2018年の11月4日、11日、18日、25日の4回に渡り、幕末大河の傑作『八重の桜』総集編がついに再放送されます!
◆再放送情報 「八重の桜」総集編 (→link)
これは期待するほかありません。実質的に最後のまっとうな幕末大河になってますので。
本音を言えば、
『ナゼこれをNHKで再放送せんのか?』
ってコトなんです。
まぁ、みなまで言うなって話で、それをすると今年との出来がね……。
◆鈴木亮平主演の大河「西郷どん」第38話は10・2%!1週で2ケタ回復(→link)
タイトル見ると、二桁に戻しただけで快挙みたいになってますけど、これでエエの?
つくづく悲しいことです。
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『西郷どん完全版第壱集Blu-ray』(→amazon)
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【1分あらすじ】新政府をブン投げロハスライフ
明治2年(1869年)、西郷どんはいろいろ面倒な明治政府の仕事を丸投げし、鹿児島でロハスライフを満喫。
借金も返し終えて、愛人の産んだ子供も引き取ることになりました。
そういう話どうでもエエのに、菊次郎がナレーターという設定であるせいか、くどいくらいにやります。
なぜ、ウケない――ってことを『花燃ゆ』から学べなかったのか。
大久保は仕事でパンクしそうで、西郷どんを引っ張ろうとします。
信吾改め西郷従道ですら説得できないのに、菊次郎が腹話術人形的な台詞を言うことで、西郷どんが動くようです。
何がビックリって、新政府の場面が5分程度しかなかったことです。
愛人の子を引き取った描写と、ペース配分が逆でしょうがっ!
気を取り直して、レビュースタート!
福島出身者に菊次郎を演じさせるって……
本日は西郷菊次郎が京都市長になるところから。
なんだかイキナリ、時代考証の先生の顔が見えましたが……「磯田屋」のネーミングといい、こういう関わり方はちょっといかがなものでしょう?
西田敏行さんはどうか、って?
彼が西郷本人を演じたことは、問題視しません(『飛ぶが如く』)。
しかし、この東北を踏みつける愚作に出演してしまったこと自体は、残念でなりません。まぁ西田さんの責任ではなく、悪いのは全て本作の制作チームですけど。
◆『翔ぶが如く』隆盛役の西田敏行、西郷どんの息子役に!「ハメられた感じ」(→link)
「ハメられた」とは穏やかじゃないんですよね。
いや、これは西田さんのリップサービス的な笑いどころですが、なんだか【ガチでハメられた!】とでも思っていそうでシャレにならん。
今回、ナレーターの正体が判明するわけです。
西田さんが西郷の息子・西郷菊次郎。
福島県民にこれをやらせるとは、何たる罪なことよ……。
西郷の息子・西郷菊次郎は西南戦争で右足を失い台湾へ~68年の生涯
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いや、福島県民に薩摩藩士を演じさせたらダメってワケじゃないんです。
実はディーン・フジオカさんも福島出身。
彼の五代友厚はよかった。
しかし本作は……チェストー!(現実逃避の叫び声)。
五代友厚(才助)は薩摩随一の経済人 49年の生涯で実際何をした?
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ポンコツ助役、仕事しなさいよ
ここで菊次郎の功績が、説明セリフでガーッと語られます。
西郷家の嫡男でないことすら調べてこないボンクラ助役のせいで、そのあたりを菊次郎が説明するはめになっております。
んで、このポンコツ助役、なんなんですか?
着任早々の上司に、仕事のことではなくて家族について語れと迫る。仕事をしたくない?
って、実はこの菊次郎が語るという構成は、原作から引き継いだ要素なんですね。
はい、ここで薩摩改め鹿児島。
薩摩という地名が消えて鹿児島になったかのような説明ですが、それはなんか違うでしょ!
