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【外国人初の富士山登頂】
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神の山で鉄砲を撃ち 雪でシャンパン冷やします
いよいよ富士山に到着。
山小屋での寝泊りはノミなどのせいであまり居心地が良いとはいえなかったようです。
登山道を四時間歩いたり、彼らの体力や根性がうかがえます。
イギリス貴族って知的なイメージが強い気がしますが、なかなか屈強ですよね。
しかし、手放しで喜んでいられないこともありました。
特に富士山頂に到着した彼らの行動が、いささか奇天烈というか、現代なら炎上必至というか。
だったそうで……彼らとしては色々と敬意を表しての行動だったようですが、同行した幕府の役人はさぞかし困ったことでしょう。
現代だったらワイドショーで取り上げられ、「だからインバウンドは困る!」との大合唱になっていましたね。
一方、彼らは、富士山の景観についてはベタ褒めしています。
青い海や、澄み渡る空、そして谷から海へ流れる川の様子などに心を奪われ、「我々の苦労は十倍も報われた」と言っているのです。
さらには「日本人は美しい富士山があることを誇りに思えよ!」だなんて、いささかツンデレ気味な態度まで。
オールコックは1864年(元治元年)頃にイギリスへ帰りますが、彼や周りの人が書いた記録によって、富士山の景観等に憧れを抱くヨーロッパ人が多くいたようです。
イギリス山岳会の雑誌にも寄稿
特に影響を与えたのが、同じくイギリス人の宣教師ウォルター・ウェストンでしょうか。
彼は富士山だけでなく日本アルプス等も踏破し、イギリス山岳会の雑誌にも寄稿しています。
「日本アルプス」の呼び名も、彼が「飛騨山脈をはじめとした山々は、日本のアルプス山脈と形容するにふさわしい」と絶賛したことからついたものだそうで。
そんな険しい山々にもかかわらず“厳冬”の中で踏破した戦国武将・佐々成政の精神力ってマジぱねぇ……。
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2024年7月現在、世界のコロナ騒動は終わり、円安効果から、日本には大勢の外国人が訪れるようになりました。
彼らの一部の中には、かなり無茶な富士山登山を強行する者たちもいて、問題になっていますね。
貴重な観光資源ですから、その保全のため外国人には特別料金を課すということも検討されているようですが、より楽しいスポットになるのなら、観光客にとっても良い試みかもしれません。
もちろん山頂でシャンパン飲んだり、鉄砲撃ったりはご勘弁ということで。
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長月七紀・記
【参考】
宮永孝『オールコック英公使 : 富士山に登ったヨーロッパ人第一号』(法政大学学術機関リポジトリ)(→link)
ウォルター・ウェストン/wikipedia