堀田正睦/wikipediaより引用

幕末・維新

堀田正睦は優秀な開明派だが幕府と朝廷に挟まれパンク寸前! 55年の生涯

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「京都の朝廷の意見も聞かないといかんよ」

引き立てて間もなく阿部は急死。

その後、堀田は阿部のやり残した仕事に着手しました。

意外かもしれませんが、開明的で「蘭癖大名」と呼ばれていた堀田は、ガチガチ攘夷論者の徳川斉昭と気が合うはずもありません。

その辺、阿部は巧みにコントロールしておりましたが、足を引っ張りかねない斉昭を、堀田は幕政から追い出します。

「これからは軍政や海防改革に口を出さないでください」とまぁ、バッサリ!

当然、徳川斉昭もブチ切れるわけで「おのれ堀田め! いずれ蹴落としてやる!」とばかりに歯がみしながら去ってゆきました。

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これはむしろ、狂犬・斉昭すら手綱に取っていた阿部正弘のコントロール術が特別過ぎたのであって、堀田にとってはやむを得ない決断だったのではないでしょうか。

このあとで直面するべき問題は、将軍継嗣問題とアメリカとの条約問題です。

1853年の日米和親条約に続く、日米通商修好条約。

岩瀬忠震を用いて、アメリカ側のハリスと交渉をまとめた堀田でしたが、諸大名からこんな意見が出てきました。

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「そういう大事なことは、ちゃんと京都の朝廷の意見も聞かないといかんよ」

それもそのはず、幕府は朝廷丸無視で開国しようとしていたのです。

 

6万両の工作資金を持って

安政5年(1858年)ざっくりと条約案をまとめた堀田は、岩瀬忠震・川路聖謨らちともに、勅許をもらうため京都へ向かいます。

これぞ堀田追い落としのチャンスだとほくそ笑む人がいました。

徳川斉昭です。
そして、貧困にあえぐ公家たちでした。

当時の京都の公家というのは、ともかく貧乏。二百年以上幕府に推されっぱなしで、生活は苦しいものでした。

未来の明治天皇すら、出産時に費用が不足しており、食費を切り詰めてまで工面した……等という話すらあるほどです。

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そんな中、東から徳川家が頭を下げて意見を聞きに来るわけですから、そりゃまあ、盛り上がりますね。

盛り上がるだけではなく、徳川斉昭が朝廷工作もしていました。

斉昭は、前関白・鷹司政道相手に、働きかけておりました。

「腰抜け幕府に、条約には断固反対だと言ってやりましょう! 汚らわしい異人どもに踏み荒らされてよいものか!」

鷹司政道の正室・徳川清子は斉昭の姉にあたります。親戚ですから話は通じやすい……と、同時に袖の下も握らせれば尚更でしょう。

もちろん、堀田とて無策ではありません。

6万両という工作資金を握って京都に向かっています。

 

カネで動かない人もいるわけで

幕末の公家というと、いろいろと動いています。

もちろんポリシーがあって動いている愛国心が強い人もいたでしょうが、実のところものを言うのはマネー&マネー。袖の下です。

国のためを思う心が維新を成し遂げた、という物語は確かに美しいです。

しかし、実際には金が乱れ飛ぶ、贈賄収賄工作の応酬であったのです。

金がなければ敗北あるのみでした。

薩摩藩や長州藩が会津藩に対して優れていた点は何か、といいますと。

人材や精神論で語られがちです。

しかし、重要な点を見落としています。

借金を踏み倒し、貿易で金を貯め込めた薩摩藩。

撫育局資金や宝蔵金があった長州藩。

一方で、京都守護職で金が出て行く一方の会津藩。

これでは、そもそも相手になるわけもありません。

藩財政を建て直した調所広郷(薩摩)や村田清風(長州)は本当に偉いと思います。

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話を戻しまして。

当時、金では絶対に動かない人もいました。

その代表が孝明天皇です。

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ともかく強烈、日本一とも言えるほどの攘夷論者である孝明天皇が首を縦に振らなければ、いくら大金を持参したってどうにもなりません。

堀田は朝廷工作を二ヶ月間がんばりました。そして失敗しました。

堀田は心が折れてしまいます。

「もう公家の連中はマトモじゃない……。話が全然通じないって……」

そんな本音すら、吐露していました。
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