ここで明治新政府の苦難の歩みをぶん投げて、ロハスな農作業をする西郷どんが描かれます。
彼が政府に参加しなかった理由をすっ飛ばすので、面倒くさいことを大久保に任せただけのクズにしか見えません。
大変なんだよ、明治新政府は。
そして今日のテーマであるらしい、糸が菊次郎を引き取る話をやる宣言です。
皆さん忘れないでくださいね。
西郷どんがアホみたいなホームドラマやっている頃、戊辰戦争で負けた会津藩はじめ東北の人々、そして幕臣旗本は地獄を見ております。
これも歴史なのです。
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大事なシーンは置き去り 正妻と島妻にスポットライト
明治政府初期といえば描くことは大量にあります。
準備が大変です。
そもそもどうして西南戦争に突入するか?という大事な場面じゃないですか。
要は見せ所じゃないですか。
それなのに本作では、その準備を怠り、【正妻が島妻と出会う】という、どうにもならん描写に全力投球の模様です。
相も変わらずモテモテスタンスの西郷さん。
史実的には、別にモテていなかった薩摩隼人をモテてモテて困っちゃうエピソードみたいなもんで捏造して、視聴者相手に披露するのやめてほしい。
他にやることあるでしょーに(´・ω・`)
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それと既に諦めていますが、当時の薩摩藩が持っていた島民への蔑視なんて完全無視ですね。
西南戦争の軍資金のため、西郷が島民を散々痛めつけたのも華麗にスルー。
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菊次郎が語る西郷家ヒストリーが全然おもんない!
このあと、明治政府のことは無視して、西郷どんのマイホームパパ描写へ。
何度でも言いますよ。
西郷隆盛の一生を描くのに、こんなどうでもいいホームドラマをやる必要あるんですか? 菊次郎が家族の一員になろうがどうでもエエ。
そういえば戊辰戦争後、八重は夫の尚之助と離れてしまったんですよねえ。
あれは泣けたなあ。そういう不幸なんて本作はどうでもエエんすわなぁ
『八重の桜』を見ましょう!!
いやあ、明治新政府の苦労も、負けた側の苦難も踏んづけて、しょうもねえ西郷どんホームコメディやられても、乾いた笑いしか湧いてこないですって。
菊次郎が語る西郷家ヒストリーが、これまでをさらに酷くしたようなつまらなさで、再び視聴率一桁を狙う気満々に思えてしまいます。
中身で勝負できないから、時代考証担当者を出演させたりして、話題を取りに行くしかないのかしら?
ったく、西郷どんの子供の話をいつまで続ける気なんでしょう。
糸も愛加那に会えてよかったとか言ってるしなぁ。
これもゲス男ファンタジーでしょう。妻が笑顔で愛人を許してくれるんだもの。
一応史実準拠だけど、なんでそんなもん見なきゃならん?
昨年の直虎と井戸シャウト、『八重の桜』のうらと時栄の描写が懐かしいです。
『花燃ゆ』における、文vs辰路すらマシに思える日が来るなんて思いたくなかった……。
だから久光をアホに描きすぎなんだってば
版籍奉還についてざーっと説明されます。
また【島津久光がアホだ】という描き方をするつもりだとはわかりました。
けれども、久光にだって言い分はあるでしょうよ。
薩摩藩士がともに苦労しているならば、納得もできるでしょう。
しかし、故郷なんてぶん投げて、東京で贅沢な暮らしをしているんですから。
そりゃあ久光だって、言いたいことありますよ。
ついでに彼には学識があり、日本の伝統を守りたい意識がありました。
それが明治新政府は、どんどん西洋流になってゆくわけです。
西郷の敵とされる島津久光はむしろ名君~薩摩を操舵した生涯71年
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「攘夷とか言って、だらしない幕府を倒したら、きっちりやるために新政府を作ったんだろ!」
という不満は、日本全国で噴き上がっていたんです。
ついでに言いますと、
「倒幕したら外国に支払っている金もチャラ!」
という、大嘘をこいてますからね。続行して賠償金支払っています。
幕末の外国人は侍にガクブル~銃でも勝てない日本刀がヤバけりゃ切腹も恐ろしや
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