日常生活を送っている中で『それって江戸時代の感覚では?』と思うこと、ありません?
新型コロナウイルスの感染者に対する村八分的リアクション……というのも確かにそうですが、何も特別なことではなく、以前からずーーーーーっと日常に蔓延していた感覚。
「お金が卑しい」という考え方です。
例えば「投資」や「株」という言葉を聞いただけで、「怪しい、危ない、ラクして稼ごうとする汚いヤツ」そんな問答無用の拒否反応、ありますよね。
実は日本人をそう仕向ける思想は、すでに江戸時代から根付いてました。
【貴穀賤金(きこくせんきん)】です。
読んで字の如く「穀物(米麦)は貴く、金は賤しい」とする考え方で、特にこの時代ですと「士農工商」の「商」の位置がわかりやすく扱われていますね。
「せこせこ金を稼ぐ商人なんて人間的には下のランクw 天下を動かすのは俺ら武士w」
そんな高圧的マウントがあるこの時代、静かに声をあげる人物もいました。
石田梅岩(ばいがん)と中沢道二(どうに)――いったいコイツら何者なのよ?ということでマンガ『日本史ブギウギ』第199話スタート!
心学
従来の米中心経済から重商主義へと舵を切りました。
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こうした田沼改革が、士農工商の最下層に甘んじてきてた商人に、矜持の復活チャンスを与えたのでしょう。
そこへ現れたのが石田梅岩(1685-1744年)でした。
士農工商
◆石田梅岩は【石門心学】を推進。
【貴穀賤金】の風潮に屈せず「町人の利益は武士の俸禄と同じである」と説きました。
無料でセミナーを開くなどして、町人たちに教えを伝えていったのです。
元文4年(1739年)には書物『都鄙問答』(全四巻)をマトメて、石門心学の普及に努めました。
心得
◆一方、中沢道二(1725-1803年)も負けてはおりません。
石門心学で学び修めると、関東から東北、中部方面にも布教に出て、実に76歳で亡くなるまで長く活動を続けていました。
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