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絵・富永商太

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その日、歴史が動いた 徳川家

松平定政「オレ、領地、要りませ~ん♪」 家康甥っ子、狂気の沙汰は二度起きた

更新日:

織田信長の弟といえば信行(信勝)。
豊臣秀吉の弟といえば秀長。
では、徳川家康の弟の名前は? ……と言われて、パッと名前が出てくる人は相当の歴史マニアか、専門家のどちらかではないでしょうか。

本日はすっかり忘れられてしまった家康の弟……の息子の人生を見てみたいと思います。家康から見れば甥っ子ですね。松平定政という人なのですが、この人なかなかに強烈なことをやって歴史に名を残しています。

慶安二年(1651年)7月10日に、徳川一門でありながらいきなり出家してしまったのです。

「何がどうしてそうなった?」としか言えない事件ですが、まずは彼の持つ背景から見ていきましょう。

 

松平定政、41歳 出家ストーリーは突然に

定政は慶長十年(1610年)生まれ。大坂の陣はまだ終わっていませんが、戦国の気風を知らない世代といっていいでしょう。
能力的には可もなく不可もなく……もしくはやや下あたりだったのか、特に功績は伝わっていません。23歳のとき官位をもらい、25歳で伊勢長島城(現・三重県)に領地を与えられ、39歳のときに刈谷(現・愛知県)で2万石に加増されています。

上述の出家事件は、41歳のときのことです。
一応「上様(家光)が亡くなられたので、その供養に」という理由だったのですが、事前の相談や届け出が全くなかったので、幕閣は大混乱。
しかも新しく将軍の座に就く家綱は、まだ9歳の幼児です。親族や老練な幕臣の後ろ盾はいくらあっても足りず、幼君擁立の混乱に乗じて不届き者が出かねないというタイミングでした。

なのに、そんなときに大叔父にあたる人が「俺仕事やめまーす!w」とか言い出したら、そりゃ誰だってキレますよね。

 

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正室を実家に送り返し、三男が生まれている不思議

定政は出家にあたって、「領地や財産を全て幕府に返上するので、旗本の救済にあててくれ」と書き送っていたのですが、何をするにも順序というものがあります。

幕府にとってはこんなの「狂気の沙汰」としか見えません。ゆえに、当然受け付けられません。そして、罰として定政の領地及び財産を取り上げ、定政とその長男・次男を定政の兄のところで「お預かり」とします。
また、定政の正室は娘二人とともに実家へ返されました。

ここまでなら「そりゃそうだ」とか「まあ供養したいんならいいんじゃないの。手続きしなかったのはまずいけど」などで納得できるかもしれません。が、定政の場合まだツッコミどころがあります。なんと預けられた先で、三男が生まれているのです。
いくら善行をしたといっても、これでは「家光の供養はどこにいったんだYO!」とツッコまざるをえません。

もしかして、正室もしくは娘を扱いかねて、わざとやったんですかね……?
生前に家光へ相談してたりして。家光なら「面白いからおk」って言いそうな気がしますし。

 

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定政の姪の旦那・堀田正信も「大名、辞めます(`・ω・´)ゞ」

その後定政は預かりの身のまま、21年後に生涯を閉じました。

三人の息子達は許されて、江戸に戻り旗本になっています。血筋が絶えてしまった人もいますが、この経緯では許されただけまだマシかもしれません。
とはいえ、将軍の親族としては奈落の底に真っ逆さまといっても過言ではありませんけども。

ついでに言うと、定政の出家から9年後には、定政の姪の婿だった大名・堀田正信がやっぱり突然領地を返上し、同じく幕府から(#^ω^)な扱いを受けました。

模倣犯っていつの時代もいるもんなんですね。

何というか……これじゃあ、家康にとって直系以外の親族がマイナーなのがわかるというものです。
長月 七紀・記

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参考:松平定政/Wikipedia

 

 





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