スキーの歴史

ノルウェー白樺の脚/Wikipediaより引用

世界史

スキーの歴史は4500年!紀元前からの狩猟具が武具となりスポーツへ

こちらは2ページ目になります。
1ページ目から読む場合は
スキーの歴史
をクリックお願いします。

 

イギリスで徐々に制度化され

スポーツとしてのスキーに変化が訪れるのは1860年代のイギリス。

同国ではスポーツの促進が始まり、その一環としてスポーツとしてのスキーも始まり、例えばスキージャンプは現在のものにかなり近づいてきました。

ストックは廃止され、脚を体に引きつけるフォームが工夫されます。

ビンディングも発展し、飛距離は30メートルを越えるようになりました。

一方、ノルウェー体育協会では、この頃スキーの三種目を制定します。

・滑走
・滑降
・ジャンプ

このころのジャンプは、飛距離だけではなく、フォームや飛び方の美しさも競技採点対象となっていました。

ちなみにスキージャンプは【ヴァイキングの処刑法が起源】という説もあります。

が、こちらは都市伝説の域を出ないようで。

19世紀以降、スキーが娯楽から競技化される過程で誕生したものでしょう。

 

アルペンスキーの誕生

スキーの三種目を制定したノルウェー。

やはり現在とは異なっており、例えば滑降は500メートルほどの坂道をまっすぐ下るものでした。

ノルウェーの場合、比較的緩い斜面であるため、単純な技術で滑ることができたのです。

しかし、アルプス山脈のような急斜面では、この滑降は出来ません。

そもそもノルウェーの人々は、アルプス山脈でスキーはできないと考えていたふしがあります。

「アルプス山脈を滑るのならば、それにふさわしいスキー技術があるはずだ」

そう考えたのが、オーストリア人であり“アルペンスキーの父”と呼ばれることになる、マティアス・ツダルスキーでした。

1896年、シュテムターンを基礎とするスキー術「リリエンフェルト・スキー術」を確立します。

急斜面を、ターンを駆使して降りるスキー術ですね。

ツダルスキーのスキー術/Wikipediaより引用

「なんだそれは、邪道じゃないか!」

このスキー術に不満の声をあげたのが、ノルウェーのスキーヤーたちでした。

急斜面をターンで降りる技術は、スポーツとしての動きであり、伝統的な移動手段であったそれまでのものとはまったくの別物。

しかし、ツダルスキーのスキー術が画期的かつ実用的であるのもまた事実で、急速に広まってゆくのでした。

現在、スキーは二種類に大別されます。

アルペンとノルディック。

特徴を記すと以下の通りです。

アルペン(ダウンヒル):アルプス地方のスキーという意味。ツダルスキーが始めた、アルプス山脈のような坂を下る(ダウンヒル)競技。ビンディングは踵を固定する

ノルディック(クロスカントリー、スキージャンプ、テレマーク):移動手段としての、本来のスキーの姿からの発展系。18世紀、ノルウェー軍スキー隊軍事教練において行われた競技が洗練された。ビンディングは踵を固定しない

スキーといえばアルペンスキーを真っ先に思い浮かべる方も多いでしょう。

しかし歴史は浅く、オリンピック競技種目への採用も遅れました。

ノルディックは第1回冬季五輪の1924年以来採用されていたのに対し、アルペン競技は1936年の第4回大会まで待たねばなりません。

現在でもノルディック系はノルウェー、アルペン系はオーストリアが有力選手を多数輩出していますが、それも当然。

日本人にとって柔道のようなもので、負けられない・負けたくない「お家芸」なのです。

※続きは【次のページへ】をclick!

次のページへ >



-世界史

×