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【信忠の官位・秀吉の播磨進出】
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秀吉は官兵衛と手を組み姫路城へ
中国地方の毛利といえば、毛利元就が一代で急伸させた大国。
当然ながら準備は用意周到に進められました。
秀吉は以前から播磨エリアの諸将に対して調略を仕掛け、特に小寺政職(こでら まさもと)の家老だった黒田孝高(黒田官兵衛・当時は小寺孝隆)と昵懇の関係を築くことに成功したのです。
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播磨入りの直後に、孝高の居城である姫路城に入りました。
孝高は一族を別の城に移し、秀吉に姫路城本丸を提供。自身は二の丸に入ったとされますので、早い段階から秀吉、ひいては織田信長に対して大きな信頼を寄せていたことがわかりますね。
官兵衛によって足場ができた秀吉は、周辺の播磨国衆たちから人質を取り、織田氏への従属を確約させます。
他にも赤松広秀や別所長治など、播磨の有力者が以前から京都で信長に挨拶していたこともあり、かなりスムーズに事が進んだようです。
播磨から但馬へ 休む間もなく城攻め
播磨の確保ができた秀吉は、10月28日に信長へ報告。
「11月10日頃に播磨の攻略は終わらせましょう」
信長はこれを喜び、その働きを称賛する朱印状を与えました。
しかし、秀吉は手も気も抜きません。
信長より朱印状は貰いましたが、この程度では働きが足りないと考え、播磨からさらに但馬へも入ったのです。
数ヶ月前に柴田勝家とケンカし、北陸の織田軍から勝手に戦線離脱し、信長に叱責された(148話)記憶も新しい時期ですから、それを吹き飛ばす功績が必要だと判断したのでしょう。
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山口岩州の城を攻略し、さらに、竹田を攻略して砦を築き、弟の豊臣秀長を城代に入れます。
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岩州と竹田は、どちらも現在の兵庫県朝来市です。竹田城については、近年「天空の城」として有名になりましたね。
現代では豪雪地帯としても知られている地域ですから、真冬に入る前に秀吉がこの地を手に入れられたのは僥倖でした。もしかすると、雪を気にして攻略を急いだのかもしれませんね。
後に秀吉がやってのける兵糧攻めや水攻めも、地形や天候をある程度知っていなければできないことです。
有名な【中国大返し】も、秀吉が中国地方の地勢を正確に把握し、意識していたからこそ、あのような驚異的なスピードでなしえたのでしょう。
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信長公記をはじめから読みたい方は→◆信長公記
長月 七紀・記
【参考】
国史大辞典
太田 牛一・中川 太古『現代語訳 信長公記 (新人物文庫)』(→amazon)
日本史史料研究会編『信長研究の最前線 (歴史新書y 49)』(→amazon)
谷口克広『織田信長合戦全録―桶狭間から本能寺まで (中公新書)』(→amazon)
谷口克広『信長と消えた家臣たち』(→amazon)
谷口克広『織田信長家臣人名辞典』(→amazon)
峰岸 純夫・片桐 昭彦『戦国武将合戦事典』(→amazon)