毎週土曜日13時50分に大河ドラマ『べらぼう』をマンガで振り返る――。
第19回放送の注目は鱗形屋孫兵衛の廃業でしょう。
ちょっとしたすれ違いから蔦屋重三郎のことを憎み、商売敵となっていた鱗形屋がついに店を畳むこととなり、そして蔦重が陰で助けてくれていたことを知ります。
二人は最後に語り合い、恋川春町の企画を共に考え……というわけで、さっそく漫画で振り返ってみましょう!
三倍
◆江戸の出版文化を作ってきた鱗形屋が廃業へ。
時代の流れには逆らえない……とは、現代にも通ずる話で、実は昨今も非常に多くの出版社が潰れております。
あるいは全く他業種の企業に買収されたり、ときには後継者がいなくて廃業したり、惨憺たる有り様なのですが世間では話題にもなりません。
メディアの主体が映像(テレビ)や紙(新聞や本)からスマホに移り、こればかりは仕方ないんすよねー。寂しいですが。
嫌う理由
◆鱗形屋から散々蔦屋重三郎の悪評を聞かされてきた恋川春町。
まぁさんこと朋誠堂喜三二とは違って非常に真面目な武士だけに、蔦重も吉原接待の話はまったく出しておりませんが、本人、実は気にしてたりして……。
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全否定
◆このシーンでは「鶴屋って、最悪な編集者だな!」と思われる方が大半でしょう。
しかし、非常にリアルだなぁとも感じます。
例えばコンビニの書籍コーナーに目を向けますと、何度もコスったような鬼平犯科帳(さいとう・たかを)とか、ナックルズ系の裏社会マンガとか、ワンピースとかキングダムとかの最新刊しかありませんよね?
あれはそもそも販売店が他の本を受け取らないから。
鶴屋も、経営者としては一つの考え方であり、そう的はずれな判断でもありません。
悪いのは言い方・伝え方でしょう。あんな風に言われたら、誰だってヤル気出ませんて……。
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