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【スキーの歴史】
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イギリスで徐々に制度化され
スポーツとしてのスキーに変化が訪れるのは1860年代のイギリス。
同国ではスポーツの促進が始まり、その一環としてスポーツとしてのスキーも始まり、例えばスキージャンプは現在のものにかなり近づいてきました。
ストックは廃止され、脚を体に引きつけるフォームが工夫されます。
ビンディングも発展し、飛距離は30メートルを越えるようになりました。
一方、ノルウェー体育協会では、この頃スキーの三種目を制定します。
・滑走
・滑降
・ジャンプ
このころのジャンプは、飛距離だけではなく、フォームや飛び方の美しさも競技採点対象となっていました。
ちなみにスキージャンプは【ヴァイキングの処刑法が起源】という説もあります。
が、こちらは都市伝説の域を出ないようで。
19世紀以降、スキーが娯楽から競技化される過程で誕生したものでしょう。
アルペンスキーの誕生
スキーの三種目を制定したノルウェー。
やはり現在とは異なっており、例えば滑降は500メートルほどの坂道をまっすぐ下るものでした。
ノルウェーの場合、比較的緩い斜面であるため、単純な技術で滑ることができたのです。
しかし、アルプス山脈のような急斜面では、この滑降は出来ません。
そもそもノルウェーの人々は、アルプス山脈でスキーはできないと考えていたふしがあります。
「アルプス山脈を滑るのならば、それにふさわしいスキー技術があるはずだ」
そう考えたのが、オーストリア人であり“アルペンスキーの父”と呼ばれることになる、マティアス・ツダルスキーでした。
1896年、シュテムターンを基礎とするスキー術「リリエンフェルト・スキー術」を確立します。
急斜面を、ターンを駆使して降りるスキー術ですね。
「なんだそれは、邪道じゃないか!」
このスキー術に不満の声をあげたのが、ノルウェーのスキーヤーたちでした。
急斜面をターンで降りる技術は、スポーツとしての動きであり、伝統的な移動手段であったそれまでのものとはまったくの別物。
しかし、ツダルスキーのスキー術が画期的かつ実用的であるのもまた事実で、急速に広まってゆくのでした。
現在、スキーは二種類に大別されます。
アルペンとノルディック。
特徴を記すと以下の通りです。
アルペン(ダウンヒル):アルプス地方のスキーという意味。ツダルスキーが始めた、アルプス山脈のような坂を下る(ダウンヒル)競技。ビンディングは踵を固定する
ノルディック(クロスカントリー、スキージャンプ、テレマーク):移動手段としての、本来のスキーの姿からの発展系。18世紀、ノルウェー軍スキー隊軍事教練において行われた競技が洗練された。ビンディングは踵を固定しない
スキーといえばアルペンスキーを真っ先に思い浮かべる方も多いでしょう。
しかし歴史は浅く、オリンピック競技種目への採用も遅れました。
ノルディックは第1回冬季五輪の1924年以来採用されていたのに対し、アルペン競技は1936年の第4回大会まで待たねばなりません。
現在でもノルディック系はノルウェー、アルペン系はオーストリアが有力選手を多数輩出していますが、それも当然。
日本人にとって柔道のようなもので、負けられない・負けたくない「お家芸」なのです。
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