伊達輝宗/wikipediaより引用

信長公記 伊達家

信長から輝宗への手紙「関東を攻めるときは連携だ!」信長公記146話

こちらは2ページ目になります。
1ページ目から読む場合は
信長から輝宗への手紙
をクリックお願いします。

 


「関東を攻めるときは連携しよう」

各国さまざまな事情や思惑が蠢いていたせいか。

『信長公記』には記載がありませんが、天正二年(1574年)には信長から輝宗へ、手紙や贈り物をしたことがありました。

1年後の天正三年(1575年)【長篠の戦い】頃には、信長から輝宗へ

長篠の戦い
長篠の戦いで信長の戦術眼が鬼当たり!勝因は鉄砲ではなく天然の要害だった?

続きを見る

「関東を攻めるときは連携しよう」なんて手紙まで記されています。

信長のちょっと意外な一面かもしれませんね。

もちろん荒唐無稽な話でもありません。

織田信長
織田信長の天下統一はやはりケタ違い!生誕から本能寺までの生涯49年を振り返る

続きを見る

というのも伊達氏は後北条氏と結び、常陸の佐竹氏に対抗しようとしていましたので、もしかしたらその辺の情報を知っていたのかもしれません。

 


最初は同盟者 そして家臣へと誘導

また、信長は出羽の大名・安東愛季(あんどうちかすえ)とも連絡をとっていました。

こちらは北陸周りで海路を使えるため、もともと上方との交易をしており、信長としても連絡しやすかったと思われます。

こうした状況から、信長が東北攻略に乗り出す際は、伊達氏と安東氏を足がかりとして、事を進めるつもりだったのかもしれません。

最初は同盟という形を取り、後で家臣扱いにする流れですね。

もっとも、輝宗の息子・伊達政宗の性格からすると、大反発して一悶着起きた可能性もありそうです。

秀吉には受け入れられた政宗の芝居は、信長相手でも成功したかどうか。

本能寺の変がなければ【信長vs政宗】の対面もあったのかと思うと、少しばかりワクワクしてしまいます。


あわせて読みたい関連記事

織田信長
織田信長の天下統一はやはりケタ違い!生誕から本能寺までの生涯49年を振り返る

続きを見る

伊達政宗
伊達政宗は天下を狙っていた?派手な逸話を検証しながら70年の生涯まとめ!

続きを見る

片倉小十郎景綱
伊達家を支えた片倉小十郎景綱は政宗並にぶっ飛んでる? 59年の生涯まとめ

続きを見る

北条早雲
北条早雲はどうやって戦乱の関東に拠点を築いた?正体は幕府のエリート伊勢宗瑞

続きを見る

北条氏綱
北条氏綱~早雲の跡を継いだ名将はどうやって関東へ躍進した?55年の生涯まとめ

続きを見る

北条氏康
北条氏康は信玄や謙信と渡りあった名将也~関東を制した相模の獅子 57年の生涯

続きを見る

北条氏政
北条氏政が暗愚だから小田原は陥落した? 信玄や謙信と戦った名将の生涯53年

続きを見る

北条氏直
秀吉に滅ぼされた北条氏直は愚将か否か~早雲以来の関東覇者一族は小田原に散る

続きを見る

武田勝頼
武田勝頼は最初から詰んでいた?不遇な状況で武田家を継いだ生涯37年

続きを見る

信長はプレゼント外交がお好き 武田、上杉、遠くは伊達とも~信長公記126話

続きを見る

本能寺の変
なぜ光秀は信長を裏切ったか? 本能寺の変における諸説検証で浮かんでくる有力説

続きを見る

永享の乱で関東に火種を大量投下~そして鎌倉公方・足利持氏は切腹へ

続きを見る

享徳の乱
28年間もドンパチ続いた享徳の乱~足利vs上杉で関東は戦国時代へ

続きを見る

伊達稙宗と天文の乱
政宗の曾祖父・伊達稙宗がカオス!天文の乱を誘発して東北エリアを戦乱へ

続きを見る

秀吉に逆らってでも領土にしたい! なぜ政宗は会津にそこまで執着したのか

続きを見る

人取橋の戦い
人取橋の戦いで崖っぷちに立たされた政宗!伊達軍7,800vs35,000連合軍の結果は?

続きを見る

鷹狩
信長も家康も世界も熱中した鷹狩の歴史~日本最古の記録は仁徳天皇時代だった

続きを見る

長篠の戦い
長篠の戦いで信長の戦術眼が鬼当たり!勝因は鉄砲ではなく天然の要害だった?

続きを見る

信長公記をはじめから読みたい方は→◆信長公記

長月 七紀・記

【参考】
国史大辞典
黒嶋 敏『秀吉の武威、信長の武威:天下人はいかに服属を迫るのか (中世から近世へ)』(→amazon
太田 牛一・中川 太古『現代語訳 信長公記 (新人物文庫)』(→amazon
日本史史料研究会編『信長研究の最前線 (歴史新書y 49)』(→amazon
谷口克広『織田信長合戦全録―桶狭間から本能寺まで (中公新書)』(→amazon
谷口克広『信長と消えた家臣たち』(→amazon
谷口克広『織田信長家臣人名辞典』(→amazon
峰岸 純夫・片桐 昭彦『戦国武将合戦事典』(→amazon

TOPページへ


 



-信長公記, 伊達家

×