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その日、歴史が動いた

浄瑠璃「義経千本桜」が初上演されるが桜はなし?!【その日、歴史が動いた】

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「タイトルに偽りあり」というとなんだか嘘をついているかのような「ふいんき」(なぜか変換できない)が漂いますが、実は最近の作品に限ったことでもありません。
むしろ作品をより引き立てて美しく思わせてくれることもあります。
今回ご紹介するのは、まさにその代表ともいえる江戸時代の作品です。

延享四年(1747年)の11月16日、大坂竹本座という人形浄瑠璃の劇場で「義経千本桜」が初めて演じられました。
歌舞伎で有名ですが、元は人形浄瑠璃=人形劇だったんですね。
今の若い方だと、某少年漫画の武器だったり某バーチャル歌姫の曲を連想することが多いかもしれませんねえ。
某少年誌で連載していたマンガ版もありましたし。
それらのイメージも相まって、元ネタではさぞ美しい桜並木の場面があるのだろうと思われているのではないでしょうか。

が、実は「義経千本桜」には元々桜が出てくるシーンはありません。
舞台になっているのが桜より先に咲く梅の時期であることに加え、桜という単語自体も序盤に一回出てくるだけなのです。
しかし「じゃあタイトル合ってねーじゃねーか!」と怒るのはまだ気が早いというもの。
これは実際の季節より、桜という花に対する当時の人々のイメージが深く関係しているからです。

源義経さん/wikipediaより引用

「義経千本桜」は先日も当コーナーで取り上げた、源義経の都落ちが主軸に置かれています。
そして、吉野山(奈良県)の場面が多く出てくるのです。
吉野といえば、それこそ江戸時代から見ても大昔の平安時代から桜の名所として知られているところ。
豊臣秀吉も大規模な花見をしていますし、現在一番ポピュラーな桜とされているソメイヨシノも、吉野山から名づけられているほど。
ソメイヨシノは江戸時代末期に発見されたものなので、ちょっと早いですが。

当然吉野山のシーンは、花は咲いていないとはいえ、桜の木が大量にある場所なわけです。
「そんなら咲いてるほうがいいに決まってる!だって吉野だもん!」というわけで、後々の舞台やマンガでは桜の咲いているシーンが多くなったというわけです。

また、別の説もあります。
吉野山を中心とした大和国では、両墓制という風習があります。
これは一旦墓石を立てた場所に死者を埋葬した後、別の場所に卒塔婆を立ててもう一度弔うというものです。
後者を「詣り墓」というのですが、その近くに桜を植えることが多かったのだとか。
それこそ千本近い卒塔婆が立っているように見える場所もあったのでしょう。
こうした風習のある地方が舞台になっているので、「千本の桜」ではなく「千本(卒塔婆と)桜」という意味なのでは?というものです。
これも説得力ありますね。

「義経千本桜」は登場人物が多く非常に長い演目のため、現在では最初から最後まで通して公演されることは少ないようです。
あらすじはウィキペディアに詳しく載っていますので、興味のある方は一度読んでみてはいかがでしょうか。
歌舞伎だとちょっと敷居が高いですが、話自体はボクっ娘(※意訳)とか妖怪が出てきて、なかなかいい雰囲気(おっ、ふんいきで出た)で面白いですよ。
ボリューム的には大河ドラマにできそうなんですけど、清盛も義経も何回かやってますし、実写化するにはファンタジー過ぎて無理ですかねー。
長月七紀・記

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参考:http://www006.upp.so-net.ne.jp/tana/bun/senbon_k.html

 





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