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【アステカ文明と生贄儀式】
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「穀物神 シペ・トテック」
◆自らの皮を剥いで食料を与える神という性質上、生贄も皮を剥がれる
犠牲者:捕虜
手段:初日は黒曜石のナイフで胸部を切り裂き、心臓を取り出して焼く。
「剣闘士の犠牲」では、鎖に岩でつながれ殺傷力のない武器を持たされた捕虜が犠牲となる。鷲の戦士二名、ジャガーの戦士二名、左利きの戦士一名と戦い、殺される
「矢の犠牲」では、木製の枠に手足を広げてくくりつけられた捕虜めがけて無数の矢が射られる。心臓が取り出され、皮を剥がされる
処理:心臓を抉られた死体は家族に供され、宴の肉に。神像に塗る血を採られる。遺体が腐ると丁寧に皮を剥がされ、皮は儀式を執り行う神官が身につける。そのあと皮は地下室に廃棄されて清めの儀式が行われる
「雨と雷の神 トラロック」
◆雨、雷、干ばつを司るとされる
犠牲者:占いの結果特別な日に生まれた、あるいは特定の身体的特徴を持つ子供。子供を犠牲にする場合は穢れた仕事とされ、なるべく回避されていた
手段:神官が子供を泣かせて涙を集めた後、喉を切る
処理:犠牲者の皮は剥がされ、神官が最低でも20日間身につける
「トウモロコシの女神シロネン」
◆うら若い女性の姿であらわされる女神
犠牲者:女性
手段:女神の化身として踊っている所で斬首され、皮を剥がされる
処理:犠牲者に好意を持っていた戦士は、翌年その皮を身につける
「火の神 シウテクトリ」
犠牲者:鎮静剤を与えられた捕虜
手段:生きたまま燃えさかる石炭の中に放り込まれ、神官が鉤で引きずり出し、まだ生きているうちに心臓を取り出す
★
確かにこれは「国家的規模のすさまじい生贄と人肉喰いの儀式が伴う文化」と言えるでしょう。
犠牲者数は年間で1万5千人から2万人、総計120万人から160万人だったとの見積り。あまりに多数であるため「花戦争」と呼ばれる戦いもしばしば行われました。
要は、犠牲者を確保するためだけの戦闘です。
こうした血腥い儀式をさだめたのは同王朝の名君モクテスマ一世の異母兄弟であり、副王として仕えたトラカエレルであると伝えられます。
しかし同時に疑問にも思いませんか?
なぜ、こんなことが繰り返されたのか、と。
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