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【ユニオン・ジャック(イギリス国旗)】
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日本の国旗の由来は
法律上では「日章旗」とも呼ばれます。
日本の伝統的なお弁当である「梅干とご飯」を表した……のではなく、日=お日様を表した図案です。
神道でははるか昔から「太陽は神聖なもの」と扱われており、その形をあしらったものになったのですね。
最高神・天照大神が太陽の象徴であること、聖徳太子から煬帝への手紙に「日の出ずる所」「日の没する所」などと記述したことからも、当時の人々がどれだけ太陽を特別なものとしていたか伝わってきます。

日の丸/wikipediaより引用
「白地に赤い円」という現在の色になったのはもっと後の話で、一説には「平家が赤地に金丸、源氏が白地に赤丸の旗を使っており、源氏が勝ったので後者が主流になった」とか。
「紅白の組み合わせは縁起が良い」とされているのも関係あるのでしょうね。
日の丸に太陽の光を表す線を足したものは「旭日旗」(きょくじつき)といいます。
旧軍の旗のイメージが強いためか、今では何かと物議を醸す元になることもありますね。
海上自衛隊では現在も堂々と使っていますので、「何を今更」という話だったりもしますが。
ブラジルの国旗は星空
ちょっと意外なのがブラジル国旗です。
緑地に黄色いひし形、中央に青い丸の旗ですね。
あの青丸、実は星空を表しているのだそうです。
共和制になった日の空と、国内の州+首都の数にちなんだ27個の星が描かれているのだとか。
地球だと思っていた方は結構多いんじゃないでしょうか。私もです。
緑は自然、黄色は資源を表し、赤道のように書かれている白い帯にはポルトガル語で「秩序と進歩」と書かれているのだとか。
これは、ブラジルにとってポルトガルが旧宗主国であるためです。
近年ではブラジルのほうがポルトガルより人口が多く、発音などが変化しているので、「ブラジルポルトガル語」「ブラポル語」と呼ばれることもあるそうで。
そのうち「ポルトガル語から変化した言語」として新たに「ブラジル語」と呼ばれるようになるのかもしれませんね。
世界唯一の四角くない国旗
また、変わった形の旗としてはネパールが挙げられます。
三角形が二つ重なっていて、多分一度見たら忘れられないアレです。
もちろん奇抜にしたいがためにああなったのではなく、それぞれ別の三角形の旗として使われていたのを組み合わせたのだそうです。
中の図案や全体のシルエットも「月と太陽」「ヒマラヤ山脈」「ヒンドゥー教と仏教」など、ネパールを構成するさまざまなものを意味しているとか。
そう言われると、まさに国を表す旗という感じがしてきますね。
一カ国ずつ挙げ続けるとキリがないのでこのへんにしておきますが、海外の物事に触れる際には調べてみると面白いかもしれません。
国旗を構成する色にも意味がある
国旗を比較するときに知っておくと面白いかもしれない雑学についてもご紹介しましょう。
国旗にはよく赤や白が使われていますが、実は国によってかなり意味が違っているのです。
例えば【赤】だけでもこんなにあります↓
・情熱(ドイツ)
・大西洋と太平洋(カナダ、左右のみ)
・博愛(フランス)
・血(スペイン)
・勇気(オランダ、イラク)
・憲法(イラン)
・太陽(日本、パプワニューギニア)
・民族の統一(メキシコ)
どれも何となく納得いきますが、海と結びつきにくい赤を大西洋と太平洋に見立てたカナダ人すげえ。
赤と白がカナダを表すカラーと定められているからだそうです。

カナダ国旗/wikipediaより引用
次に【白】の意味合いを見ていくと、こんな感じです↓
こっちもわからなくはないかなあ、という感じですね。
日本の場合は白単独よりも”紅白”=めでたいという意味が強いようです。
で、こういうさまざまな経緯や意味合いがこもっている「国の象徴」なので、自国はもちろん他国の国旗は丁寧に取り扱わなくてはいけません。
破ったり火をつけたり踏みつけたり噛み付いたりペンキぶっ掛けるなんてのはもってのほかどころか、前世紀初頭であればどうなっていたかわからないほどの侮辱にあたります。
別に特定の国を指しているわけではありませんが、もしスポーツの応援などで他国の国旗に触れるときは丁寧に扱いましょうね。
グローバル化が進む昨今、お仕事やプライベートで複数の旗や類するものを扱う方も増えているでしょうし。
特に複数の国旗を設置したり、撮影する場合にはいろいろ国際ルールがあるので、外務省のホームページ(→link)を参考にすると良さそうです。
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長月 七紀・記
【参考】
新国旗楽委員会『世界が見える国旗の本 新装版』(→amazon)
君塚直隆『物語 イギリスの歴史(上)古代ブリテン島からエリザベス1世まで (中公新書)』(→amazon)
外務省(→link)