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日本の城事典

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日本の城事典(千田嘉博監修)が初心者にも必携の理由 現代の城攻めは熊や蛇にも備えろ!

更新日:

大河ドラマ『真田丸』の城郭考証を担うなど。
一般の人にもわかりやすいお城解説でお馴染み、奈良大学・千田嘉博教授の監修で待望のお城本が発売されております。

題して『日本の城事典』(ナツメ社)。

買おうか迷っている方もいるかと思いますが、敢えて背中を押させていただきます。
これはお城初心者にもマストバイの一冊です!!

松本城(本書に掲載の画像ではありません・以下同)

 

まるで千田先生と城巡りしているみたい

本書を開くと、まず千田先生が城歩きをしています。
一体何を言っているんだ、と思いますよね。これが本当なのです。

モンベルのジャケットを着用、しっかりと防寒対策をした千田先生が、笑顔で松本城を指さす写真がどーんとあるんですよ。
んで、フキダシは、“Lets’ go!”

まるで先生と一緒に城をめぐるように、ページをめくると城の説明が始まります。
親しみやすいフォントに、ふりがなもしっかりとついていて、初心者でもわかりやすい作りがポイント。
親切な設計です。

では内容が浅いのかな、と思うとそれは間違い。
城マニアも納得の、細かい解説が読めます。

例えば石垣の色が違うなんてところは、慣れてない人ですと「そんなものか」と素通りしてしまいがち。
そういうポイントを千田先生は、付け足した所だと分析して解説します。
カラー写真と図でポイントがよくわかるのがいいですね。

巻頭カラーページで取り上げられている上田城は、本丸跡に何も残っていません。
それでも先生の解説で、そこに何があったか想像できるようになるのです。

城というのはそこにある遺構だけを見るのではなく、その先へ想像力を膨らませてエキサイティングを味わう場所なんですね。

夕暮れの上田城

 

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デザインも秀逸 痒いところに手が届く

では、具体的に中身へ。まずはパッと見て秀逸な点をあげておきますと……。

レイアウト(デザイン)がイイ!

『なんじゃそれ?』と思われるかもしれませんが、これ、実は大事なことでして。一冊の本は執筆者だけで出来上がるものではありません。

①著者が書いた文字原稿
②写真やイラスト
このセットをデザイナーに渡し、執筆者や監修者、担当編集なども含めて「どうすれば見やすくなるか?」と色々意見を交わしつつ、文章や絵を配置するわけです。

特にお城本は、これが難しい。
1枚の写真に多くの情報が詰まっており、何をどう説明すればよいのか。
そのバランスに腐心するんですね。

本書は、それが直感的にわかる構成となっていて、初心者にも優しいのです。

たとえば、城の仕組みの中には、攻防を担う足軽たちが出てくるのですが、彼らが城の仕掛けを工夫して敵を防ぐ様子や、あるいは罠にかかって苦戦する様子が、デフォルメされて描かれていたり。

お城の仕組みを文字だけで理解しようとしても
「映像が浮かばない……」
とか
「実際どういう仕組なの……」
という疑問が先に立って、なかなか呑み込めませんよね?

痒いところに手が届く――本作をそう評したのは、まさにそういったところをカバーしてくれている点であります。

 

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城めぐりの注意点やマナー、服装についてもアドバイス

本作を読んでいてハッとさせられたのが、城めぐりの服装やおすすめの時期、注意とマナーが書いてあったことです。
なんで今まで気づかなかったのだろう。もっと早く知りたかった、と思いました。

例えば大河ドラマの紀行やガイドブックでは、城跡の見所は教えてくれますが、そこに熊や蛇がいることには触れられません。
(・(ェ)・)

実際、城に行ってみると、楽しむ以前に虫さされに悩まされたり、靴擦れが気になって仕方なかったりしてしまう。
そんな経験、ありませんか。

完全に観光地化していて、自動販売機やトイレ、ロープウェーに土産屋さん完備の城なら問題はありません。
お城聞いて想像するのも、大体はそんな場所だと思います。

しかし、山城はなかなかトンデモナイですよ。

関東屈指の山城として知られる八王子城

言われてみればもっともなことですが、城というのは攻めにくくするもの。
山城だと険しい山の上にあったり、霧深く他の場所と比べて寒かったり、そんなことは十分ありうるわけです。
夏場だからと半袖サンダルでうっかり行ってしまったりしたら、大変なことになります。

八王子城からの眺め

そういう「城で負傷」「城でうっかり遭難未遂」を防ぐための心得が、本書ではしっかり書かれています。
巻頭ページで千田先生がモンベルを着てバッチリ防寒しているのかも理解できます。

城めぐりは歴史、文系の趣味と思われがちです。
が、場所によってはトレッキングのような装備も必要になってくるんですね。

慣れてしまえば当たり前ですが、初心者だったらここは盲点。
ゆえに必携の一冊だと、私は強く主張したいのです。


(モンベルを着て冬の飛騨・松倉城を探訪される千田教授)

 

守り手攻め手の気持ちがわかる

なんだかヴィジュアル面や準備ばかりに焦点を当ててしまいましたが、もちろん中身は充実しております。

城の歴史や変遷、構造の解説、おすすめの城まで。
読めば読むほど、ここまで一冊にマトメられるのか、とうならされます。

中には「考証を無視して日本各地で建てられたなんちゃって犬山城風天守」といった面白コーナーもあり、頭のてっぺんからつま先までお城愛に満ちあふれています。

私が特に気に入ったのは「攻め手と守り手の気持ち」が、各城の紹介ページに掲載されているところですね。

「敵はきっとものすごい技術を持っているに違いない……」
「倍以上の敵が来ても追い返してやる!」
というように“なりきりコメント”までありまして。

これを参照しながら実際に行ってみたら、
「絶対、こんなところから攻めたくないなぁ」
「城へ一番乗りとかガンガンいっちゃう武将って、マジぱねぇ!」
と痛感できるはずです。
歴史を高みから俯瞰するのではなくて、当時の足軽や武将、城主の気持ちにも入り込める。心理的距離をグッと近づける仕組みが施されているのです。

城好きなら一層のめりこみ、特別な感情を抱いていない人でも引き込まれてしまう。
そんな魔法の一冊を今後のお供に。

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文:小檜山青





1位 直虎の後を継ぐ井伊直政とは?


2位 わろてんか主人公
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3位 西郷隆盛49年の生涯!


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