後関係が不明なため『突然どうしたのよ?』となるし、その横に座っている明智光秀もどうにも陰険で哀しくなってきます。

主人公アゲのため、秀吉や光秀をくだらない人物に描くような手法には辟易としてくる。

なにより情報伝達があまりに早くありませんか。

あたふたと慌てて混乱するばかりで、大事な情報の確認もしっかりせず鵜呑みにしている様子。死体の検分を何だと思っているのでしょう。首を見てニッコリする信玄もくだらない。

そして時刻を半日遡る――と、短絡的な時系列いじりも、どうにも古いセンスとしか言いようがありません。

 

あらすじ:盛り上がっているフリをしつつ

真・三方ヶ原ってスゴイ!

もうネット大歓喜!

2回にまたいで神 回 !

家康が死んでどうする?

古沢マジックが繰り広げられる、号泣するからバスタオル用意しておかないと!

 

どうする遺体の扱い

本作は遺体の扱いが本当に見ていられません。

戦国アクションゲームは勝手に死体が消えますが、その程度の認識に思えてきます。

遺体は放置すれば腐る。疫病のもとになる。ゆえにさっさと埋める。

とはいえ戦功の見極めになるので、首実検をするわけですが、それにしたって、死者への敬意がまるで感じられない。

怨霊信仰もあるし、首はもっと大事に扱うほうが自然な描写となるでしょう。

首を前にして浮かれ笑うことでサイコパス感でも出したいのかもしれませんが、あれでは呑気なバカにしか見えません。

遺体の扱いは、歴史作品のセンスが現れやすい場面なのかもしれません。

『麒麟がくる』で、松平広忠の首を箱詰めにして父に贈った信長は、その周囲の反応からインパクト十分でした。

あの作品は生首の扱いが抜群だった。

首桶が映るだけでトラウマになったのは映像と脚本のセンスがあるからで、今年はまるでダメ。

 

どうする合戦場のサンタクロース

日本の地形すら十分に把握していない、そんなスタッフが作ったと思えるVFX戦場。

ダラダラと弛緩した殺陣。

センスが悪いシーンが延々と続きます。

そんな中で見ているだけで辛くなってくるのが、サンタクロースみたいな信玄ですね。

和服の構造を無視して、どうして襟だけ白くてモコモコした陣羽織なのか、今まで理解できなかったんです。それが掴めた気がします。

サンタクロースですね?

髭といい、そっくり。信玄サンタが生首をプレゼントしてくれたよ、義昭も大喜び♪ とでも言いたいのかもしれません。

なぜ戦国の英雄・武田信玄をこんな風に描写してしまうのか。残念でなりません。

 

どうするアル中

ともかく痛々しくて見ていられなかったのは、忠勝の叔父・本多忠真もそうでした。

あんなにも、わざとらしく甥を庇う描写は、いつの時代なのでしょう。

ひょうたん持ったアル中姿だけで、緊張感がぶち壊し。

生死のかかった場面で誰もが真剣に取り組むはずの場面で常に酔っ払っている――1978年の映画『酔拳』でも元ネタにしているんですかね? ジャッキー・チェンへのオマージュなのか。

そのアル中が、急に滑舌がハキハキして、臭いBGMを背景に、しょうもないセリフを読む。

「はい、ここで感動してね! 号泣! バスタオルを用意して! 泣いたww ネットにそう書き込んで!」

と視聴者に指示でも出しているかのよう。

本多忠真
亡き兄の遺児・忠勝を育てた本多忠真は史実でも酔いどれ武将だった?

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忠真が臭セリフを言い切るまで武田軍が攻撃してこない、というご都合展開も「はい、ネット号泣ねw」という意図が透けて見えてきます。

それにしても、戦場でギャーギャー叫ぶわ、わざとらしく酒を飲むわ、アクションゲームみたいに何も考えずに敵は向かってくるわ。

こんな筋書きでは、VFXや役者さんのアクションがどれだけ優れていても、陳腐な合戦描写にしかならないでしょう。

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