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一度大破した「ポートランドの壺」
長い歴史を持つ建物であれば、事件はつきもの。
ローマ時代の部屋に展示されている「ポートランドの壺」も事件に遭遇しています。
なんと、1845年に文字通り粉々になってしまったことがあるのです。
その欠片の数、実に200。
気の遠くなるような復元作業だったことは想像に難くありません。
修復中は、ウェッジウッド社の創設者であるジョサイア・ウェッジウッドが制作した複製品が展示されていたとか。
現在では本物が展示されていますが、よーく見ると修復の跡が見えるような、そうでもないような。
実際に見る機会があったら、その点に注目してみるのもいいかもしれません(大英博物館の公式サイト→link)。
仏像、浮世絵、能面、鎧……これがジャパニーズ!
もちろん、大英博物館には日本の展示室もあります。
◆公式サイト 日本展示室(→link)
浮世絵や甲冑などお馴染みのラインナップが並び、ショップにはグッズがたくさん(→link)。
日本でもウケそうなものがちょいちょい見受けられます。
最近では、折り紙の特集ページも組まれているほどです(→link)。
余談ですが「西洋の人の前で折り紙を披露したら盛り上がった」という話はよく聞きますし、そういう予定がある方は身につけておくといいかもしれませんね。
展示方法も斬新
元々大英博物館は無料ですけれども、何と最近はグーグルマップでも見学できるようになりました(→link)。
見取り図まではないので、どこが何の部屋だか一瞬わかりにくいのですが、まあそこまで求めるのは贅沢ですね。
右側にあるエレベーターのようなパネルで、階層を切り替えることもできます。
日本の展示室は5階を押すとすぐ表示されるのでわかりやすいです。
他のフロアでは、石像の類が柵もなしに展示されている所も多いので、「おおおお!!」と感動すると同時に「これ、誰かが触ったり倒したりしないかな……」という気分にもなったり。
2023年には、非公開品の盗難事件も起きているようですので、より警戒していただきたいところです。
★
冒頭で記しましたように、大英博物館の展示物の中には、他国から返還を求められているものも多々あります。
強奪するようにしてイギリスへ運び込んだものであれば、それは当然返さねばならないでしょう。
しかし、その一方で懸念がないわけでもありません。
歴史展示物の維持には、当然、お金も手間もかかります。輸送中に事故がないともいい切れませんし、仮に政情不安定な国に返すとなると、クーデターや軍事行動などで焼失してしまう懸念も生じます。
大英博物館で保管し続けることにも、一定の意義があるという気もします。
歴史ファンとしては、とにかく無事に残ることを祈るばかりです。
長月 七紀・記
【参考】
大英博物館公式サイト(→link)
British museum/Google Cultural Institute(→link)
日本大百科全書(ニッポニカ)
世界大百科事典