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【ベネディクトゥス15世】
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◆リジューのテレーズ~マザー・テレサも影響受けた?
フランス北部のリジューという町にいた、19世紀の修道女です。
10歳のとき病気になり、神に祈りを捧げたところ回復したことで、信仰心を深めたといわれています。
しかしあまりの若さのため、当初は修道院に入る許可が降りませんでした。
16歳でようやく念願叶い、修道院に入りると、23歳の若さで今度は結核にかかってしまいます。
そして闘病生活を送ると、亡くなる間際、
「私は天国でも教会と人々のために働きたい」
と言い残して世を去ったそうです。
将来は東南アジアでの布教や奉仕を夢見ていたとか……。
通常、列福から列聖までは百年単位で時間がかかることが多いのですが、テレーズは1897年に亡くなっており、かなり早い列聖といえます。
これは、彼女の自粛伝が死後すぐに出版され、世界中に名前が知られた影響が強いと思われます。
近年列聖された女性で著名な人というと、マザー・テレサがいますが、「テレサ」の名はこのテレーズからとったそうですよ。主義もそこはかとなく似ていますね。
◆ルイーズ・ド・マリヤック~一般女性にも慈善活動の場
こちらは17世紀のフランス女性です。
15歳で両親を亡くし、夫も不治の病にかかって失ったことをきっかけに、神への奉仕を志しました。
そして他の人と共に、病人・貧者対象の慈善事業を起こし、「愛徳姉妹会」を設立します。
それまで慈善活動は修道女が修道院の中で行うものでした。
しかし、修道女は法の定めで修道院から出られないため、救える人の数に限りがありました。
ルイーズらは修道院の外で、なおかつ一般の女性たちが福祉的な活動をする組織を作ったために偉業とされ、列福の対象に選ばれるのです。
彼女はその後、ベネディクトゥス15世の次の教皇である、ピウス11世によって列聖されています。
列聖・列福は死後に行われるため、当人にとって良いことなのか――ビミョーな一面もあります。
しかし「良い行いは何百年経ってもきちんと評価するシステム」であると捉えると、それはそれでいい気もします。
人の行動規範になって、よりよい社会を目指す原動力になるでしょう。
なお、以下はジャンヌ・ダルクの生涯をまとめた記事になりますので、よろしければ併せてご覧ください。
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長月 七紀・記
【参考】
『ローマ教皇歴代誌』(→amazon)
『図説 キリスト教聖人文化事典』(→amazon)
ベネディクトゥス15世_(ローマ教皇)/wikipedia
ジャンヌ・ダルク/wikipedia
リジューのテレーズ/wikipedia
ルイーズ・ド・マリヤック/wikipedia