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【クレオパトラはコブラで自殺?】
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自殺に使われたアスプコブラは神経毒
一口にヘビと言いましても、ハブとコブラでは毒の種類が全く異なります。
神経毒と出血毒、血液凝固毒、筋肉毒に大別されるのですが、クレオパトラが自殺に使ったとされる『アスプコブラ』は『神経毒』です。
アスプコブラがどの毒を持つか正確には調べられませんでしたが、おそらくαないしβブンガロトキシンではないかと推測。
コブラ科のヘビが持つこの毒は神経筋接合部でのアセチルコリンの働きを妨げます。
アセチルコリンはこの部分で神経から筋肉に収縮する命令を伝える物質ですので、その働きが妨害されると筋肉は緩みっぱなし(弛緩状態)になり、そこで横隔膜が麻痺してしまうと呼吸ができなくなって死に至るのです。
アスプコブラの毒は割と強く、小柄な女性であれば50mg程度の毒で死亡します。
しかし同程度の毒性で毒量が多いキングコブラ(体長3メートル)に噛まれても即死することはなく、死ぬまでに数十分程度はかかります。
もともとクレオパトラは毒に詳しく、眠るように死ねるアスプコブラを自殺の手段に選んだと伝えられますが……。
毒蛇で命を絶つワタクシ、カッコいい♪
ここからは私の推測になります。
『たとえコブラでも、毒蛇での自殺は時間がかかりすぎてイマイチかなぁ』と。
演出好きのクレオパトラはきっと『無花果の籠に隠した毒蛇で命を絶つワタクシってカッコいい!』と思ったに違いありません。
それらを総合して考えると
【何かの毒+毒蛇】
の合わせ技で自殺をしたのではないかと推理します!
蛇足になりますが『クレオパトラはそれほど美人ではなかった』説も有力です。
しかしとても聡明な女性であったことは確かなようです。
カエサルも彼女の頭の良さと声の良さを褒める一方、容姿について褒めたとの記録は残っておりません。
ということは歴史コラムで「馬ちゃん先生の話おもしろーい」と思っていただけたら、そのうち「馬ちゃん先生は美人」ということにならないかと密かに期待しております。
そこ、ならないとか言わないっ!
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文/馬渕まり(忍者とメガネをこよなく愛する歴女医)
本人のamebloはコチラ♪
◆拙著の新刊『戦後国診察室2』を何卒よろしくお願いします!
【参考】
Wikipedia
世界最強の毒蛇ランキング トップ50(→link)
神経毒と出血毒(血液毒)ヘビ毒 大研究(→link)